期待されたオープンワールドMMOFPS『Gray Zone Warfare』、人気ながら賛否両論の出だしに。リアルジャングル題材は好評だが課題も抱える
デベロッパーのMADFINGER Gamesは4月30日、『Gray Zone Warfare』の早期アクセス配信を開始した。対応プラットフォームはPC(Steam)で、価格は税込3900円。本作はさっそく多くのプレイヤーが集まる賑わいを見せている。
『Gray Zone Warfare』はリアリティを重視したと謳われている、オープンワールドMMOFPSだ。舞台となるのは東南アジアの架空の島国、ラマン民主共和国。同国ではとある事件が発生し、国連によってほぼすべての民間人が避難させられる事態となっている。一方で、3社のPMC(民間軍事会社)は謎めいたクライアントよりそれぞれ依頼を受け、同国に基地を建設し軍事行動をおこなっている。プレイヤーはPMC部隊の兵士となり、島を探検して任務をこなしていくことになる。
ゲームの舞台となる島は、うっそうとしたジャングルなどが存在する広大なフィールドである。島には1000人のAI兵士が存在しており、最大48名のプレイヤーが同じサーバーにアクセスしてプレイすることが可能。また対人要素がオンのサーバーとオフのサーバーがそれぞれ存在しており、プレイヤーは好きなサーバーを選んで、ほかのプレイヤーとの競争や協力を楽しむことができる。
サーバーを選んだら、プレイヤーは3社のPMCから自分の所属を選んで、ゲームを開始することになる。同じ陣営のプレイヤーとは、最大4人のチームを組んで一緒にプレイすることが可能だ。PMCらはそれぞれ違った場所に軍事基地を設立しており、選んだ陣営によって拠点となる場所が変わってくる。オープンワールドである本作では、基地から目標地点への移動はシームレスでおこなわれる。輸送ヘリに乗り込んで移動し、任務を実行。戦闘や収集をこなして脱出地点にヘリを呼び、基地まで帰投することになる。
ゲームプレイでは、リアリティを演出するシステムが複数用意されている。被弾すれば止血や治療をおこなう必要があり、部位によっては戦闘に悪影響がある。急所に命中すれば即死することも。また銃弾は現実の測定値を基に、リアルな弾道シミュレーションがおこなわれているという。そのほか、銃のパーツやプレイヤーの装備はカスタマイズ可能となっており、数百種類の装備品が存在。敵兵士の死体などを漁って装備品を集めていくことになるが、自分が死ねば装備はロストする。そうしたゲームシステムのもとで島を探検して、ラマン島に隠された秘密を解き明かしていくことになる。
本作は4月30日に早期アクセス配信が開始され、さっそく多くのプレイヤーを集めている。Steamでの同時接続プレイヤー数は、これまでのピークで約6万7000人を記録(SteamDB)。また本稿執筆時点で、本作はSteamでの全世界売上ランキングにて1位となっている。非常に好調な売れ行きとなっているようだ。
Steamユーザーレビューでは、本稿執筆時点で約1万件中62%が好評とする「賛否両論」ステータスとなっている。レビュー内容では、最適化不足やサーバーの不具合、バグの存在やチュートリアルの欠如などを課題点として挙げられている。
一方で、オープンワールドマップにて複数プレイヤーが集まってFPSをプレイできる、本作のコンセプトを評価する声も存在。リアリティを演出するシステムの存在から、『Escape from Tarkov』や『Arma 3』といった作品になぞらえつつ本作を評価する声も見られる。全体として、早期アクセス配信が始まったばかりということもあり、今後のアップデートに期待する声が多く存在している。
なおSteamストアページによると、本作の開発は長期的なプロジェクトであり、早期アクセス期間は数年に及ぶ可能性があるという。早期アクセス期間中は定期的にアップデートをリリースし、最適化やバグの修正などを進めながら、新コンテンツの追加や物語の展開をおこなっていくとのこと。正式リリース時には価格を上昇させる予定もあるという。
なお5月1日には本作最初のパッチが配信されており、いくつかのバグが修正されたという。さらなる修正パッチの配信も近日中に予定されているとのことで、開発元もさっそく不具合の解決に取り組んでいるようだ。課題を抱える本作の評価がアップデートでどのように変わっていくのか、今後の動向が注目されるところだ。
『Gray Zone Warfare』はPC(Steam)向けに、早期アクセス配信中だ。価格は税込3900円。