スクエニ新作百合『トワツガイ』二次創作ガイドラインが話題。公式が二次創作作品を紹介する熱高めのスタンス

 

スクウェア・エニックスは2月16日、iOS/Android向けツガイ育成バトルファンタジーRPG『トワツガイ』の正式サービスを開始した。また、本作はサービス開始前から二次創作ガイドラインが制定されており、その内容がSNSなどで話題を呼んでいるようだ。


『トワツガイ』の舞台は「黒い海」に侵食され始めた世界だ。異形の存在と戦う組織「特殊災禍対策本部 CAGE」にて、戦闘に送り込まれる少女たち「トリ」の生き様を描く。少女たちは強大な敵と戦うなかで、心も身体も摩耗していく。しかし、唯一無二のペアである「ツガイ」を頼りに、彼女たちは抗い続ける。

ツーマンセルを組んだ少女たちの関係性を描く本作には、いわゆる「百合」要素を期待するプレイヤーも多いことだろう。彼女たちの関係を二次創作したいという人々向けに、『トワツガイ』には二次創作ガイドラインが存在する。二次創作活動における利用条件や、同人誌やグッズなどの頒布についてなど、ファン活動をするうえでの注意事項が定められているのだ。

プロデューサーの藤本善也氏はガイドラインのはじめに「私は、『トワツガイ』に係るすべての二次創作クリエイターのみなさまの活動を、敬意をもって応援させていただきたいと思っています」と述べている。『トワツガイ』では悪意あるものを除き、基本的に二次創作を歓迎するスタンスであるようだ。そのスタンスの表れか、ガイドラインの4条には「当社による二次創作作品の紹介」が掲げられており、二次創作作品を公式生放送やSNSで紹介する場合があると明文化されている。


『トワツガイ』公式側から二次創作作品に積極的に関わっていくという宣言に、SNSなどでは驚きの声があがっていた。というのも、この規定は当初、「事前の確認をすることなく」紹介する旨が記載されていたのである。

『トワツガイ』では少女たちの唯一無二の関係性が描かれることもある。それが恋愛感情なのか、嫉妬なのか、簡単な言葉では表せない複雑な関係なのか、解釈は物語の読み手によってもさまざまであろう。そうした少女たちの二次創作とあらば、書き手の解釈のほかに「こうだったらいいな」という願望も込められがちになることは想像に難くない。人によってはそんな妄想の煮こごりを公式に拡散されてしまうことを良しとしない場合もあり、事前確認なしで紹介するというガイドラインに面食らってしまうのも致し方ないことだろう。その心理を慮ってか、2月16日現在、話題となった表記は「事前に制作者の方に連絡のうえ 」という内容に変更されている。

近年、ソーシャルゲームのガイドラインは二次創作に言及するものも少なくない。『Fate/Grand Order』『ブルーアーカイブ』『アークナイツ』『原神』といった数々のソーシャルゲームがガイドラインに沿って二次創作を楽しむことを推奨している。しかし、『トワツガイ』のように積極的に二次創作への歩み寄りを見せる例は珍しい。少女たちの心のつながりを、ファンコミュニティを通しても盛り上げていきたいという気概が感じられる。

『トワツガイ』はiOS/Android向けに基本プレイ無料で配信中だ。


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