『祇(くにつがみ):Path of the Goddess』にて、村人たちの生活を「妄想」する人増加中。モブっぽいのに生々しいプロフィール
カプコンは7月19日、『祇(くにつがみ):Path of the Goddess』(以下、祇)を発売した。対応プラットフォームはPC(Steam/Windows)/PS4/PS5/Xbox One/Xbox Series X|Sで、Xbox Game Pass(PC/コンソール/クラウド)向けにも提供されている。本作では村人たちにプロフィールが設定されているのだが、やたら生々しさがあるなどとして、話題となっているようだ。
『祇』は、アクション要素とタワーディフェンス風のストラテジー要素を融合させたゲームだ。舞台となるのは、穢れに覆われた禍福山。プレイヤーは主人公の宗として、巫女である「世代」と山に点在する村々を訪れ、異界に繋がった鳥居を浄化し穢れを祓うことを目指す。
宗は世代を鳥居へと導きつつ、村人たちの穢れを祓って村中に配置。「畏哭」と呼ばれる妖怪が襲来する夜に備えるのだ。そして夜には村人と協力しながら鳥居から現れ、世代を狙う畏哭たちを撃退。世代が鳥居までたどり着き、浄め終わるまで昼夜のサイクルを繰り返していく。
本作では村人の「面」を付け替えることで職業を選択可能。職業の違いで服装も変化するうえ、そもそも面を付けていることもあって一見すると村人ごとの個性の違いはあまり感じられない。一方で、村人たちには人物像や背景といった詳細がテキストで用意されており、確認することで村人たちの生活をうかがい知ることができる。そこに記載されている村人のプロフィールがやけに生々しいとして、プレイヤーたちの想像を掻き立てているようだ。
たとえば「駆足林」には計4人の村人がおり、「伊右衛門」と「きぬ」は夫婦。「彦作」と「忠吉」はともに暮らす兄弟だ。きぬは山のふもとの村から伊右衛門のもとに嫁いできた、とプロフィールには書かれており、駆足林は今まで男性ばかりの村であったことがうかがえる。そのためか忠吉は今まで女性との関わりが薄く、きぬとの接し方にも悩んでいる、と書かれている。平和な悩みながら、村人たちの暮らしが何となく想像できる描写といえるだろう。
とはいえ中には訳ありと思われる村人たちが集う村もある模様。過去に復讐を果たして流れ着いた村人や、冤罪から逃れて落ちのびた村人もいる。時代背景的にもリアルな設定といえるかもしれない。同じひとつの村でも、暮らす人間それぞれの事情が垣間見える。
X上では、こうした村人のプロフィールに言及する投稿が散見される。ゲーム内では協力して畏哭に対し共闘することもあってか、より親しみを感じるプレイヤーが多いようだ。海外掲示板Redditでも同様に、村人たちの関係に想いを馳せたりしているユーザーがみられる。なかには、村の復興で夫婦などをともに作業させるといった遊び方もされている模様。
『祇』発売前に弊誌が参加した合同インタビューでは、本作のディレクターを務める川田脩壱氏が、“あえて(個性の際立たない)一般的な村人”をNPCとして設定することで、共闘していくなかで信頼感が芽生えていくと語っている。またそうした村人について、設定部分であるミニテキストを読むことで、山中の村での関係性がわかったりする、という作りも伝えられていた(弊誌合同インタビュー記事)。一見その他大勢に見える村人ながら、調べてみるとひとりひとりの個性や繋がりも見えてくる作り込みとなっているわけだ。
こうしたNPCの詳細設定もあってか、プレイヤーたちは禍福山の村々に対し、思う存分想像をはたらかせているようだ。村人と共闘、あるいは村の復興をするにあたっては、そんな背景事情に思いを巡らせつつ接してみるのもいいだろう。また先述したユーザーのように、村人の配置時にも設定に気を配ってみても楽しいかもしれない。
『祇(くにつがみ):Path of the Goddess』はPC(Steam/Windows)/PS4/PS5/Xbox One/Xbox Series X|S向けに発売中。Xbox Game Pass(PC/コンソール/クラウド)向けにも提供されている。