短編無限ファミレス奇譚『ファミレスを享受せよ』Nintendo Switch/Steam版発表、夏発売へ。エンジン変更・コントローラー対応・雑談追加などをした完全版

わくわくゲームズは5月20日、『ファミレスを享受せよ』Nintendo Switch/PC(Steam)版を2023年夏に発売すると発表した。

わくわくゲームズは5月20日、『ファミレスを享受せよ』Nintendo Switch/PC(Steam)版を2023年夏に発売すると発表した。価格は税込1500円。プレスリリースによると、本作はフリーゲームとして配信中の『ファミレスを享受せよ』の内容にギャラリーモードなどを追加した「完全版」的な位置づけとなるようだ。


『ファミレスを享受せよ』は、永遠のファミレスで先客たちと長い時間を過ごす、少し不思議なアドベンチャーゲームである。本作の舞台は、永遠の時間が流れるファミリーレストラン「ムーンパレス」。主人公はある夜、気分転換のために近所のファミレス「ムーンパレス」を訪れた人物だ。主人公は店に足を踏み入れた後、店員の接客を受けて席に着く。しかし気がつくと、主人公は最初に入ったファミレスとは異なる奇妙な場所へとやってきていた。店名こそ同じムーンパレスであるものの、店の雰囲気がどこか違っており、注文したソフトクリームもやってこない。永遠のファミレスに迷い込んだ主人公は、同じく迷い込んだ先客たちと、不思議な時間を過ごすことになる。

キャラクターとしては、自称フォースプーン王国の王R・スパイクや、奥の部屋に引きこもっているツェネズ、ムーンパレスにやってきたばかりだというセロニカなどが登場。奇妙なファミレスの謎と、ファミレスで過ごす長い時間が描かれていく。


ムーンパレスは、一見一般的なファミレスに近い構造となっているものの、出口は見当たらない。先客の中には、脱出方法を探した者もいたが、見つからなかったのだという。主人公は、永遠のファミレスに囚われてしまったわけだ。そこで主人公は、先客たちとの会話やファミレス内の探索によって、調査を進めていく。幸いにも、ムーンパレスには老いや死は存在せず、永い時間だけが流れている。本作で主人公は、脱出手段を探りながら、永遠にも似た時間を過ごすのだ。

具体的なゲームプレイとしては、本作では画面内の人物や気になる箇所をクリックすると、調査や会話ができる。調査を進める中では、時折会話時のコマンドとなる話題が出現。新しい話題を使って誰かと会話すると、徐々に彼らの素性や抱える事情が明らかになり、物語が進行していく。また要素としては、不思議な飲み物の並んだドリンクバーや高難易度の間違い探し、複数のエンディングなども存在。奇妙なファミレスで過ごす長い時間が、心地よく表現されていた。


オリジナルの『ファミレスを享受せよ』は、おいし水氏によるゲーム制作サークル月間湿地帯により、2023年1月にフリーゲームとして公開された作品だ。現在はitch.io/ふりーむ!にて、PCおよびブラウザからプレイできる。公開の告知ツイートは、記事執筆時点で6400リツイートを超えるなど、プレイヤーからの注目を集めていた。プレスリリースによると、アドベンチャーゲームやノベルゲームファンから好評を博したそうだ。

本作『ファミレスを享受せよ』Nintendo Switch/PC(Steam)版は、『ファミレスを享受せよ』をベースにとした完全版になるという。新規要素としては、ムーンパレスの先客たちとの雑談が追加されている。またゲームクリア時の特典として、あるエンディング後にはサウンドギャラリーおよびイラストギャラリーも閲覧可能。イラストギャラリーにおいては、おいし水氏によるキャラクター解説も用意されているそうだ。またNintendo Switch/PC(Steam)版では、開発環境がGodotエンジンからUnityへと変更されており、ゲームが作り直されている。開発環境の移行にともない、コントローラーでも操作可能なほか、Steamの実績にも対応。遊びやすくなるアレンジも加えられているようだ。なおUnityへの移植作業は、『チャカ王の迷宮』を手がけた国内の個人ゲーム開発者せきやdn氏が担当している。

ファミレスを享受せよ』Nintendo Switch/PC(Steam)版は、通常価格税込1500円で2023年夏発売予定。Steamでは、全7曲を収録したサウンドトラックDLCもリリース予定となっている。

Keiichi Yokoyama
Keiichi Yokoyama

なんでもやる雑食ゲーマー。作家性のある作品が好き。AUTOMATONでは国内インディーなどを担当します。

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