『FF7 リバース』浜口D、作中カードゲーム「クイーンズ・ブラッド」の“拡張”に前向き。『マーベル・スナップ』などの影響受ける陣取りパワー合戦に好評集まる
『ファイナルファンタジーVII リバース』ディレクターの浜口直樹氏が海外向けインタビューにて、同作にてミニゲームとして登場する架空のカードゲーム「クイーンズ・ブラッド」について言及。今後の展開については何も決まっていないとしつつも、好評を受けており、拡張に前向きな姿勢を示している。
『ファイナルファンタジーVII リバース』は、PS向けの『ファイナルファンタジーVII』のリメイクシリーズ三部作の二作目だ。対応プラットフォームはPS5。グラフィックは最新技術を用いたフル3Dになり、ターンベースだった戦闘はアクションベースに変化。前作にてミッドガル脱出を果たしたクラウドたちは、自由な探索をコンセプトに、広大なワールドマップの中でセフィロスの影を追っていくことになる。
本作ではさまざまなミニゲームも登場。リズムゲームとして展開されるピアノ演奏のほか、チョコボレース、バイクレース、戦略ボードゲーム「コンドルフォート」など多彩な遊びが用意されている。なかでもゲーム内世界の各地で流行しているというカードゲーム「クイーンズ・ブラッド」は序盤からプレイ可能で、旅の先々で対戦相手と巡り合うことになる。
クイーンズ・ブラッドは、戦略思考型カードゲームと標榜されている。作中のさまざまなモンスターや召喚獣などがカードとして登場。15枚のデッキを組んでバトルに用いる。盤面は縦3マス×横5マスとなっており、プレイヤーたちは交互にカードを置いていく。
カードごとにそれぞれ広げられる陣地やパワーなどが備わっており、プレイヤーは自陣を広げながらカードを配置。盤面にカードを出せなくなるまで続け、横一列の「レーン」ごとのカードの合計パワーを競うのだ。合計パワーが勝っていた方がそのレーンのパワーを獲得。3レーン合算で獲得したパワーが多いプレイヤーが試合に勝利する。またカードはさまざまな特殊効果も備えており、戦略的なデッキづくり・バトルを楽しめる。
そんなクイーンズ・ブラッドについて、本作のディレクターである浜口直樹氏がレッドブルによる海外向けインタビューにて言及。同氏はクイーンズ・ブラッドに新カードが追加される予定があるかを訊かれ「We haven’t decided anything in terms of future development for Queen’s Blood(今後の展開についてはまだ何も決めていない)」と返答した。一方で、インタビュー時点で先行プレイをしたメディア関係者から非常に好意的な感想が寄せられているとして「we want to consider further expansions as a possibility(さらなる拡張も可能性として考えていきたい)」と伝えられた。
インタビューは発売前、あるいはユーザー評価が出揃っていなかった時期に実施されたとみられる。一方、発売後の本稿執筆時点では、SNS上でユーザーからもクイーンズ・ブラッドについて好評が集まっている。
クイーンズ・ブラッドでは先述したように、カードごとにさまざまな特殊効果が備わっている。また陣地を広げるだけでは奪い返されることもあり、陣地を広げるか自陣のランクを上げるかといった決断も必要。敵のパワーを下げて破壊したり、自陣のカードを強化したりとさまざまな戦略をとることもでき、豊富なカードから自分の攻め方にあったデッキを構築する楽しみを備えている。さまざまなチャレンジも用意されており、冒険そっちのけで熱中しているというプレイヤーも散見されるかたちだ。こうした反応を受けて、拡張がさらに前向きに検討されていく可能性はありそうだ。
ちなみに浜口氏は過去に海外メディアGame Informerのインタビューにて、『ウィッチャー3 ワイルドハント』を「『ファイナルファンタジー』以外でもっとも好きなRPG」として挙げていたことがある。同作においてもカードゲーム「グウェント」がゲーム内の各地で流行しており、戦略性のあるミニゲームとしてプレイヤーを熱中させた。そしてグウェントを主軸に据えたスピンオフ作品『奪われし玉座:ウィッチャーテイルズ』や対戦カードゲーム『グウェント ウィッチャーカードゲーム』(現在「グウェントフィニティ」としてコミュニティ主導でサービス継続中)といった展開も見られた。
なお浜口氏が海外メディアKotakuに語ったところによると、クイーンズ・ブラッドはほかのゲームにおけるさまざまなカードゲームからの影響を受けているとのこと。グウェントのほか、『スプラトゥーン3』(の「ナワバトラー」)は陣取り合戦という点でクイーンズ・ブラッドの開発に良いアイデアをもたらしたそうだ。また開発の最終段階でバランス調整をおこなう際には、『マーベル・スナップ』もさまざまな点で参考になったという。
そうして、ミニゲームながらも抜かりなく練り上げられたこともあってかクイーンズ・ブラッドは好評を受けており、グウェントのようなゲーム内の枠を超えた展開も期待されるところだろう。現時点ではクイーンズ・ブラッドの今後は「まだ何も決まっていない」とのことで、これからの展開があるかどうかにも注目したい。
『ファイナルファンタジーVII リバース』はPS5向けに発売中だ。
【UPDATE 2024/3/15 12:09】
『グウェント ウィッチャーカードゲーム』のサービス状況についての記述を修正