ゲームエンジン「Godot」最新版4.0正式リリース。エンジンを“コアから再構築”した、過去最大のアップデート
ゲームエンジンのGodot開発チームは現地時間3月1日、最新バージョンとなる「Godot 4.0」を正式リリースした。GitHubにて公開中だ。
「Godot」は、2D/3Dゲームエンジンだ。最大の特徴としては、同エンジンはオープンソースソフトウェア(MITライセンス)として公開されており、どのような開発規模や売上でも無償で利用できる点だろう。また、Godotが最初に一般リリースされたのは約9年前となる2014年のことであり、比較的後発のゲームエンジンとなる。大規模なシェアを占めるUnity/Unreal Engine以外の選択肢として、ゲーム開発者らに利用されている。
同エンジンを利用した人気作品も複数リリースされている。たとえば本稿執筆現在、見下ろし視点2Dローグライト『Brotato』はSteamにて2万6700件を超えるユーザーレビューを獲得。そのうち97%が好評とする「圧倒的に好評」ステータスを得ている。同じくGodotで開発された3DFPSゲーム『Cruelty Squad』についても、Steamユーザーレビュー9000件以上のうち97%が好評を投じており、こちらも「圧倒的に好評」ステータスを得ている。Godotにて幅広いジャンルの作品が作られているわけである。
そして今回、Godotの最新版となる4.0が、ベータリリースなどを経てこのたび正式に配布開始された。エンジン開発チームいわく、今回のアップデートは「過去最長の開発期間をかけた、最大のアップデート」だという。通常のアップデートではなく、エンジン全体を再構築するような内容となっているそうだ。
まず、大きな変化のひとつとしては、Godotのコアとなる部分が大規模なリファクタリング(プログラム内部構造の整理)を通じて大幅刷新されているという。多岐にわたる機能が追加されており、主要なところでは「Vulkanによるレンダリングののサポート」「新たに一から作り直されたグローバルイルミネーションシステム」といった描画面の機能が多数追加。ほかにも、エディター自体の使いやすさの向上や、視覚エフェクト・アニメーション・サウンド・ネットコード・多言語対応などにまつわる多数機能の追加および改善が盛り込まれている。内容は多岐にわたるため、さらなる詳細は公式発表(英語)を参照してほしい。
なお、開発チーム発表によれば、今回のGodot 4.0の正式リリースは始まりにすぎないとのこと。バージョンアップにより発生する可能性がある不具合への対処などが実施されるほか、今年リリース予定のバージョン4.1に向けさらに新機能の追加などが実施される見込み。さらなる機能拡充により、同エンジンによる出色の作品たちが今後も生み出されていくことだろう。
「Godot 4.0」は、GitHubにて公開中だ。