ゲームの「通れそうで通れないちょっと面白い場所」紹介が賑わう。突然犬に阻まれたり、スカスカの障害物があったり“お約束”いろいろ
主人公を自由に移動できるゲームにおいて、マップの通行が一時的に制限されるシステムはしばしば見かけられる。「ここは通れない」といったメッセージとともに、施錠や瓦礫による封鎖などさまざまな理由が提示されることもある。現在SNS上にて、そうした理由付けのなかでも、面白かったもの・好きなものをユーザーたちが共有しあっている。
今回の発端と見られるのは、個人ゲーム開発者のNath氏によるX投稿だ。同氏は7月28日、「好きな“ここは通れない”の理由を投稿して」とのメッセージを添えて、一枚のスクリーンショットを投稿。『零 ~月蝕の仮面~』と見られるゲームにおいて、「赤い車椅子で廊下が塞がれている」との理由で進路が塞がれている様子が共有されている。同作では車椅子と悪霊を絡める描写もあり、後でこつ然と消えていてもおかしくない、触れたくない不気味な障害物として車椅子が採用されたのかもしれない。
上述の例には、「椅子の中でも車椅子が一番動かしやすいだろう」などの感想が寄せられている。たしかにどけるか脇を通るかすれば通れそうである。しかし、こうした描写は「ここは通れません」というゲーム側からの意思表示、いわばお約束でもあるだろう。そうした、よくよく考えるとおかしな「ここは通れません」描写が、ユーザーから多数寄せられているわけだ。
通行制限の理由付けには、一定のパターンがあるようだ。なかでもやはり目立つのは、「人・動物・障害物などが塞いでいる」パターンである。たとえば『ポケットモンスター』シリーズでは、『ポケットモンスターブラック2・ホワイト2』の「意味なく踊る集団」など複数のケースが紹介されている。初代のカビゴンや細い木による通行制限をはじめとして、同シリーズでは“通せんぼ”が目立ちがちなのもあるだろう。
ほかにも、『黄金の太陽』シリーズでの「仔犬が遊んでいるのでそっとしておこう」との理由づけや、『シャドウオブメモリーズ』の「あまり脈絡なく道端にいる犬」などが挙げられている。物体としては、『バイオハザード RE:3』の「いかにも脇を通れそうな障害物」や、『フォールアウト3』からと見られる「スカスカに壊れているのに高いロックピックスキルを求められるドア」などが紹介されていた。「ここは通れないことにしてね」という“お約束感”もありつつ、多彩なパターンで制限が実装されているようだ。
ほかの理由づけとしては、「今はそれどころではない」と思い直させるかたちが見られる。『MOTHER3』では、犬のボニーを操作するパートで「今はピクルス(おーいしいピクルス)を探さなければいけない」といったメッセージとともに、移動エリア制限がかかっている。類型としては、プレイヤーが進入できない「ゲームエリアの限界」についても、『Family Guy Video Game!(国内未発売)』では「見えない壁を触るパントマイマーを配置」、『アサシン クリード』シリーズでは、設定を活かして「操作キャラが経験していない記憶のため進入できない」といった工夫がなされている。
なお、ユーザーによる一連の投稿のなかでは、そうしたゲーム内での通行制限をまとめるアカウント「we dont need to go there now」が紹介されている。さらに多彩な“通れない理由付け”が紹介されているため、気になる方はチェックしてみてほしい。同アカウントは『Anodyne』『Sephonie』などを手がけたAnalgesic ProductionsのMelos Han-Tani氏が運営している。
なお、今回のX投稿をしたNath氏は、Headware Gamesとして過去にホラーゲーム『Chasing Static』などをリリース。現在は新作サバイバルホラーゲーム『Hollowbody』を開発中だ。同作にも通行制限はあるのか、あるとすれば、Nath氏がどのように表現するかは気になるところだ。