『オーバーウォッチ2』キリコの「お狐様の声」は本物のキツネから収録していた。Blizzardのクルーが多数のマイクで夜通し録音
『オーバーウォッチ2』のサポートヒーローであるキリコが用いる「お狐様」の声は、本物の狐から収録されたという。収録がおこなわれたという慈善団体SaveAFox Rescueの公式Facebookアカウントが伝えている。
キリコは『オーバーウォッチ2』のシーズン1にて登場したサポートヒーローだ。本名はキリコ・カモリで、カネザカ神社の巫女でありシマダ一族に仕えた剣豪の娘とされる。神秘の力と忍術を駆使し、味方を回復させる「快気の御札」や味方の元に瞬間移動する「神出鬼没」などのアビリティを有している。
アルティメットアビリティは「狐走り」。狐の精霊「お狐様」を召喚し、お狐様の足跡を辿った味方は移動速度・攻撃速度の上昇とクールダウン時間短縮効果を得られる能力だ。そんな狐走りではキリコの「お狐様の導きを!」という掛け声とともに現れたお狐様が景気よく高い鳴き声を発し、それに続く形で複数の鳴き声が共鳴する。今回、こうした鳴き声が“本物の狐”から収録されていることが意外な形で報告され、注目を集めている。
お狐様の鳴き声の収録方法について伝えたのは、米国ミネソタ州に拠点を置くSaveAFox Rescueだ。2017年に活動を開始し、“飼い狐”たちを保護してきたという慈善団体だ。同団体はこれまで毛皮目的やペット目的で飼育されていたために法的に野生に返すことのできない狐たちを引き取って世話をし、150頭以上の狐を救ってきたという。
SaveAFox Rescueの公式Facebookアカウントによれば、Blizzard Entertainment(以下、Blizzard)のサウンド担当スタッフが同団体のもとを訪れ、お狐様の声を収録するために狐の声を多数のマイクで一晩中収録したのだそうだ。またBlizzardは同団体に対して寄付もおこなってくれたという。
なお、SaveAFox Rescueの公式Facebookアカウントはユーザーへの返信にて、今までこのことを明かさなかった理由を説明。同団体によれば、BlizzardとはNDA(秘密保持契約)を結んでいたものの、契約が定める期限を過ぎた際に公表できることを忘れていたという。そのためNDAで指定されていた期限から年月を経て、今回お狐様の鳴き声の正体が明かされることになったとみられる。
ちなみにSaveAFox RescueはYouTubeチャンネルで世話をしている狐たちの日々の様子を動画で紹介し、人気を博している。“お狐様役”がどの狐かは定かではないものの、動画にて人気を博す狐であるFinneganやDixieの声かもしれない可能性が示されたことからも、ユーザーからは驚きや喜びの声が寄せられている。
意外なかたちで明らかになった、お狐様の声の正体。現実離れした印象も受ける高く幻想的な声は、実際の狐たちが発した声を根気強く収録して選び抜かれたようだ。この機会に、慌ただしい戦闘の中で発動されがちなお狐様の声に注意を向けてみるのもいいだろう。
ちなみにBlizzardは先日、同社が手がけるハクスラアクションRPG『ディアブロ』シリーズの公式Xアカウントにてゲーム内のボス「デュリエル」にちなんだチャリティーキャンペーンを実施。いいねの数に基づき、野生動物に無料で治療を施す慈善病院Tiggywinklesに鳥のエサとなる“ウジ虫”を寄付する風変わりなキャンペーンをおこなっていた(関連記事)。ゲームと関連する一風変わったチャリティー活動を展開しており、SaveAFox Rescueでのボイス収録と寄付も、ロケーション選定にそうしたチャリティー精神が影響した可能性はありそうだ。
『オーバーウォッチ2』はPC/PS5/PS4/Xbox Series X|S/Xbox One/Nintendo Switch向けに基本プレイ無料で配信中。