地底探索×工場自動化シム『Techtonica(テクトニカ)』新アプデv0.4でサンドボックスモード実装。“サウンド猫ちゃん化”など約100種の自由自在設定カスタムで地底探査がより自由に
デベロッパーのFire Hose Gamesは日本時間5月1日、『Techtonica(テクトニカ)』の大型アップデート「v0.4 Super Sandbox Update」を配信開始した。対応プラットフォームはPC(Steam)/Xbox One/Xbox Series X|S向けに早期アクセス配信。PC/Xbox Game Pass向けにも提供されている。最大4人でのマルチプレイに対応し、ゲーム内は日本語に対応している。
『Techtonica』は、地球外惑星Calyxの地底を舞台とした工場自動化シミュレーションゲームだ。プレイヤーは、Calyxに降り立った惑星調査員「グラウンドブレイカー」のひとりとなる。冷凍睡眠から目を覚ましたプレイヤーは、原因不明の災害によって停止してしまった管理システムを復旧するべく、資源採掘と部品製造を自動化して地底に工場を建設していく。
本アップデートでは、公開テストビルド「Public Test Cave」にて試験的に配信されていたカスタムゲームモードと二つの新マップ、複数の新アイテムが追加されている。本稿ではそのなかから注目の新要素を紹介していく。
カスタムゲームモード実装。およそ100種の設定を変更できるSuperなSandbox
本アップデートの目玉となるコンテンツは、「Super Sand Box」の名に相応しい、カスタムゲームモードだ。v0.4から新規ゲームの開始する際には、カスタムゲームのほか、デフォルト仕様のスタンダード、イージーの3種類からいずれかを選んでプレイを開始するかたちとなる。プレイ開始直後には、新たにオープニングムービーが挿入されているのも注目ポイントだろう。スタンダードモードは本作デフォルトの設定となっており、イージーモードではタスクで必要となるアイテム数などが大きく緩和されている。技術ツリーの解禁やマシンのアップグレードもサクサク進めていけるため、工場建設ジャンルにはじめて触れるプレイヤーや、本作の醍醐味でもある地底探索を手早く楽しみたいプレイヤーにおすすめのモードだ。
今回追加されたカスタムゲームプリセット6種のうち、スタンダードとイージーは上述したデフォルト仕様に準拠しており、サンドボックスでは技術ツリーを全開放、製作コスト不要の状態からゲームを開始することができる。ハードコアとハイパーはいずれも経験者向けといった設定内容。ハードコアでは製造コストや燃料消費など、あらゆる要素が“過酷”になり、ハイパーでは工場の稼働など全てが高速、ゲームもハイスピードで進行していくという突拍子もない設定になっている。クオンティティの設定では、製造コストと製造効率が下がるため設置したマシンの“量”でカバー、真逆の設定であるクオリティでは“質”でカバーする工場建設が求められるだろう。
「高度な設定」を利用すれば、採掘機や溶鉱炉など各種マシンのアイテム生成サイクル、稼働に必要なエネルギーコストなど、約100種類の項目がカスタマイズ可能となっている。このなかには、重量制限の撤廃や鉱石(鉱脈耐久値)無限化といった実用的な設定や、落下速度が緩やかになる低重力モード、光源が重要の重要性が増すダークモードなどゲームを惹きたてる設定が多数含まれている。キャラクターモデルの頭部が巨大化するビックヘッドモードや、マシンの稼働音がネコに関連したサウンドに置き換わるネコちゃんサウンドといったジョーク設定もいくつかあるので、気になる人はゲーム内設定画面から詳しく確認してみよう。
また、カスタムモード専用で2種類の新マップがプレイ可能となっている。Mountain King Underhall(マウンテンキングアンダーホール)は巨大な宇宙船が佇むミステリアスな大空洞マップだ。縦と横いずれも障害物が少なく、工場の建設スペースにもかなりの余裕があるため、サンドボックスモードで製造ラインをテストするにはうってつけのフィールドだ。整地不要で建築に取り掛かれるので、建築パーツでスタイリッシュな工場を作り上げたい人はこのマップでアイデアを練ってみるとよいだろう。
もう一方のFaithless Void(フェイスレス・ボイド)は一見するとCalyxとそっくりな地形をしているが、天然資源の分布や割合が大きく変貌している。Calyx固有の鉱物「アトランタム」が至る所に存在し、スタンダードモードでは簡単に発見できる鉄や銅の鉱脈が逆に希少になっている。このマップでは、周波数を合わせて特定の資源までの距離を表示する「万能探知機」を持った状態でゲームが開始される。この探知ギミックを上手く駆使することで必要な資源を的確に掘り出していく必要があるというわけだ。各所の地質を調べながらタスクを進行していくため、このモードではより“惑星探査員”らしいプレイが楽しめるかもしれない。
なお、サンドボックスモードでプレイを始める際には、新たに専用のセーブデータが作成される。既存のセーブデータからの引き継ぎや、プレイ開始後に設定の変更・追加はできないことに留意されたい。
新燃料「バイオブロック燃料(高純度/低純度)」登場。副産物も無駄なく再利用して製造効率アップ
さらに技術ツリーには上位の燃料アイテムとして「バイオブロック燃料(以下、バイオ燃料)」系統が追加されている。バイオブロックをベースにヒヤシトゲの冷却水を加えることで、未精製のバイオ燃料を製造可能で、内容物の色は鮮やかなグリーンのようだ。これに炭素粉末とアトランタム混合物を加えれば、オレンジ色のバイオ燃料強化パックへと加工することができる。最後にバイオ燃料強化パックを脱穀機へ投入することで、黄色く澄んだ高純度バイオ燃料の完成となる。このとき、副産物として茶褐色の低純度バイオ燃料も排出される仕様となっている。
低純度バイオ燃料は当然品質に劣るものの燃料として利用することが可能だ。再び脱穀機に投入すれば未精製のバイオ燃料を一部取り出すこともできる。無駄なくリサイクルしながら製造効率の向上を目指そう。完成までには多くの素材と工程を要するものの、高純度バイオ燃料はそれに見合った圧倒的なパフォーマンスを発揮してくれるだろう。
このほか、既存の仕様にもユーザビリティを向上させる調整が加えられている。素材として幅広く活用される植物トモシヅル・ヒヤシトゲについては、フィールド上から採取した際は成熟した「ツル」の状態のアイテムが取得される仕様へとなった。従って、プレイヤーが最初におこなう植物の加工プロセスが「種子からの栽培」から「脱穀による種子・材木の取り出し」へと入れ替わったかたちだ。はじめに種子を取り出す工程をおこなうことで「脱穀→播種→栽培→脱穀…」という一連のサイクルを、よりスムーズに理解してもらう狙いがあるようだ。
また、各種マシンや建築パーツについては溶鉱炉への投入・焼却が可能となった。これにより余剰アイテムは炭素粉末へと変換しておくことができる。建築パーツなどをうっかり作り過ぎてしまった人は、頃合いを見て焼却処分するとストレージの整理整頓が捗るだろう。
以上が「v0.4 Super Sandbox Update」で加わった主な新要素だ。高純度バイオブロック燃料に関連する中間素材アイテムが複数追加された点もさることながら、やはりサンドボックス(カスタムゲーム)の実装が最大の魅力だ。これまでのバージョンを長時間にやり込んでいたプレイヤーでも、設定次第で違った遊び方ができるボリューム満点のコンテンツといえるだろう。筆者の個人的なイチオシのカスタム設定は「ハイパー」だ。採掘機などのマシンが高速稼働するだけでなく、プレイヤーの移動速度も上がり、爽快感のあるキャラクター操作が楽しめる。なお、本モードと「ネコちゃんサウンド」を組み合わせると、あまりの速度でマシンが稼働するため、サウンドを担うネコちゃん達が可哀想になってしまうので注意してほしい。「ネコちゃんサウンド」をゆっくり楽しみたい人は、ほかのモードでの利用をオススメしたい。
『Techtonica』はPC(Steam)/Xbox One/Xbox Series X|S向けに早期アクセス配信中。PC/Xbox Game Pass向けにも提供中だ。Steamでは日本時間5月14日までセールを実施中で、20%オフの税込2720円で購入可能となっている。