騒動渦中のダンジョンPvPvE『Dark and Darker』明日実施予定プレイテストの案内がなく、おかしくなるユーザー続出。ありもしない暗号文を読み解く

『Dark and Darker』では、明日4月14日より本作の次回プレイテストが実施されると告知されていた。予定日を目前に控えてなお公式からの案内はなく、ユーザーコミュニティは騒然としている。

過去のプレイテスト時点で絶大な人気を博した『Dark and Darker』を巡っては、開発元IRONMACEと、ネクソンとの間で争いが巻き起こっている。当初は、明日4月14日より本作の次回プレイテストが実施されると告知されていた。しかしながら権利を巡る争いの渦中にある本作のSteamストアページは閲覧不能となっており、プレイテストの予定日を目前に控えてなお公式からの案内はない。ユーザーコミュニティは騒然としており、開発者の発言だけでなく「絵文字」や「聴いている曲名」にまで注目が集まり根も葉もない考察が広まっている。

『Dark and Darker』は韓国のスタジオIRONMACEが手がける、一人称視点のマルチプレイ対戦ダンジョンクロウラー型探索ゲームだ。これまで4回にわたってプレイテストが実施されており、最大同時接続プレイヤー数は約10万8000人を記録(SteamDB)。プレイテスト段階ですでに大きな注目を集めていた作品といえる。


しかしながら、本作は現在先行きが不透明な状況にある。というのも、IRONMACEの一部スタッフに対しては、不正競争防止法違反の疑いで韓国警察による捜査が実施されたことが報じられている。本捜査はネクソンの告訴状に基づいて実施。告訴状ではIRONMACEがネクソンの未発売作品の情報を無断で抜き出し、本作『Dark and Darker』の開発に用いているとの主張がなされていたという。

そして3月25日にIRONMACEは、ネクソンよりDMCA(デジタルミレニアム著作権法)通告および停止通告書(cease and desist letter)を受け取ったとの声明を公式Discordサーバー上で発表。これに伴い、『Dark and Darker』のSteamストアページが閲覧不能となった。その後もIRONMACEは公式Discordサーバーにて声明文を掲載し、ネクソンへの徹底抗戦の構えを見せた(関連記事)。


そんな『Dark and Darker』では、4月14日から次回のプレイテストが実施されると告知されていた。しかし、上述のような事情もあり続報は本稿執筆時点では明かされていない。そうした先行きの怪しい状況を受けて、公式Discordサーバーなどのユーザーコミュニティには懸念が渦巻き、一部ユーザーよりちゃらんぽらんな投稿が寄せられるなど混迷を極める状態だ。サーバー内の総合チャット(general-chat)チャンネルにはプレイテストの続報を渇望する声が数多く寄せられ、開発者のひとりであるGraysun氏にメンションで直接尋ねるユーザーも散見される。

Graysun氏はそんな同チャンネル内で平然と絵文字の投稿やユーザー交流を続けているものの、プレイテストやネクソンとの争いについての続報はまったく明かしていない。そうした中で、同氏の投じる絵文字が何かを暗示しているのではないかとの根も葉もない妄想を膨らませるユーザーが現れ始めた。冗談か本気かわからない荒唐無稽な考察が投じられている。

『Dark and Darker』公式Discordチャンネル内の投稿

さらにユーザーたちはGraysun氏の聴いている曲にまで関心の目を向け始めている。Discordにはユーザーのステータスにプレイ中のゲーム名やSpotifyで再生中の曲を表示させる機能が存在。ユーザーたちはGraysun氏が聴いている曲名から深読みしたり、聴いていた曲名を並べて考察したりと、かなり強引に何らかの意味を読み取ろうとしている。あるユーザーは、同氏が「Melancholia(うつ病)」なる曲をリピート再生しているので何か悪いニュースがあるのではないかと言及。Graysun氏はこの考察に対して、「ただ好きな曲なだけだよ」と返答しており、当然ながら聴いている曲に深い意味はなさそうだ。

*数々のでたらめな考察に加えて、次のプレイテストで吟遊詩人が登場する、との謎の理論を展開するユーザー

なお先述のとおりIRONMACEはネクソンに徹底抗戦の構えを見せており、ネクソンから提出されたDMCA通告への異議申立てをしている可能性もある。あるユーザーは、IRONMACEが異議申立ての結果を待ってから新たな動向を報告する方針ではないかと推察。もし異議申立てが認められれば、『Dark and Darker』のSteamストアページが復活してプレイテストが実施できる目途も立つだろう。異議申立ての結果を待ってから何らかの案内がなされる可能性もある。

しかしながら弊誌の確認する限り、そもそもIRONMACEはDMCA通告に異議を申立てたかどうかを公式には明かしていない。またいずれにせよ、予定日の迫るプレイテストに関する案内がまったくおこなわれていない状況だ。コミュニティ内には、先日あるスタッフの独断で誤って開催されてしまったという“募金騒動”も踏まえて、情報の透明性がなく浮き足立ったIRONMACEの状態に冷ややかな見方を示すユーザーも散見される(関連記事)。

先行きの怪しい状態の続く『Dark and Darker』。プレイテスト段階から注目されていたタイトルということもあってか、本作に関する状況がほとんど明かされないことでコミュニティ内に懸念や混乱が生じているようだ。依然として続くIRONMACEとネクソンの争いの行方が注目される。

Hideaki Fujiwara
Hideaki Fujiwara

なんでも遊ぶ雑食ゲーマー。『Titanfall 2』が好きだったこともあり、『Apex Legends』はリリース当初から遊び続けています。

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