『オーバーウォッチ2』では、トレーサーのメイン射撃の距離減衰に関するバグが発生している。開発者はバグの発生を認めつつ、本バグを受けてのトレーサーの利用制限を予定していないことを明かしている。
【UPDATE 2022/11/22 22:06】
記事初版にてタイトルに誤りがございました。訂正しお詫び申し上げます。
『オーバーウォッチ2』はBlizzard Entertainmentが手がけるオンライン対戦FPSゲーム。人気を博した『オーバーウォッチ』の続編として、基本プレイ無料タイトルとして10月5日にリリースされた。前作からの変更点としては、既存ヒーローの調整および新ヒーローの追加などが実施。また、6対6から5対5へと対戦人数が変更されている。
今回バグが報告されたのは、本作のダメージ系ヒーローであるトレーサーだ。ダメージ系の中でも、いわゆるフランカーと呼ばれる立ち位置のヒーローである。フランカーは、機動性や逃走の容易さから敵の後方を攻撃することを得意とする。海外掲示板Redditでは、あるユーザーがトレーサーのバグを指摘。トレーサーのメイン射撃「パルス・ピストル」は、20メートル以内では距離によるダメージ減衰(fall off)が起こらないとして、射撃練習場での検証動画を投稿している。
動画ではまず、20メートルより遠い位置から射撃練習場のボットを射撃。散らばって外れた弾もあるものの、この位置からでは4マガジンにてボットを破壊している。その後2歩ほど進んで、ボットからの距離が20メートルであると示すラインの上から射撃を開始。こちらでは1マガジンにてボットの撃破に成功している。外れた弾やヘッドショットの有無による条件の差はあるものの、後者ではメイン射撃のダメージが上昇しているのは明らか。たった2歩程度の距離の差でメイン射撃の火力が大幅に変わることが確認できる。
本バグについては、eスポーツチームHouston Outlaws所属選手であるDanteh氏も自身のTwitterにて指摘。トレーサーの射程がひっそり強化されたのではないかとコメントしていた。今回のスレッド投稿者も現状のトレーサーは非常に強力であり、利用制限がかけられるだろうと予想。トレーサーのメイン射撃は告知のない強化、あるいはバグによって強化されているとの見方があるわけだ。
本スレッドには、本作のゲームディレクターを務めるAaron Keller氏がコメント。今回のバグについて現在調査中であると伝えた。またバグは、少なくともハロウィンイベント中のいずれかのパッチ以前からもたらされた現象であることが確認されたそうだ。
一方でKeller氏によれば、今回のバグでトレーサーの利用制限をかける予定はないという。同氏は「トレーサーの(距離20メートル前後での)急激なダメージ減衰は明らかなバグである」とコメント。続けて同氏は、トレーサーの全体的な火力のバランスについては許容範囲であり、利用制限をかける予定はないと伝えている。またこのバグが修正される際には、トレーサーに対して埋め合わせとなるような変更も加えられるとのことだ。
トールビョーンやバスティオン、メイではバグの確認後まもなく利用制限がかけられていた。その点トレーサーは現状利用制限が予定されていないとのことで、開発元は現状のトレーサーに早急な対処が必要とは考えていないようだ。
いずれにせよ、Keller氏の言葉どおりであれば、何らかの使いやすくなる調整と共にトレーサーのバグは修正される見込み。一方で、トレーサーと同じくフランカーであるゲンジやソンブラについては、火力の高さが見直されて先日のアップデートにて修正に至った。開発元はそうした調整の方針として、フランカーの火力の均一化を掲げている。今後トレーサーの火力が突出して高いあるいは低い環境になれば、さらなる調整が検討される可能性もあるだろう。
『オーバーウォッチ2』はPC/PlayStation 4/PlayStation 5/Xbox One/Xbox Series X|S/Nintendo Switch向けに基本プレイ無料で配信中だ。