Steam“圧倒的に好評”FPS『DUSK』向けHDリマスターDLC無料配信開始。ファン愛が強すぎて無料、さらに開発功労者に「12月分の本作売上全部あげる」太っ腹ぶり
New Blood Interactiveは12月12日、『DUSK』向けの無料DLC「DUSK HD」を配信開始した。本作の対応プラットフォームはPC(Steam)で、日本語表示にも対応している。
『DUSK』はオールドスクールFPSだ。『Doom』『Quake』などをはじめとする90年代のFPSの影響を受けている。プレイヤーは、ダブルバレルショットガンをはじめとした銃火器を携えて、カルト教団の村、魔物が暮らす地下ダンジョン、天空の研究施設へと単身で乗りこんでいく。
本作は2018年12月に正式リリースされ、Steamでは本稿執筆時点で1万7000件以上のレビュー中97%が好評とする「圧倒的に好評」ステータスを獲得。グラフィック面では往年の傑作FPSを踏襲しつつ、迷いにくいマップ構造やスピーディな移動アクションといった現代向けに遊びやすくする工夫が盛り込まれている点などが評価を受けているようだ。
このたび本作に向けた無料DLC「DUSK HD」が配信開始された。DLCはグラフィックを全面的にHDリマスターする内容となっている。オリジナル版と比べてくっきりとしたグラフィックに刷新されており、より鮮やかに表現された世界で戦いを楽しめるだろう。ちなみに「DUSK HD」が無料でリリースされたのは「ユーザーは愛しているけどお金を憎んでいるから(Because we love you and we hate money)」だそうだ。グラフィックを刷新し、新要素を盛り込んだHDリマスターにもかかわらず無料で配信された点に対してはユーザーから驚きの声があがっている。
なお開発の功労者として2名のスタッフが挙げられており、ZombieことBenjamin Moir氏は約5年間かけてオリジナル版からのコードの書き直しを担当。GaruminことDavid Bonin氏は2年間かけて手作業ですべてのビジュアルアセットを作り直し、「DUSK HD」向けの新たなアセットも作成してきたという。両氏に向けては12月の『DUSK』の売上がすべて贈られるそうだ。
また「DUSK HD」では新たな敵や武器も登場しており、これらを3DアーティストのCody Lambert氏が担当。新アニメーションについてはDom Antonazzo氏とLachlan Milne氏が手がけているとのこと。彼らは外部の請負開発者だったが、「DUSK HD」の開発を通して全員New Blood Interactiveに正社員として迎え入れられたそうだ。「カルトにようこそ(Welcome to the cult)」との歓迎の言葉が綴られている。
さらに「DUSK HD」の配信開始に伴って、本作のSDK(ソフトウェア開発キット)がリリースされ、Steamワークショップに対応を果たした。本作はかねてより一定の範囲内でのMod制作が可能であったものの、本作が影響を受けた『Doom』などのようにModへの幅広く対応する仕様が構想されていたという。今回打ち出されたSDKではカスタムマップを作成してプレイしたり、テクスチャ・サウンドを差し替えたりすることが可能。さらにベースとなるゲーム内のすべてのファイルを利用できるそうだ。
一方で敵のカスタムモデルやEntities、武器の導入のほか、「DUSK HD」におけるファイルの利用については未対応だそうだ。「DUSK HD」に向けては、数週間後にリリース予定の「DUSK Development Kit」にて対応を果たす見込み。同キットによって、あらゆるカスタムマップをオリジナル版とHDリマスター版の両方のグラフィックでプレイできるようになるとのことだ。
発売から5周年を迎えた『DUSK』。グラフィックを刷新する「DUSK HD」と共にMod制作への公式サポートもおこなわれており、ユーザー制作コンテンツも含め、今後の展開が注目されるところだろう。