SFヤケクソFPS『High On Life』がSteamにて好調スタート。最悪の仲間たちと、クソみたいな宇宙で大冒険
デベロッパーのSquanch Gamesは12月13日、FPSゲーム『High On Life』をPC(Steam/Epic Gamesストア/Microsoftストア)およびXbox One/Xbox Series X|S向けに配信開始した。Xbox Game Passにも対応する。過激なユーモアが特徴の本作は、Steamにて好調な滑り出しを見せているようだ。
『High On Life』は、しゃべる銃と共に冒険するコメディFPSゲームだ。主人公となるのは、ハイスクールを卒業したばかりの仕事も夢もない若者。ある日地球が異星人カルテルに侵略され、主人公はしゃべる銃であるKennyと出会う。主人公とその姉妹であるLizzieは無事に地球を脱出。成り行きによって、宇宙を股にかける賞金稼ぎとなり、極悪非道な賞金首たちを狩ることになるのだ。ゲームプレイとしては、さまざまな武器やアビリティを使い、敵を蹴散らす楽しみを味わえるシューターとなっている。
本作の特徴は、下品で過激かつブラックなユーモアだ。まず、本作の登場人物たちは基本的に、性格が破綻しているか、倫理観が壊れているか、あるいはその両方だ。そのため、冒頭から肉親が麻薬をすすめてきたり、仲間の腹を気軽にナイフで刺してみたりと、ハチャメチャなジョークやシーンが展開されるのだ。また「顔が尻のようになっており、放屁のように発話する異星人」など、ヤケクソ気味のユーモアが目白押しとなっている。
もうひとつの特徴としては、本作では無口な主人公のかわりに、装備であるナイフや銃たちが喋る。ピストルである上述のKennyをはじめとして、さまざまな性能や自我をもった銃がマシンガンのように喋ってくれる。混沌としたユーモアの濁流が、本作の魅力なわけだ。なお、うるさすぎると感じた場合に銃を多少黙らせる機能もあり、リリース後のアップデートでさらに機能強化されている。
そんな本作は12月13日のリリース後、Steamにて1万人を超えるピーク時同時接続プレイヤー数を記録。本稿執筆時点で1200件以上のSteamユーザーレビューが寄せられ、うち87%が好評とする「非常に好評」ステータスを獲得している。レビューの内容としては、本作の特徴であるユーモアを称賛する声が多いようだ。一方で不評レビューとしては、本作のボリュームの少なさを問題点として指摘する声も散見される。また、しばしば見られるのがSFコメディアニメ「リック・アンド・モーティ」に言及するレビュー文だ。その理由は、本作の開発体制にあると思われる。
本作を手がけるのは、デベロッパーのSquanch GamesおよびJustin Roiland氏。Roiland氏は、「リック・アンド・モーティ」にて原作・監督のほか、主人公リックとモーティ役両方を務める人物だ。『High On Life』と同じく、「リック・アンド・モーティ」では 人命やモラルをあえて軽視するような刺激的な笑いが展開される。Roiland氏や同アニメのファンが、ユーモアのテイストが似通った『High On Life』を気に入り、好評を後押ししている面もあるだろう。
なお、本作は今のところ日本語表示に対応していない。ただし、チュートリアルや目的地のマーカーシステムもあり、ある程度視覚的にわかる範囲で表示に従っていれば、ゲームが進行できる仕組みだ。また、英語でのトークの分量も多いものの、だいたいは無視して支障ない。英語がわからなくても雰囲気で笑えるシーンも多いため、雰囲気が気に入った方は本作プレイを検討してみてほしい。なお、弊誌では本作開発元Squanch Gamesに向けて、日本語対応の予定の有無を問い合わせている。回答があった場合、本稿にてお伝えしたい。
『High On Life』はPC(Steam/Epic Gamesストア/Microsoftストア)およびXbox One/Xbox Series X|S向けに配信中。Xbox Game Passにも対応する。