『Skyrim』の街をUnreal Engine 5で再現したユーザー現る。雪景色を最新エンジンが微細に描く

『The Elder Scrolls V: Skyrim』の街であるドーンスターを、Unreal Engine 5にて再現したユーザーが現れた。リッチな雪のグラフィックが目を引く、生まれ変わったドーンスターの姿が注目を集めている。

The Elder Scrolls V: Skyrim』(以下、スカイリム)の街であるドーンスターを、Unreal Engine 5(以下、UE5)にて再現したユーザーが現れた。リッチな雪のグラフィックが目を引く、生まれ変わったドーンスターの姿が注目を集めている。

オリジナルの『スカイリム』におけるドーンスター

『スカイリム』は、Bethesda Softworksが2011年にリリースしたオープンワールドアクションRPG。『The Elder Scrolls』シリーズの最新作だ。発売から11年を迎える現在に至っても根強く愛され、Mod制作も盛んな作品である。本作の舞台はスカイリム地方。作品世界のタムリエル大陸において、最北に位置する雪深い土地だ。

そんな『スカイリム』における街を最新のゲームエンジンで再現したユーザーが現れた。フリーランスの3DアーティストLeo Torres氏だ。同氏はこれまでにもUE5を用いた数多くの動画を制作。テーマを問わず美麗なCGグラフィックスを手がけてきた。今回同氏は、UE5にて『スカイリム』のドーンスターの街並みを再現し、その様子を動画として投稿している。


動画ではUE5のリッチなグラフィックで描き出されたドーンスターが披露。建物の配置などを見ると、ドーンスターの街並みがなかなか正確に再現されていることがわかる。正確さだけでなくグラフィックの美麗さという点でもTorres氏の動画のドーンスターは圧倒的である。

なおUE5は、Epic Gamesにより今年4月に正式リリースされた次世代ゲームエンジンだ。負荷を軽減しつつ、緻密な環境光描写などを可能にする「Lumen」や、大量の高精細3Dモデルなどの描画を助ける「Nanite」などの新機能を盛り込んでいる。Torres氏の動画でもそうした機能が活用されているわけだ。ちなみに同エンジンに新機能追加や機能強化がほどこされたUE5.1が、11月よりリリースされている。

オリジナルの『スカイリム』におけるドーンスター
Image Credit: Leo Torres on YouTube

海面への光の反射やランタンの灯り、昼と夜の景色の違いなど、Lumenによる環境光描写は多岐にわたって発揮。また特筆すべきは雪の表現であり、雪のつぶが細やかに描かれている点は印象的だ。動画説明欄によると雪のほとんどは単なるテクスチャではなく3Dモデルだという。シーン内のさまざまなアセットに乗せて適合するように、Blenderで自動生成されているとのことだ。なお今回の動画はNaniteの負荷テスト、および雪の表現の練習として制作されたそうだ。またLumenでの薄暗い環境の描写のテストも兼ねているという。

動画の後半では街中を歩くゲームプレイ風映像も見られる。動画のグラフィック描画はUE5 5.1の「high」プリセットで実行されているとのこと。Torres氏のPCはRTX 3060を搭載しているそうで、同氏の環境では40~45fpsにて動作しているという。技術デモとして制作されているものの、なかなかのフレームレートといえる。ゲームプレイにも応用できるのかもしれない。

ちなみにTorres氏は過去にも『ドラゴンエイジ:インクイジション』や『Mass Effect』のマップをUE5で再現する動画を投稿。いずれも高いクオリティで製作されており、ユーザーからも注目を集めている。UE5の練習目的とされているものの、緻密な再現は同氏の各作品への愛着のなせる業だろう。なおこうしたゲーム内マップの再現動画には、ゲーム内のアセットは使用されていないとのこと。別のアセットの組み合わせでオリジナルを再現しているそうだ。


今後もゲーマーたちの“思い出の風景”はさまざまな人の手でUE5にて再構築され、鮮やかによみがえっていくかもしれない。

Hideaki Fujiwara
Hideaki Fujiwara

なんでも遊ぶ雑食ゲーマー。『Titanfall 2』が好きだったこともあり、『Apex Legends』はリリース当初から遊び続けています。

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