ゲーム開発者らを中心として、開発での“軸設定ミス”体験談が寄せられる。『マインクラフト』のクリーパーも軸設定ミスから生まれた

Xにて海外ユーザーを中心に、ゲーム内に登場する物体の“軸”設定を誤ったことによる失敗談が寄せられ、話題を集めているようだ。オブジェクトは想定とはまったく別のかたちになってしまうのである。

Xにて海外ユーザーを中心に、ゲーム内に登場する物体の“軸”設定を誤ったことによる失敗談が寄せられ、話題を集めているようだ。失敗談はゲーム開発者らを中心に寄せられ、各々が制作しているゲームを例題に挙げている。またそういった愉快な失敗から、とある有名なキャラクターが誕生したことも再注目されているようだ。

現在Xにて流行しているのは、ゲームデベロッパーのJason Smith氏が6月8日に投稿したポスト内容だ。同氏は「私の好きなジャンルは、ゲームデベロッパーによる“軸設定ミス”だ」という内容と共に、自身が制作しているゲームの開発画面を投稿。映写機と思われる機械がフィルムリールを回転させながら作動しているゲーム画面となっている。

投稿された映像に写されているフィルムリールは台の上を回るコインのように回転してしまっている。これは水平軸を起点に円を回転させるように動くべきところが、垂直軸を起点としてしまったために引き起きたミスとなっている。つまり軸設定ミスとはオブジェクトをつかさどる軸の線のパラメータを違えてしまうこと。軸のパラメータが違うと、オブジェクトは想定とはまったく別のかたちになってしまうのである。

Jason氏は自身に発生した、この失敗を例題に挙げながら「誰か良い感じの“軸設定ミス”動画を持っている人はいないか?」とXユーザーに問いかけている。この問いかけに対して、200名以上の一般ユーザーやゲーム開発者らがコメント。各々が体験した同様のミスを共有し、賑わいを見せている。

たとえばゲーム開発者のLe Pixel Hunt氏も、Jason氏の投稿に便乗。自身が制作中のロードトリップ系ゲーム映像の一部を公開した。プレイヤー画面である車両内部からは遠方を行く車両の姿を確認することができるが、どの車もタイヤの回転が前述のフィルムリールのような回転を描いてしまっている。現実において有り得ない挙動をする車のタイヤを前にLe Pixel Hunt氏は「このままでも良いのではないかと熟慮してしまった」とコメント。面白おかしな状況に陥ってしまった同氏に対して、Jason氏も「私の車のタイヤも同じ挙動をしている」とウィットに富んだ返答を残している。

またゲームの環境アーティストのAender Lara氏も、投稿に対して動画つきのポストを残している。縦軸を基軸に回転するはずのブレンダーが軸設定を誤った結果、テーブルのなかに沈み込んでしまっている。ブレンダーがまるで扇風機のように回る映像と共に、同氏は真顔の絵文字を投稿。自身のシンプルなミスが引き起こしてしまった有り得ない挙動に、少々呆れ気味の様子だ。

なかには“軸設定”のミスをきっかけとした、起点の効いた応用についてコメントを残している人もいるようだ。Xユーザーのtracer氏はサンドボックスゲーム『マインクラフト』のキャラクターである「クリーパー」の画像を投稿し、「もっともインパクトのあった“軸設定”ミスは、これではないだろうか?」とコメント。Jason氏もこれに対して「Absolutely(完全に賛成だ)」と同意している。

今では『マインクラフト』において深い印象を残す「クリーパー」というキャラだが、実はクリーパーの誕生は“軸設定”を間違えたことによる偶然の産物だったことが同作の開発者の一人であるNathan Adams氏により語られている。それによると、クリーパーは本来ブタになる予定だったところを、モデルの高さと長さを逆にしてしまった結果生まれてしまった生命体であったようだ。高さと長さの軸設定を間違えてしまった結果、プレイヤーに深い印象をのこす「クリーパー」という生命体が誕生したというわけだ。

そのほかにも数多くのゲーム開発者が失敗談を投稿し、賑わいを見せているようだ。ゲーム開発においてはXとY軸を間違えるといった些細なミスであっても、ゲーム全体に多大な影響を与えることだろう。ゲーム開発者たちによる面白おかしい開発の裏側を見てみたいひとは、ぜひほかのポスト内容も確認してみるといいだろう。

Mayo Kawano
Mayo Kawano

豪州在住の薬剤師およびにゲーム翻訳者。サバイバルクラフトゲームを主食として、ステルスゲームはデザートとする。

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