『Fallout 2』の非公式ファンメイド3Dリメイク「Project Arroyo」、Steamでのリリースを視野に開発中。“100人規模”のチームで順調に開発進む
『Fallout 2』をリメイクする非公式ファンメイドのMod、「Project Arroyo」はSteam上でのリリースを目標に100人規模のチームで開発が進められているという。同プロジェクトを主導するDamion Daponte氏が海外メディアThe Gamerのインタビューで伝えている。
「Project Arroyo」は『Fallout 2』を、『Fallout 4』で用いられたCreation Engineでリメイクするファンメイドのプロジェクトになる。分類としてはいわゆるトータルコンバージョンModにあたり、『Fallout 4』のCreation Engineをベースとしつつも、として本編とは異なる世界観やストーリーが展開される。リメイクにあたりゲームプレイの形式も『Fallout 2』本編の見下ろし型2DRPGから一人称視点の3Dシューターに変更。リメイク前とリメイク後のロケーションを比較する開発中のトレーラーも公開されており、同じロケーションでも印象はがらりと変わっているのが確認できる。
リメイク元となる『Fallout 2』はBlack Isle Studiosによって開発され、Interplay Productionsによって1998年に発売された見下ろし型のCRPG。現在も展開が続けられている『Fallout』シリーズの二作目にあたる。核戦争後のアメリカ西海岸を舞台に「G.E.C.K」をめぐる物語が繰り広げられ、のちの『Fallout』シリーズにも残党が登場する組織エンクレイヴが登場した作品でもある。根強い人気を誇る作品であり、現在はSteam上でも購入可能だ。なお『Fallout』シリーズは、2007年にベセスダ・ソフトワークスがInterplay Productionsから本作を含めて知的財産権を買い取っており、その後、同シリーズはベセスダ・ソフトワークスから展開されている。
そんな『Fallout 2』のファンメイドのリメイクプロジェクト「Project Arroyo」を率いるDaponte氏に対して、The Gamerがインタビューを実施。同氏が語ったところによると、「Project Arroyo」は同氏を中心として、100人規模のチームにより急ピッチで開発が進められているとのこと。そして同ModはSteamプラットフォーム上でのリリースを目標としていると述べた。
ベセスダ・ソフトワークス製のゲームのトータルコンバージョンModがSteamプラットフォーム上にてスタンドアロンでリリースされた例としては、『Enderal: Forgotten Stories』が挙げられる。こちらはSureAIによって開発され、『The Elder Scrolls V: Skyrim』をベースとしながらも、『The Elder Scrolls V: Skyrim』本編とはまったく異なる世界観やストーリー、ゲームシステムが展開されるものとなっている。こちらは2019年にSteam上でリリースされており、ベースとなる『The Elder Scrolls V: Skyrim』および『The Elder Scrolls V: Skyrim Special Edition』を所持しているのであればModの導入に前提条件はなく、Steamストアページからインストールするだけで遊ぶことができる。
また『Fallout 4』の大型Modの例としては、別チームによる非公式ファンメイドのプロジェクトである「Fallout London」が挙げられるだろう。こちらは2237年のロンドンを舞台とした非公式の大型トータルコンバージョンMod。同作は、当初ModコミュニティであるNexus Modsでのリリースが予定されていた。しかしModのファイルサイズが膨大であることを理由に断念、現在はゲーム配信プラットフォームであるGOG.comでのリリースが予定されている、とプロジェクトリーダーであるDean Carter氏は語っている。
こういった背景を踏まえた上で、Daponte氏は「Project Arroyo」は『Enderal: Forgotten Stories』のような形式でSteam上でのリリースを検討していると語っている。その理由としては、インストールのしやすさや効率的にアップデートができるといったメンテナンス性の利点を挙げている。また同氏によれば、オリジナルの『Fallout 2』、および『Fallout 4』とそのすべてのDLCを所有しているユーザー向けに配信予定とのこと。法的な問題がないかどうかも明確にしておきたいそうだ。いずれにせよ、まだ検討中とはしつつも、同氏個人としてはSteam上でのリリースに前向きなようだ。続報も注目されるところだろう。
なお本稿執筆時点では「Project Arroyo」のリリース日は未定。公式Xアカウントでは定期的に本プロジェクトの情報が発信されているため、気になる方はチェックしておくとよいだろう。