宇宙RPG『Starfield(スターフィールド)』の世界は「全員が気に入るかはわからない」と開発者が心境明かす。Bethesda過去作とぜんぜん違う宇宙体験なので
Bethesda Game Studiosの手がける『Starfield(スターフィールド)』開発ディレクターTodd Howard氏は8月24日、現時点での同作に対して「(同作の提供する体験が)誰もが好むものかは分からない」との心境を明らかにした。その一方、プレイヤーが惑星に降り立った瞬間の体験や宇宙の作り込みについては、自信を示している。海外メディアGQが報じている。
『Starfield』は、『The Elder Scrolls』シリーズや後期『Fallout』シリーズを手がけてきたBethesda Game Studios(以下、Bethesda )が開発する新作RPGだ。人類が太陽系外に進出している2330年の世界を舞台に、プレイヤーは希少なアーティファクトを求める探検家集団「コンステレーション」に加わり、広大な宇宙の星々を冒険する。自由度の高い探索要素は本作の特徴のひとつで、これまでには本作には100以上の星系に1000以上の惑星が存在し、プレイヤーはすべての惑星について、好きな場所に着陸して探索できることが明かされていた。
今回明らかになったHoward氏の心境は、海外メディアGQがおこなったインタビューにおけるやり取りの一部として報じられた。同氏を含む多くの開発陣を交えてのインタビューは、発売を控えた『Starfield』の開発経緯に迫るかたちで進められた。その中で同氏は、「(同作の提供する体験が)誰もが好むものかは分からない」との心境を明かしたという。これは、Bethesdaがこれまでに手がけてきたオープンワールド型のタイトル(『The Elder Scrolls』や『Fallout』シリーズ)と比較して、本作では舞台設定およびその探索プロセスにおいて、大きな変化が加わったことに起因しているようだ。
同氏はGQに向けて、『Starfield』の体験が「『スカイリム』の世界へプレイヤーが降り立つのとは訳が違う、世界の“歩き方”も別物となる」と述べている。『Starfield』において舞台となるのは宇宙空間、プレイヤーはおよそ100の星系と1000 の惑星をまたにかけ、世界を探索していくこととなる。これは、『The Elder Scrolls』や『Fallout』など、過去にBethesdaが手がけたタイトルと本作とでは、オープンワールドのフィールドとして性質・規模が大きく異なっていることを意味しているのだろう。
Howard氏は続けて、本作の世界の作り込みの深さについて触れている。本作では、プレイヤーが宇宙船から降り立って目の当たりにする風景などでは、シミュレーションされた天体が広がっているとのこと。地平線の向こうには巨大ガス惑星がのぼり、あらゆる惑星や衛星がそれぞれの周期で巡る宇宙が、ありのままに表現されているそうだ。そうした体験についてHoward氏は「きっと毎回楽しんでもらえるものと思う」と語った。過去のオープンワールド作品とは趣の異なる世界設計ながら、作り込みには強い自信があるのだろう。
また、本作のグラフィックス表現に対するHoward氏の自信の背景には、Creation Engine 2の存在があるのだろう。これはBethesdaが『Starfield』と『The Elder Scrolls VI』での使用を予定して開発した新ゲームエンジン。開発は同社およびMicrosoftの先端技術開発グループの技術的支援により進められたとされている。
Howard氏は6月22日、YouTubeチャンネルKinda Funny Gamesで投稿された動画へ出演した当時、開発に携わったメンバーらを“Wizards(魔法使い/類稀なスキルをもつ技術者)”と呼び絶賛。その技術力によって実現されたグラフィックスの素晴らしさを紹介していた(関連記事)。今回報じられたインタビューにおいては、本作リリースを前にして本作についての心境を覗かせたものの、開発チームの技術の粋を集めたグラフィックス、およびそれが提供するプレイ体験への信頼は揺るがないのだろう。
本稿執筆時点で発売まで残すところ2週間を切った本作には、既に多くの期待が寄せられている。リリース後の本作が、既存ファンやユーザーらにはどのような受け止め方をされるのか、今後もその動向に注目したい。
『Starfield』は、PC(Steam/Microsoft Store)/Xbox Series X|S向けに9月6日発売予定。Xbox/PC Game Pass向けにも提供される。また、Premium Edition以上のバージョンを予約購入すると最大5日間の先行プレイが可能となる見込みだ。