『シェンムー』ファン、続編を求めてなんと「ニューヨークのど真ん中」に広告出稿。開発元のパートナー探しを手伝いたいから、勝手にどでかく宣伝

『シェンムー』ファンコミュニティが、続編の開発・発売を求めてアメリカ・ニューヨークのタイムズスクエアに広告を出稿し大きな話題となっている。

ドリームキャスト向けに1999年発売された『シェンムー 一章 横須賀』をはじめとして、『シェンムーII』『シェンムーIII』と続いているアクションアドベンチャー『シェンムー』シリーズ。そんな本シリーズのファンコミュニティが、続編の開発・発売を求めてアメリカ・ニューヨークのタイムズスクエアに広告を出稿。SNS上でもキャンペーンがおこなわれ、大きな話題となっている。

『シェンムー』シリーズは3Dのオープンワールドで繰り広げられるアクションアドベンチャーゲームだ。1999年発売の第1作は3Dオープンワールドゲームの先駆けとも評され、続編『シェンムーII』が2001年に発売。その後長い期間が空いたものの、続編開発に向けたクラウドファンディングキャンペーンなどが実施。結果としては約8万人からおよそ700万ドル(約8億円・当時のレート)を超える出資を集め大成功を記録。シリーズ生みの親でありシリーズディレクターの鈴木裕氏率いるYs Net により最新作『シェンムーIII』が開発され、2019年にEpic Gamesストア/PS4向けに発売。2020年にはSteam向けにもリリースされた。

最新作『シェンムーIII』は前作エンディングの後からはじまる続編となっている。主人公の芭月涼は父を殺した仇である藍帝を探し求め、復讐するために中国へと向かう。そして中国の牧歌的な田舎町・白鹿村に辿りつく。そこで人々と交流したり、藍帝への手がかりとなる“鏡”の秘密を解き明かしたりすることとなる。


そんな本シリーズのファンコミュニティサイト「Shenmue Dojo」は現地時間6月4日、タイムズスクエアに15秒の広告を出稿した。広告は『シェンムー』シリーズの継続支援が目的とされている。また開発元のYs Netが「シェンムーIV」を開発するにあたり、パートナー候補を見つけやすくするための、世界的な認知を広める意味合いも兼ねているとのこと。

Shenmue DojoによるキャンペーンはSNS上でも実施され、ハッシュタグ「#Shenmue」や「#LetsGetShenmue4」での投稿が多くおこなわれた。一時は海外Xのトレンドにもランクインし盛況となったようで、Shenmue Dojoの狙いは一定の成果を見せているようだ。

ちなみに『シェンムーIII』のスタッフロール後には、シリーズディレクターを務める鈴木裕氏による声明が伝えられていた。次回作である「シェンムーIV」の開発に意欲を見せ、ユーザーに望んでもらう限り『シェンムー』の物語を届けることを諦めない、と表明されていた。


加えてShenmue Dojoが2024年5月に鈴木裕氏に対しておこなったインタビューでは、同氏は「シェンムーIV」についてまだ計画段階であり、制作にあたってはパートナーが必要だと回答していた。そうした事情を踏まえて、ファンコミュニティとしては、Ys Netのパートナー探しがうまくいくようにという願いもあった様子。タイムズスクエアへの広告掲載などのキャンペーンにて“後押し”がおこなわれている格好だ。

なお今回広告が掲載されたのは、タイムズスクエアにあるTSXブロードウェイのスクリーン。同スクリーンへの広告や動画コンテンツなどの出稿は、エンタメ企業TSX Entertainmentが15秒40ドル(約6200円)から手がけており、規模に対してリーズナブルだといえる。

とはいえ、ファンコミュニティが“開発元のパートナー探し”のために有志でタイムズスクエアへの広告出稿をおこなった点は興味深い。先述のとおり本シリーズは『シェンムーII』から約18年を経て『シェンムーIII』が発売。長らく沈黙していたシリーズが再始動したこともあり、引き続きファンコミュニティからはストーリーの行く末が熱望されているのだろう。Shenmue Dojoの今後の活動や、「シェンムーIV」についての情報にも注目したいところだ。

Kosuke Takenaka
Kosuke Takenaka

ジャンルを問わず遊びますが、ホラーは苦手で、毎度飛び上がっています。プレイだけでなく観戦も大好きで、モニターにかじりつく日々です。

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