『ディアブロ4』にて「35澗ダメージ」を叩き出すビルドが開発される、特定条件下にて。桁数でいうと38桁で見出しに収まらない

『ディアブロ4』にて、文字通り“桁違い”のダメージを叩き出すビルドが発見されている。「レンド」による出血ダメージを利用するバーバリアンのビルドが、天文学的なダメージを見せているのだ。

ディアブロ4』にて、文字通り“桁違い”のダメージを叩き出すビルドが発見されている。「レンド」による出血ダメージを利用するバーバリアンのビルドが、天文学的なダメージを見せているのだ。『ディアブロ』シリーズなどの情報ポータルIcy Veinsが伝えている。


『ディアブロ4』は、人気ハクスラARPGシリーズ『ディアブロ』の最新作だ。本作の舞台は前作『ディアブロ III』から数十年後となる。グラフィックなどを大幅にパワーアップし、世界は広大なオープンフィールドに。過去作の魅力を踏襲しつつ、さまざまなゲームプレイ要素を盛り込んでスケールを増した冒険が描かれる。また、本作でもクラス制が導入されており、バーバリアンやといったシリーズお馴染みのクラスも登場。使うコアスキルやアビリティの組み合わせで、さまざまなビルドを構築できる。

今回、そのバーバリアンが異常なダメージを叩き出すビルドがあるとして、話題を呼んでいる。記録されたのは「35,248,198,783,801,730,000,000,000,000,000,000,000」出血ダメージだ。漢数字でいえば、35澗となる。普段まず見ることのない命数だ。順番としては万、億、兆、京、垓、?、穣、溝ときて、澗がある。35澗は桁数では38桁となる。なお、念のため申し添えると『ディアブロ』シリーズは大量のダメージ表示が行き交うゲームではあるものの、このような天文学的な数字が飛び出すことは極めて異例だ。

実際にバーバリアンが幻覚じみたダメージを叩き出す様子は、上述の動画にて確認できる。同動画は、本作で世界でもっとも最初にレベル100に到達したプレイヤーであるRob氏によるもの。同氏はこのビルドを「Rend Bleed Barbarian」と題しており、コアスキルであるレンドをメインとした構成となっている。なお、このビルドは「いつでも手軽に甚大なダメージを叩き出せる」といった性質ではない。

というのも、同ビルドはいくつかのレジェンダリーの化身を組み合わせた上で「1体のモンスターを殴り続けてダメージを増大、運がよかった際に天文学的数字が出る」といった仕組みになっているのだ。Rob氏の動画では、ビルドの実験台として、乾きの平原の西端に出現したスーパーユニークモンスターのAlmunnを利用している。この個体については、なぜかダメージをいくら与えても死亡せず、あたかも実験ダミーのような挙動を見せるのだという。通常のモンスターであれば、天文学的な数字にダメージが到達する前にあの世行きだろう。


35澗ダメージが特殊環境に起因するとしても、興味深いのは「なぜ出血ダメージが膨れ上がるのか」という仕組みだ。この点についても、Rob氏が詳しく解説している。この現象の核となるのは、3種類のレジェンダリーの化身の効果だ。まず、「猛る狂戦士の化身」は、バーサーク状態で敵に直接ダメージを与えると基礎ダメージの20~30%の出血ダメージを発生させる効果がある。続いて「頭蓋砕きの化身」は、出血ダメージを受けている敵をスタンさせると、“蓄積した出血ダメージの一部を”物理ダメージとして与える効果。そして「貧血の化身」は、出血状態の敵に直接ダメージを与えると2~3割程度の確率で敵をスタンさせる効果だ。

実際にそれぞれの効果が組み合わさる流れとしては、このようになる。「敵に直接ダメージを与えると、あわせて出血ダメージが発生」し、「その敵を攻撃するとスタンが発生」し、さらに「スタン発生とともに、出血ダメージの一部が直接ダメージとして与えられる」ことになる。そして鍵となるのが、最後の直接ダメージはまた出血ダメージを発生させる点だ。ここで、最初の段階への“ループ”のような状態が発生し、天文学的な数字まで出血ダメージが蓄積したと考えられるわけだ。イメージとしては、マイクとスピーカーの間で音が反復しつつ増幅され続ける「ハウリング」のような状況だろう。


なお、スタン発生がループ完成の鍵となるため「直接ダメージと出血ダメージのハウリング」の安定性はその発生確率任せとなる。Rob氏はほかにもいくつかのレジェンダリーの化身やスキルを組みあせて、スタン発生率を底上げしているようだ。なお同氏は、ダメージが延々蓄積するのは「猛る狂戦士の化身」に不具合があるためとの考えも示している。というのも、この化身は1週間ほど前に「問題あり」としてゲーム内で機能停止され修正がおこなわれており、HOTFIX 9にて復帰させられたばかりなのだ。

またRob氏は、運に頼るとはいえこうしたメカニックが開幕予定のシーズン1で利用され、フェアな競争を損ねる可能性はあるだろうとしている。一方で、レンドを主軸に据えたバーバリアンはすでに環境的に厳しい状態にあるとして、行き過ぎた弱体化がおこなわれないことを望むとコメントしている。

なお、ほかに大ダメージを叩き出すビルドとしては「Shred Druid」も話題となった(PC Gamer)。こちらは億単位のダメージを叩き出すことが話題となっており、「澗」よりは控えめな印象ながら、本作においては十分に異常な高ダメージだ。こちらについては、Blizzard EntertainmentよりPC Gamerに向けて調整の意向が伝えられている。今回のバーバリアンビルドについても、すでに広く周知されており、シーズン1開始前に素早く手が打たれる可能性は高そうだ。

ディアブロ4』は、PC(Battle.net)/PS4/PS5/Xbox One/Xbox Series X|S向けに発売中。日本時間7月21日からは、シーズン1「厄災のマリグナント」が開幕予定だ。

Sayoko Narita
Sayoko Narita

貪欲な雑食ゲーマーです。物語性の強いゲームを与えると喜びますが、シューターとハクスラも反復横とびしています。

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