TikTok親会社がゲーム事業から撤退すると報道される。傘下の『マーベル・スナップ』運営元は、今後も運営を続けると約束
『マーベル・スナップ(MARVEL SNAP)』公式Xアカウントは11月27日、同作が今後も運営継続されることを明言した。この背景には、本作のパブリッシャーNuverseが閉鎖されるとの報道があるようだ。
『マーベル・スナップ』は、「マーベル」作品をテーマとするオンライン対戦カードゲームだ。PC/iOS/Android向けに基本プレイ無料で配信中。本作では2人のプレイヤーが、フィールド上の3つのロケーション(陣地)にカードを配置して戦う。プレイヤーは通常6ターンにわたっていずれかのロケーションに、さまざまなパワーや効果をもつカードを配置。最終ターン終了時に、配置されたカードのパワーの合計値が勝っているプレイヤーがそのロケーションを獲得。2つ以上のロケーションを獲得したプレイヤーが勝利となる。
本作『マーベル・スナップ』はベータテストを経て、2022年10月に配信開始された。Steamユーザーレビューでは本稿執筆時点で2万2000件以上が寄せられ、うち84%が好評とする「非常に好評」ステータスを獲得。マーベルキャラが登場する点のほか、スピーディに1戦が終わるゲームシステムなどから好評を受けている。
本作を手がけるのは米国に拠点を置くSecond Dinner。『ハースストーン』の元中枢スタッフであるBen Brode氏およびHamilton Chu氏が2018年に共同設立したスタジオだ。パブリッシングはByteDance傘下のNuverseが務めている。ByteDanceはTikTokなどを運営する中国の大手テクノロジー企業だ。
今回、『マーベル・スナップ』公式Xアカウントは声明を投稿。本作が今後も運営継続され、展開を続けていくことが明言された。この声明の背景には、同日におこなわれたByteDanceのゲーム事業再編計画についての報道があるようだ。
Reutersが関係者の証言として伝えたところによると、ByteDanceにはNuverseを閉鎖し、ビデオゲーム事業から撤退する方針があるという。12月までに未発売作品の開発が中止されるほか、すでに発売されたタイトルからも撤退する計画も検討されているとのこと。また同誌がByteDanceに問い合わせたところ、詳細は明かされなかったものの、ゲーム事業の再編が決定された点については認めているそうだ。
『マーベル・スナップ』公式Xアカウントは今回の声明にて、事業再編によりNuverseが閉鎖されるとの報道を受けてプレイヤーから懸念の声が寄せられていたと説明。しかしNuverseがどのような変化を遂げようとも、本作は今後も運営継続され、展開が続けられていくとしている。
なおNuverseは『マーベル・スナップ』のパブリッシングのほか、SFサバイバルRPG『アース:リバイバル』などを開発・運営し、一定の人気を博している。さらに2023年9月にはオープンワールド戦略RPG『ドラゴンエア:サイレントゴッズ』がリリースされたばかり。精力的に基本プレイ無料作品が展開されてきたものの、親会社ByteDanceはゲーム事業の再編を計画しているようだ。一方で『マーベル・スナップ』については、今回公式Xアカウントにてゲームの運営継続が約束されたかたち。Reutersの報道どおりNuverseが閉鎖された場合、その後Second Dinnerが本作をどのように運営していくのかは注目されるところだろう。
『マーベル・スナップ(MARVEL SNAP)』はPC(Steam)およびiOS/Android向けに基本プレイ無料で配信中だ。