忍の里運営シム『カザクラ風魔伝』PC向けに無料公開。落ち延びた風魔忍者たちが隠れ里を復興しつつ「アヤカシ」と戦う

同人ゲーム制作サークル773は4月6日、『カザクラ風魔伝』をPC向けに公開した。忍者たちが里を発展させながらアヤカシを撃退する、忍びの里運営シミュレーションゲームである。

国内の同人ゲーム制作サークル773は4月6日、『カザクラ風魔伝』をPC向けに公開した。itch.ioにて、プレイヤーが価格を決めるName your own price形式で配信されており、無料でのダウンロードも可能となっている。開発者ひづめ氏にポストによると、今回は考えた末に無料公開作品となったそうだ。

 


『カザクラ風魔伝』は、忍者たちが里を発展させながらアヤカシを撃退する、忍びの里運営シミュレーションゲームである。本作の舞台は、秀吉による天下統一が目前に迫った戦国時代末期だ。相模の地では小田原合戦の結果、後北条氏が滅亡。お抱えであった風魔忍者の残党たちは、果たすべき務めのために、散り散りとなり生き延びていた。本作ではそんな風魔衆の忍者の視点からゲームが展開。隠れ里で再起を図りながら、アヤカシを撃退していく風魔忍者の戦いが描かれる。


風魔忍者たちがやってきた隠れ里「風桜の里」は使われていなかったためか、施設は建っておらず、物資や食料は限られている。そこで風魔忍者たちは食料を稼ぎつつ、忍務(任務)によって資材を獲得し、里を発展させていく。本作では忍者たちにそれぞれ能力値が設定されている。忍者たちを任務や里の施設に割り当てると、能力値に応じて結果が判定。任務に成功すると報酬の資材やアイテム、食料施設では施設に応じた肉や山菜などが得られる。さらに隠れ里の空き地には、資材を使って任意の施設が建設可能。本作では忍者たちへターンごとに仕事を割り当てることで、忍びたちの隠れ里を運営するわけだ。


また本作の風魔忍者には、アヤカシを狩るという重要な務めがある。具体的には、本作ではストーリーの進行に応じて隠れ里へアヤカシが襲来。風魔忍者たちはタワーディフェンス形式で、アヤカシと戦っていく。タワーディフェンスパートでは、複数人の忍者で部隊を編成。マップ上の施設へ部隊を配置するため、アヤカシとの戦いでも施設の建設が重要になりそうだ。そのほか要素としては、忍者たちは忍務や仕事によって経験値を獲得し、レベルの上昇によって能力値が成長。キャラクターたちは美麗なイラストによって描かれており、ナビキャラクターの変更機能も用意されている。


本作を手がけている773は、ひづめ氏による同人ゲーム制作サークルだ。同氏はゲームプランナー/シナリオライターとしてゲームに携わっており、『スクールガールストライカーズ2』のイベントシナリオや『パラノマサイト』のシナリオ作業補助を担当していたという。またサークルの過去作としては、『白桜ガールズファイト!』や『PIRATES 7』などをリリース。2010年リリースの『まんけん!』については、2024年2月より無料公開がおこなわれている。

サークルの公式ブログによると、本作『カザクラ風魔伝』はいろいろ考えた末に無料公開になったそうだ。本作ではイラストや作曲を依頼しており、趣味にしては高いコストがかかっているという。一方でサークルの前作からは6年が経過し、巷には無料で遊べるゲームが溢れている。そうした中、地味なゲームを買ってくれる人は少なく、少しでも遊んでくれる人が多いほうがいいと考えたために、無料公開となったようだ。制作中に問題が多く、時間がかかりすぎて思ったように作りきれなかったことも理由として挙げられている。なお無料公開と称されているものの、itch.ioではプレイヤーが価格を決めるName your own price形式での配信となっている。寄付があればやる気に繋がるほか、本作をきっかけに過去作に興味をもってくれても嬉しいそうだ。


カザクラ風魔伝』は、PC(itch.io)向けに配信中だ。

Keiichi Yokoyama
Keiichi Yokoyama

なんでもやる雑食ゲーマー。作家性のある作品が好き。AUTOMATONでは国内インディーなどを担当します。

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