『League of Legends(LoL)』開発者、「強制的に“腕前不利マッチングさせる仕組み(ルーザーズキュー)”など存在しない」と明言。負ける理由は試合の中にある
『League of Legends』(以下、LoL)のリードゲームプレイデザイナーを務めるMatt Leung-Harrison氏は2月11日、『LoL』には強制的に負けさせようとするマッチング、いわゆる“Losers queue(ルーザーズキュー)”は存在しないと発言した。
“Losers queue(ルーザーズキュー)”とは、プレイヤー間で俗語的に使われている用語のひとつだ。ランクマッチにおいて連勝した後などに、ゲーム側で負けが続いているプレイヤーとマッチングさせ、むりやり負けさせようとしている、などとする意見に基づいて使われることが多い。この言葉は日本語で「懲罰マッチ」「格差マッチ」などと呼ばれることもある。
Harrison氏は、ランク戦ではプレイヤーのレートにあわせたマッチメイキングをおこなうと、本作のマッチシステムについて説明。たくさん連勝した後に負け始めたのであれば、それはプレイヤーよりうまい相手と戦っているため、実力に見合っていないだけだとしている。意図的に実力の低い味方とマッチングさせたり、わざと腕前よりも下のランク帯でプレイする「スマーフ」をおこなっている相手にマッチングさせたりして連勝しているプレイヤーを負けやすくするシステムなど存在しないという。
続けてHarrison氏は、5対5のチームゲームの性質にも触れつつ、ルーザーズキューが存在すると主張するユーザーに向けたメッセージを伝えている。たとえば、どれだけ自分が完璧にプレイして、周りの味方のパフォーマンスが悪いと思っていたとしても、よりハイレベルなプレイヤーが試合をレビューすれば「改善点がかならず100個は見つかる」とのこと。
そしてHarrison氏は、確かにチームメイトのプレイが拙い場合もあるものの、『LoL』は5対5のゲームゆえに避けられない性質だと説明。また長い目で見ればプレイヤー自身の腕前のみがプレイにおける共通要素になるとして、諦めない姿勢や成長する心構えをもち、コーチや優れたプレイヤーからのアドバイスを受けながら試合に臨むことで、本作のプレイをより良い体験にするだろうとしている。
なおHarrison氏は、自身が12年間コーチングをおこなっていた経験をもとにした勝利や上達のためのアドバイスも紹介。まず、チームがリードしている際には控えめにならずアグレッシブにプレイする。次にすべてのデスの原因を見直す。そして最後に相手チームの勝利条件を妨害しながら、自チームの勝利条件につながるようにプレイすることが重要だとした。そうした点に注意しながらプレイすることで、上達に繋がり、試合をよりコントロールしやすくなるのだろう。
ルーザーズキューについてはかねてより一部ユーザーが存在するとの主張を寄せており、今回『LoL』のリードゲームプレイデザイナーであるHarrison氏から直接「存在しない」と明言されたかたちだ。同氏はルーザーズキューの存在を信じている人があまりにも多いため、気が狂いそうになったと心情を吐露。この誤解や思い込みをただそうとして、今回の投稿に至ったかたちだろう。
なおRiot Gamesがマッチメイキングについて言及したFAQによると、本作ではプレイヤーの腕前に基づく内部的な指標MMR(マッチメイキングレーティング)が存在し、両チームの平均MMRがほぼ同じになるようになっているようだ。ソロ/デュオランクではほとんど起こらないとされているものの、ときにはMMRがバラバラの5人が集まったチーム同士で対戦がおこなわれることもあるという。その際には「チーム内の腕前に不公平さ」を感じてしまうこともあるだろう。
また連勝が続くと「より上のランクに行くべきだ」と判断され、上位プレイヤーと当たることもあるかもしれないとのこと。連勝により、上位プレイヤーと腕前が拮抗しているといった判断もおこなわれるかたちだろう。接戦になりやすいMMRによるマッチシステムや連勝による上位プレイヤーとのマッチなどにより、ルーザーズキューが存在するという思い込みにつながっているのかもしれない。