“クラッシュ・バンディクー新作”がひっそり開発中止されていた、と前作のデザイナーが明かす。守秘義務が切れたとして

『クラッシュ・バンディクー4 とんでもマルチバース』のシニアコンセプトアーティストが、過去に“クラッシュ・バンディクー5(Crash 5)”にも携わったものの同プロジェクトは中止となったと報告している。

『クラッシュ・バンディクー4 とんでもマルチバース』にてシニアコンセプトアーティストを担当したNicholas Kole氏が、過去に“クラッシュ・バンディクー5(Crash 5)”にも携わったものの同プロジェクトは中止となったと報告している。海外メディアVG247が報じている。

『クラッシュ・バンディクー』シリーズは、Naughty Dogが手がけPS1向けに1996年に発売された『クラッシュ・バンディクー』に端を発するアクションゲームだ。同スタジオは初期のナンバリング三作品のほか、スピンオフとなるレーシングゲーム『クラッシュ・バンディクー レーシング』を開発。以降はナンバリング作品やスピンオフ作品をNaughty Dogとは別のスタジオが手がけてきた。

『クラッシュ・バンディクー4 とんでもマルチバース』

直近のシリーズ作品としてはToys For Bobが手がけた『クラッシュ・バンディクー4 とんでもマルチバース』(以下、クラッシュ・バンディクー4)および対戦ゲーム『クラッシュ・チーム・ランブル』が発売。このうち『クラッシュ・バンディクー4』は、1998年発売の『クラッシュ・バンディクー3 ~ブッとび!世界一周~』の続編となったタイトルだ。

そして今回、元Toys For Bobでアーティストを務めていたNicholas Kole氏が、同スタジオで『クラッシュ・バンディクー』シリーズ続編が開発され中止となったことを示唆している。同氏は『スパイロ』シリーズ3作品のリマスター版『Spyro Reignited Trilogy』にてキャラクターデザイナーを務めたほか、『クラッシュ・バンディクー4』ではシニアコンセプトアーティストを担当した人物だ。

Kole氏の投稿によると、まず同氏がPhoenix Labsにて携わり中止となったプロジェクト「Project Dragon」が7月13日をもって再開の見込みもなくなり完全に終了されたとのこと。これに伴って守秘義務もなくなったそうで、同氏は同プロジェクトに携わった際のアートを今後ポートフォリオとして公開することを告知した。なお同作は『スパイロ』シリーズとは無関係の新規IPであったと明言されている。サンドボックス型のマルチプレイ・サバイバルクラフトRPGとして開発されていたそうだ。


そして、Kole氏は別の投稿にて、“別のスタジオ”で「Crash 5」に携わっていたものの、こちらも中止となったことを明らかにした。つまり『クラッシュ・バンディクー』シリーズのナンバリング新作だろう。同氏は具体的にどのスタジオで携わっていたのかは明かしてないものの、Toys For Bob在籍時代のプロジェクトだったのかもしれない。

Toys For Bobといえば、今年の2月末に親会社であったActivisionから独立を果たしたスタジオだ(関連記事)。今年5月にはXboxとの提携のもと、新作を開発中であると告知している。一方で独立に先だって、今年1月に実施されたマイクロソフトの大規模レイオフの影響で、Toys for Bobでも86名のスタッフを対象にレイオフが実施されたとみられることが報じられていた(San Francisco Chronicle)。今回Kole氏が中止されたと報告している「Crash 5」を同スタジオが手がけていたとすれば、スタジオの現在の状況からプロジェクト再開の見込みもなくなったと判断されたのかもしれない。

とはいえKole氏のLinkedInによると、同氏はToys For Bobを2021年に退職しており、先述のとおりToys For Bobは新作を開発中であるとも伝えている。同氏が携わった作品とは別のプロジェクトとして、Toys For Bobあるいは別のスタジオにより『クラッシュ・バンディクー』の新作が開発されている可能性もあるだろう。『クラッシュ・バンディクー4』発売から約4年が経過しており、今後シリーズの新展開があるかどうかは注目される。

Hideaki Fujiwara
Hideaki Fujiwara

なんでも遊ぶ雑食ゲーマー。『Titanfall 2』が好きだったこともあり、『Apex Legends』はリリース当初から遊び続けています。

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