『エルデンリング』DLCボス戦では意外と「ドッスン回避」が使いやすいとの報告。ボスの“ディレイ”にあわせやすいとして
『エルデンリング』の海外コミュニティにおいて、ボス戦では重量状態のローリングを用いるのが有効ではないかとのユーザー意見が投じられ、支持が寄せられている。特にDLCでは、攻撃にいわゆる「ディレイ」のあるボス戦で有効とする見方もあるようだ。
『エルデンリング』は、フロム・ソフトウェアが手がけるアクションRPGだ。DLC「SHADOW OF THE ERDTREE」では新たな舞台となる「影の地」にて、神人ミケラにまつわる物語が描かれる。
『エルデンリング』は、フロム・ソフトウェアが手がけるアクションRPGだ。いわゆるソウルシリーズなどの同スタジオ過去作のゲームプレイを色濃く継承しつつ、広大なオープンフィールドが舞台となっている点が特徴。そしてDLC「SHADOW OF THE ERDTREE」では新たな舞台となる「影の地」にて、神人ミケラにまつわる物語が描かれる。同DLCでは本編をやり込んだプレイヤーにも新たな挑戦を届けるためか、敵攻撃力の調整などに本編と独立した厳しさが見られる。
DLCの手強いバランスに対して、新たな強化システム「影樹の加護」に使う影樹の破片集め(関連記事)や、強力な新武器・魔術を用いて対抗するユーザーなどがみられる。一方で、Redditの本作コミュニティでは一風変わった戦法がおすすめされ、支持を受けているようだ。
一風変わった戦法を提唱しているのはRedditユーザーのMarchtmdsmiling氏。同氏は本作ではボスに対して「重量」状態のローリング(回避)が非常に有効(OP・Overpowered)ではないかとの持論を展開している。本作では装備重量に応じて軽量・中量・重量・重量過多へとキャラの状態が変化し、軽量・中量・重量ではおもにローリングの距離やモーションの長さに違いが生じる。重量状態では、どっすんとした重々しいモーションに変化し、ローリングによって移動できる距離が短くなりつつ、モーションも長くなる。従来のソウルシリーズ作品から共通の仕様となっている。
そしてMarchtmdsmiling氏はビルドを組んでいる際にうっかり頭防具やタリスマンを付け替えてしまい、「重量」状態でボスに挑むことになったようだ。しかし同氏はその状態で試して気づいたからか、重量状態のローリングこそボス戦でかなり有効ではないかとの考えを述べている。同氏いわく、ボスからのあらゆる攻撃は、重量状態で最初の攻撃をローリングして避けた後、すぐローリングすれば次の攻撃も避けられるようになっているのではないか、とのこと。特に連続攻撃において、重量状態のローリングは有効だと考えているようだ。
先述のとおり重量状態ではローリングの距離が短くなり、モーションも長くなる。そのためMarchtmdsmiling氏の主張は、性能面で避けやすくなるわけではなく「タイミング」をとりやすくなるといった意見とみられる。というのも本作では素早い攻撃に織り交ぜて、タメの長いいわゆる“ディレイ”をかけた攻撃を多用してくるボスが多い。このため連発できる軽量・中量ローリングよりも、あえてローリングを連発できない重量ローリングの方が避けやすくなるといった考えのようだ。これまでのソウルシリーズでは使いどころが難しいイメージが定着している重量状態のローリングながら、意外にも活躍する可能性が示されたわけだ。
スレッド内には、重量ローリングの方がボスと戦いやすいというMarchtmdsmiling氏の説を支持する声も寄せられている。なかにはボス戦で試行錯誤を繰り返すうちにMarchtmdsmiling氏のようにうっかり重量状態になったものの、戦っていたボスと意外にも善戦できたとの報告もみられる。また特にDLCのボスには、ローリングを闇雲に連発するプレイヤーを狙うような攻撃が多いといった意見も存在。重量状態のローリングであれば、かえってそうしたボスの攻撃を避けやすくなるとの考えも寄せられている。
またDLCで追加された、装備重量が大きいほどカット率(防御力に関わるステータス)を底上げできる新タリスマン「緑青の円盤」との相性が良好な点も、重量状態の利点として挙げられている。そうした重量状態への追い風もあってか、DLCではソウルシリーズの中で初めて重量状態のビルドを用いているとの報告もあがっている。意外にも重量状態のローリングを気に入っている、あるいは有効だと考えるユーザーが散見されるかたちだ。
実際のところ重量状態のローリングは本当にボス戦で有効なのか。筆者も実際に試したところ、Marchtmdsmiling氏の伝えるようにボスの連続攻撃において「最初の攻撃をローリングして避けた後、すぐローリングすれば次の攻撃も避けられる」とは限らない様子であった。ボスや攻撃の種類にもよるものの、重量状態のローリングでも最初の攻撃の回避後、基本的には次の攻撃のディレイを待つ必要はある。またほかのローリングと比べて距離を離しづらい不便さもある。
一方でたとえば神獣獅子舞の三段階の回転攻撃など、ディレイの大きな連続攻撃では、タイミングを計りやすい印象もあった。特に筆者は普段ローリングを連発しがちなこともあり、重量状態では無駄なローリングをそもそもできなくなることでよりタイミングを掴みやすくなったのかもしれない。また軽量・中量にとどめるための装備重量の制限が緩和される点から、カット率の高い防具や大盾も装備しやすい。ローリングで避けられなくとも、大盾で防いだり食らって生き延びたりできるのも魅力かもしれない。
いずれにせよソウルシリーズでは、重装備を身にまとう代償と捉えられていた重量状態のローリングが、『エルデンリング』にてボス戦で有効とする考えに賛同も集まっている点は興味深い。本作やDLCでは特にボスの攻撃のディレイが大きくなった傾向もあるからか、一部ユーザーから重量ローリングは脚光を浴びているようだ。攻略に行き詰ったときは装備や魔術、ステータスだけでなく、“装備重量大盛り化”も含めて検討してみるのもよいだろう。
『エルデンリング』およびDLC「SHADOW OF THE ERDTREE」はPC(Steam)およびPS5/PS4/Xbox Series X|S/Xbox One向けに発売中。ゲーム本編とDLCを同梱する「SHADOW OF THE ERDTREE EDITION」も販売されている。