『Apex Legends』開発者、新SBMMについて「スマーフ対策とは別」ときっぱり。でも初心者保護は大事との見解
Respawn Entertainmentは1月18日、『Apex Legends』のマッチメイキングシステム刷新に着手していることを発表した。この発表に対するユーザーの疑問にこたえる形で、開発者が本作のスマーフ対策について言及している。
『Apex Legends』のメインとなる3人部隊のバトルロイヤルモードでは、最大60人のプレイヤーたちが戦闘をおこなう。部隊はいわゆる野良でのマッチングのほか、招待や参加でマッチング前に結成することもできる(プリメイド部隊)。また本作にはスキルベースマッチメイキング(SBMM)が採用。プレイヤーのスキルにあわせて、味方や敵とマッチングするわけだ。
一方で、本作では極端なマッチングメイキングがおこなわれる場合もあることが、かねてよりユーザーから指摘されてきた。そんな本作のマッチメイキングシステムについて、新システムへ移行中であることが先日発表された。現在では従来のSBMMを廃止し、新たなアルゴリズムを用いたシステムに移行しつつあるそうだ。新システムは、プレイヤーの腕前に応じたグループ分けをより精確にすることを目指しているという。
そうしたSBMMの調整方針の発表を受けて、ユーザーがスマーフ問題についても開発者に問いかける一幕があった。なおスマーフとは、一定のスキルをもつプレイヤーが、主にプレイしているアカウントとは別の新たなアカウント(いわゆるサブアカウント)を利用してマッチングすることを指す。
スマーフによる問題としては、新しいアカウントを作った上級者が新規プレイヤーとマッチングしてしまうことだろう。新規プレイヤーが新規プレイヤーのふりをした上級者と対峙すれば、SBMMのようなスキルにあわせたマッチング方式の狙いが損なわれる。ゲーム体験が著しく損なわれうるわけだ。あるユーザーは本作テクニカルデザイナーSamy Duc氏に対し、SBMMの刷新がスマーフ対策につながる可能性を訊いている。
Samy氏はこの疑問に対し、「そうでもない」と返答。スマーフ対策と今回のSBMM刷新は別の試みになるそうだ。あくまでも今回のSBMM刷新は、正確にプレイヤーのスキルを測るマッチメイキングシステムの構築に重点を置いているということだろう。一方で別のユーザーの質問に対する同氏の回答では、SBMMの精度改善がスマーフ問題対策に一定の効力を発揮する可能性も示された。
Samy氏によれば、サービスが長期間続くゲームでは、新規プレイヤーに対してより“安全”なマッチング環境を提供することが求められるという。そしてそうした環境はスマーフアカウントの検出にも繋がり、スマーフをおこなうプレイヤーであれFPSがもともと上手いプレイヤーであれ、上手すぎるプレイヤーをより早期に上位のマッチングに昇格させられるとのこと。新規プレイヤーが同じスキルレベルのプレイヤーとマッチングする環境づくりが、結果的にスマーフアカウントの検出や適正なスキルのプレイヤー同士のマッチングに繋がるという見解だろう。
本作におけるSBMMの刷新も、サービスが長期間続いた本作ではプレイヤーベース全体の腕前が大幅に向上していることが背景にあるという。新たなSBMMは新規プレイヤーが参入しやすい仕組みを目指して構築されているといい、それは結果としてスマーフ行為の緩和や公平なマッチメイキングに繋がっていくかもしれない。一方でSamy氏は、スマーフ対策をSBMMと別の課題として認識している。今後別個に、スマーフに重点をおいた対策が打ち出される可能性はあるだろう。
ライブサービス型の対戦ゲームにおいて、スマーフは開発元を悩ませる問題のひとつ。アカウントの作成に制限を設けたり、高精度のプレイヤースキル測定システムを開発したりと、各タイトルがスマーフ問題解決のために奔走している状態だ。今後も各開発元によるスマーフ対策への取り組みは続いていくことだろう。