Steamハチャメチャ国産デッキ構築ゲーム『Overdungeon』“4年ぶり”大型アプデ配信。しがらみを断ち切り、再び動き出す

 

国内のゲーム開発会社ポケットペアは5月20日、『Overdungeon(オーバーダンジョン)』のアップデートを配信した。アップデートv1.2.0では新キャラクターのクノイチや、クノイチ専用のカードパックなどが登場している。また今回の更新は約4年ぶりのアップデートとなるが、更新が止まっていた背景にはいくつかの事情もあったようだ。

*2019年公開のトレイラー

『Overdungeon』は、ローグライク/タワーディフェンス/カードゲームの要素を組み合わせた、半リアルタイムなデッキ構築型のローグライクカードゲームである。本作でプレイヤーは、カードをプレイして盤面に影響を及ぼし、各バトルでの勝利を目指していく。

カードの種類としては、味方ユニットとしてアルパカやヒヨコなどを召喚するアニマル、盤上にタワーを建築する建物、直接ダメージを与えるアタック、ドローや強化などの特殊効果をもつ呪文が存在している。本作にはカードの利用コスト、いわゆるマナの概念はなく、プレイヤーは基本的に各ターン手札が残り2枚になるまでカードを使用可。盤上で戦いを繰り広げるユニットやアタックカードなどで、盤上にいる敵リーダーを撃破すると勝利となる。

また本作では戦闘での勝利時などに、報酬としてカードや特殊効果付きのレリックなどが獲得できる。デッキの強化とバトルを繰り返しながら、ダンジョンを攻略していくわけだ。デッキの構築次第では無限にアルパカが召喚できるなど、派手なゲームプレイも本作の特徴だろう。


今回のアップデートv1.2.0では、4人目のプレイアブルキャラクターとしてクノイチが追加されている。クノイチは初期装備の専用レリックの効果により、各戦闘で最初に使ったカードを2回発動できるキャラクターだ。あわせて、クノイチ専用のカードパックなども登場している。また今回の更新では、シーズンダンジョンがエクストラダンジョンに名称が変更。コンテンツとしては、全15レベルのエクストラダンジョン3や新カード1枚の追加、宝箱からのURレリックの出現確率2倍化、バグの修正などもおこなわれており、約4年ぶりに遊びの幅が広がっている。


本作は、国内のゲーム開発会社ポケットペアが手がけ、同社から2018年11月に早期アクセス配信が開始された作品だ。早期アクセス配信開始直後には、25日間連続でアップデートが配信されるなど、精力的にコンテンツが拡充されていた。その後、2019年には中国のパブリッシャーLeiting Gamesが販売を担当し、正式リリースを迎える。しかし、2019年11月の有料/無料のカードパック追加後は更新が途絶。Steamのユーザーレビューなどでは、更新が止まってしまったことを嘆く声も挙がっていた。2023年5月20日のアップデートでは、約4年ぶりに本作が更新されたのだ。

アップデートが止まっていた背景には、パブリッシャーとの契約も絡んでいたようだ。Steamニュース内の投稿で、経緯が明かされている。同投稿によると、本作はポケットペア代表の溝部拓郎氏が『Slay the Spire』と『Clash Royale』が好きで、「二つの作品を掛け合わせるとどうなるか」という着想から生まれたタイトルだったという。

ポケットペアはそんな本作リリース直後、大好きなゲームを完全版にするため、毎日ゲームの更新を実施。さらに多くの人に楽しんでもらうため、パブリッシャーとの契約もおこなったとのこと。しかし、結果的には本作はあまりうまくいかない。ポケットペアとしては本作をどうしたらいいのかわからなくなってしまい、最終的に本作のアップデートを諦め、『クラフトピア』の開発をスタート。『Overdungeon』のバグが残ったまま『クラフトピア』を開発するのは心苦しく、アップデートをしたい気持ちはあったというが、パブリッシャーとの契約もあり、なかなかアップデートには着手できなかったそうだ。そうした経緯により、本作の更新が約4年間停止していたのだろう。

現在は、ポケットペアが本作の権利をすべて所持しており、ポケットペアが組織として少し大きくなったために、本作のアップデートを再開できるようになったそうだ。また同社は、提供しているすべてのゲームに愛着をもって開発しており、本作のような過去作も可能な限りプレイヤーのフィードバックに応えていきたいと考えているそうだ。

『Overdungeon』はPC(Steam)向けに通常価格税込1480円で配信中。5月27日までの期間、50%オフのセールも実施されている。