「ムチムチアップデート」でまさかの人口爆増、美少女TPS『スノウブレイク:禁域降臨』開発者に「肉感アプデ」の背景や「対象年齢の引き上げ」後の予定を訊いた
Amazing Seasun Gamesより配信されている『スノウブレイク:禁域降臨』(以下、スノウブレイク)。同作が急激に人気を伸ばしている件についてプロデューサーに話を訊いた。
『スノウブレイク』は基本プレイ無料の3D美少女シューティングRPGだ。PC(公式サイト/Steam/Epic Gamesストア)/iOS/Android向けに配信中。謎の災害「タイタン降臨」に見舞われた近未来の世界を舞台に、プレイヤーはタイタンに対抗する特殊武装部隊「ヘイムダル部隊」の分析員として戦うこととなる。武器やスキルの異なる3人美少女を編成、TPS視点でキャラクターを切り替えながらの戦闘や、魅力的なキャラクターが特徴だ。
『スノウブレイク』は今年度に入ってから大きな賑いを見せており、SNSで話題に上がることもしばしばあり、5月にはSteamリリース当初の3倍近い同時接続ユーザー数を記録している(SteamDB)。では、何が人気急上昇に繋がったのか。今回は、そんな『スノウブレイク』の日本向けプロデューサーにインタビューを実施した。ヒットの理由やその影響、魅力的なキャラクターを実装した意図などをうかがうことができた。
人気回復からのヒット
──自己紹介をお願いします。
日本担当プロデューサー:
皆さんこんにちは。『スノウブレイク:禁域降臨』のチームで日本地域の運営を担当しているプロデューサーです。私たちのプロジェクトとチームを皆さんに紹介する機会ができてとても光栄に思います。
──『スノウブレイク』は現在、特に勢いがあり、多くのユーザーに支持されている印象です。現在の所感として、勢いを感じていますか?
日本担当プロデューサー:
勢いを強く感じています。一番実感として大きいのは、コミュニティの人数、ゲームのDAU(デイリーアクティブユーザー)、売上が大幅に増えたことです。具体的に言うと、チームの仕事量が大幅に増えたことですね(笑)実際、開発方針を調整して以来、徐々に人気が高まり、Ver1.7(光添う陰)ではついに爆発的に盛り上がりました。1日の平均アクティブユーザー数が50%以上増加し、コミュニティや二次創作も活気づき、そのおかげで『スノウブレイク』への注目度も高まりました。
Ver1.7(光添う陰)
──50%以上増加ですか、凄い盛り上がりですね。こうした『スノウブレイク』の盛り上がりは、少なくとも日本ではリリースからかなりの時間が空いてからのものだと存じております。今、このタイミングで多くのユーザーに支持を得た理由を教えてください。
日本担当プロデューサー:
理由はいろいろあると思いますが、一番は、運営チームと開発チームがユーザーに好まれる内容、つまり「ファンサービス」系のゲームを作ることにこだわり抜いたことだと思います。そうしてユーザーの評価が徐々に積み上げられ、『スノウブレイク』の人気も回復し始めました。
これは試行錯誤の繰り返しでした。リリース直後は上手くいきませんでしたが、それでも多くのユーザーから頂いた励ましの言葉や、貴重な意見を糧にして頑張ってこれました。そうした中で、ユーザー層にしっかりしたサービスを提供し、ユーザーにしっかりとアプローチし、彼らの本当のニーズに耳を傾けるのが、『スノウブレイク』が復活できる唯一のチャンスであるという気づきがありました。
なので、運営チームはユーザーのニーズ調査、ローカライズの改善、コミュニティのユーザー維持で手抜きをしたことはありません。開発チームの頑張りも大きかったですね。彼らはいかに困難な時でも『スノウブレイク』を諦めず、ユーザー層のニーズに基づき、メインストーリー、キャラクターデザイン、ゲームモードなどのゲーム要素を全面的にかつ全力で改善しました。これは非常に重要なことでした。
──ユーザーのニーズに応えるよう徹したことで、人気回復に繋がったと。現在の盛り上がりは、運営に影響しましたか?具体的にはどういった影響がありましたか?
日本担当プロデューサー:
たくさんの新規プレイヤーが加入し、ゲームの数字も明らかに良くなっています。これは私たちにとって一番大きくてポジティブな影響です。もちろん、『スノウブレイク』が復活できたのは、支えてくれるユーザーがいたからこそです。私たちはユーザーの皆さんにとても感謝しています。
その一方で、人手が足りなくなっています。公式Xで話したこともありますが、リリース初期の危機に遭遇したあと、多くの仲間がさまざまな理由でチームから離れたため、現在『スノウブレイク』海外運営チームでは人員が不足しています。新規ユーザーが加入して、1周年も近づき、海外運営チームは多忙を極めており、特にコミュニティ関連の仕事は手が回らないくらいです。
また影響の一例として、『スノウブレイク』のユーザーではない一部の人たちより、ゲーム内容と開発方針について批判をいただくこともありました。でもご安心ください、『スノウブレイク』は誰のためにサービスを提供すべきかよく分かっていますからね。
──国別のユーザー割合、売上割合をざっくりでいいので教えていただくことは可能でしょうか?
日本担当プロデューサー:
グローバルプロジェクトなので、具体的な国と地域を列挙するとリストが長くなるため、普段は言語別に集計しています。
ユーザーの割合については、簡体字中国語サーバーを除くと、英語圏のユーザーが約60%と最も多く、日本語圏のユーザーが20%、日本語圏を除く東アジア地域のユーザーが残りの20%となっています。売上の割合については、単独の国で売上が一番良いのは日本です。およそ30%を占めています。日本のユーザーの皆さん、いつも応援いただきありがとうございます。
──日本での売上が良いのは1人のプレイヤーとして嬉しいです。ちなみに日本での盛り上がりを感じられた具体例があれば教えて下さい。
日本担当プロデューサー:
具体例と言えば、Ver1.8の間に、『スノウブレイク』がSteam日本地域の売上トップになり、ゲーム内のオンライン人数も歴史上最高を記録したことです。
魅力あふれるスキンやキャラクターの追求
──さきほどユーザーのニーズに応えるとお話されました。それでいうと、最近進んでいる肉感アップデートの話は外せないですよね。魅力的で肉感的なキャラクター・スキンの実装や、キャラクターと官能的に触れ合えるふれあいモードの実装があり、そういった要素は『スノウブレイク』における代表的な要素ともなってきています。こうした路線にした理由を教えてください。
日本担当プロデューサー:
これも多くの試行錯誤がありました。『スノウブレイク』のリリース初期からプレイしていたユーザーなら分かると思いますが、初期はバージョンごとに、スタイルに大きな違いがありました。複数のバージョンを経る中で、開発チームで試行錯誤し、様々なデザインの方向性やゲーム内容を試してようやく今の方向性へと落ち着いたのです。
キャラクターの魅力をアピールし、分析員とヘイムダル部隊の隊員たちの絆を強調して、キャラクターとの“親密なふれあい”を強化する路線が、『スノウブレイク』にとって最適だったのだと思いますし、今後も多くのユーザーに選ばれるための要素になっていると信じています。そして、ゲームの良し悪しを判断する基準はとてもはっきりしています。それはユーザーから寄せられたフィードバックと具体的なデータです。
ふれあいモードのスクリーンショット
──魅力的で肉感的なキャラクター・スキンや、ふれあいモードに対するプレイヤーからの反応は、実装正直いかがでしたでしょうか。
日本担当プロデューサー:
とても気に入っていただけたかと思います。今までのスキンの中で一番好評だったと言ってもよいでしょう。もちろん、初めて実装した機能なので、デザイン上の至らなかった点もあり、プレイヤーたちから改善のご意見をいただきました。本当にプレイヤーの皆さんに感謝しています。
正直なところ、プレイヤーからの反応は私たちの予想を超えていました。ふれあいモードが実装されてから、関連する投稿と二次創作の数も多くなり、新規ユーザーとアクティブユーザー数はピークに達しています。
──最近では対象年齢の引き上げがありましたが、今後さらに魅力的なキャラクターやスキン、ふれあいモードなどは実装されるのでしょうか?
日本担当プロデューサー:
答えは「イエス」です。実装したふれあいモードはユーザーの反響もよかったので、これからもっと魅力的なキャラクター、スキン、ふれあい内容を実装しますので、お楽しみに。対象年齢を引き上げたのは、もっと自由により良い内容を創作するためでした。その過程で、サービスを提供するユーザー層を明確にしていく必要があったためです。
──夢が広がります。ちなみに運営、または個人としてお気に入りのキャラ・スキンはなんですか?
日本担当プロデューサー:
海外運営チーム内では、カーシア-月光のホロスというスキンが好きな人が多いです。このスキンはカーシアの性格の特徴とスタイルを完璧に表現していて、とても素敵なスキンだと思います。
──個人的には今の方向性がとても気に入っています。一方で、最近のSNSでは『スノウブレイク』のキャラクターが男性プレイヤーに媚びすぎているという論争が起こりましたが、このことについてはどうお考えでしょうか?
日本担当プロデューサー:
『スノウブレイク』が現在の成果をあげたのは、間違いなくプレイヤーの熱意と応援のおかげです。あらゆるデータや数字よりも、この熱意と応援が私たちの心を奮い立たせてくれます。皆さんの言葉が、「もっと多くの人に私たちの作品を見てもらい、好きになってもらいたい」という、ゲーム作りに携わる私たちの初心を思い出させてくれています。
ユーザーの言葉に丁寧に耳を傾けてきた結果が、今だということですね。この挑戦と競争に満ちた時代において、ゲーム開発者になった私たちは、様々な困難と挑戦に直面し、何度も挫折と失敗を経験してきました。そして今の論争も、様々な声の中のほんの一部です。このようなことで私たちの初心は揺るぎません。私たちは今後もプレイヤーのニーズに耳を傾け、そのニーズを満足させるために頑張ります。私たちの誠意と努力で、必ずプレイヤーの皆さんに認めてもらうことを信じています。
そのため、私たちは外部の論争についてはノーコメントです。一言だけ付け加えるとすれば、創作について何が正しいかという問いに対して、誰もその正解を決める権利はないと思います。私たちは自分の進む道を貫き、応援してくれるプレイヤーの期待に応えて、プレイヤーを満足させるようなゲームを作っていきたいと願うばかりです。これからも私たちのゲームを楽しみにしていただけると幸いです。
──ありがとうございます。『スノウブレイク』は魅力的なキャラだけでなく、作り込まれたシューティング部分やマルチプレイも高い評価を得ていると個人的に感じています。今後スノウブレイクはどのように進化していき、どのようなゲームになっていくのでしょうか?
日本担当プロデューサー:
これからも戦闘やマルチプレイの要素について、より深く探究していくつもりです。魅力的なキャラクターと共に爽快感と達成感ある戦闘を堪能してもらいたい、というのが私たちの一番の願いです。
ユーザーと近い距離での運営方針
──本インタビューでも感じましたが、『スノウブレイク』は他のソーシャルゲームと比べるとコミュニティと非常に近い運営をしている印象を受けます。運営として意識的にユーザーとのコミュニケーションに取り組んでいるのでしょうか。
日本担当プロデューサー:
はい、コミュニティやユーザーとのコミュニケーションをとても大事にしています。狙いは一つ、それはプレイヤーにより良いゲーム体験を提供し、プレイヤーの声を忠実に開発チームに伝えて、プレイヤーが好み、ゲームで体験したいと思えるコンテンツを作り出すことです。
ユーザーからのフィードバックを受け、もう一つの人格の姿・ボイスが追加された「チェルノ-二律背反」
──現在『スノウブレイク』は中国国外での人気が高まっていますが、これを受けて、今後、国外でも国内と同じようにユーザーとのコミュニケーションに取り組む予定はありますか?
日本担当プロデューサー:
今私たちのチームはそれを目指して頑張っています。先ほども話したように、人手不足のため、チームがプレイヤーと直接高頻度でコミュニケーションを取ることは現状難しいです。だからといって海外ユーザーとのコミュニケーションを重視していないわけではありません。その代わりに、DiscordやX、redditなどのコミュニティでのプレイヤーのコメントやフィードバックを確認し、それを定期的に開発チームに伝えるようにしています。
人気の高まりとプレイヤー数が増加するにつれて、ユーザーとのコミュニケーションをさらに強化する必要性も感じています。海外ユーザーとより良いコミュニケーションをとるため、少し前に『スノウブレイク』のプロデューサーである「Chongchong」に海外向けのXアカウントを作成してもらいました。それ以外にも、運営チームとプレイヤーとのコミュニケーションを深めるための方法を今後も模索していきます。これは私たちにとってとても重要なことです。
──コミュニケーションを深めるなかで、プレイヤーからのフィードバックで嬉しかったことや、印象的だったことはありましたか。
日本担当プロデューサー:
あります!もっとも印象的だったのはローカライズとストーリーに対するプレイヤーのフィードバックの変化です。
最初の頃は、ストーリーとローカライズに対するプレイヤーの満足度は非常に低く、3.1(満点は5)しかありませんでした。これはローカライズだけの問題でなく、生産能力と全体的なバージョン開発スケジュールの管理の問題も関係していました。満足度を向上させることは非常に難しく、私たちは長い間頭を悩ませていました。
その後、この問題に対応するため、私たちは一連の調査を実施し、開発チームと協力してバージョン開発のスケジュール管理を徐々に最適化していき、ついに改善したと言って良いレベルにまで引き上げることができました。また、ローカライズレベルの向上をサポートしてくれる熱心なプレイヤーを募集しました。現在満足度が4まで上昇し、当初は批判が多かったプレイヤーたちのフィードバックも好評に変わってきており、私たちも大変嬉しく思います。
──現在、既存コンテンツの修正、新しいコンテンツの追加など幅広く運営に取り組んでいるように見られます。今後のアップデートの展望を教えてください。
日本担当プロデューサー:
Ver2.0の予告では、Ver2.0で追加される新しいコンテンツを発表しました。新しいキャラクター、スキン、プレイモード、社員寮など。将来の開発内容の一部も発表しました。公式コミュニティ(X、Discordなど)で詳しい情報を確認することができます。
──最後に日本のプレイヤーにメッセージをお願いします。
日本担当プロデューサー:
『スノウブレイク』の日本のプレイヤーはみんなとても優しくて親切です。この一年間、たくさんのアドバイスをくださり、いつもチームとプロジェクトを応援してくれています。皆さんのフィードバックとコメントを読むと、心にエネルギーが宿るんです。いつも励みになっています。本当に皆さんに感謝しています。皆さんが公式コミュニティ(X、Discordなど)で私たちとコミュニケーションをとることを楽しみにしています。
これからも、『スノウブレイク』の新しいコンテンツを応援し、楽しんでいただければ幸いです!
──ありがとうございました。
『スノウブレイク:禁域降臨』はPC(公式サイト/Steam/Epic Gamesストア)/iOS/Android向けに、基本プレイ無料で配信中。1周年となるVer2.0「幕開け、蒼穹にて」は7月11日より開催予定だ。