Steam電子工作シム『Retro Gadgets』発表。設計からプログラミングまで超自由度のMyガジェット作り
デベロッパーのLicoriceおよびStudio Evilは9月29日、ガジェット作りシム『Retro Gadgets』を発表した。対応プラットフォームはPC(Steam)で、近日早期アクセス配信予定だ。また、10月3日より開催のSteam Nextフェスでは体験版も配信予定。
『Retro Gadgets』は、電子機器作成シミュレーションだ。ストアページでは“ガジェット作成ステーション”と表現されている。本作のなかでは、プレイヤーが極めて自由度の高い電子工作を楽しめるようだ。製作工程の一例としては、まずは基板の形状を決め、ボタン・スイッチ・スピーカー・LEDといったパーツを配置。CPUやオーディオ・ビデオチップなどを配して機能を実装していけるようだ。トレイラーなどからは、いずれのパーツも、プレイヤーがはんだ付けなどを活用して自由自在に配置していける様子が見て取れる。ゲームボーイ風の端末から、カエルや人面のような形状のガジェットまで作れるようだ。
【UPDATE 2022/10/1 20:25】
「基盤」との誤字を「基板」へと修正
そして、ハード面の工作と同様に、ソフト面も自由に作れるようだ。本作では、プログラミング言語Luaの開発環境を盛り込み。ゲーム内に実際のプログラミング環境が整っているわけである。ハードとソフトの自由度が組み合わさり、ガジェット作りの可能性はぐっと広がる。ゲーム内でゲームをプログラミングすることさえ可能なわけだ。本作で作れるガジェットの例としては、ゲーム機・ドラムマシン・デジカメ・ラジオ・気象観測機などが挙げられている。ユーザーのイマジネーション次第では、さらに多彩なガジェットが誕生することだろう。
本作ではピクセルアートにて、作業台やガジェットパーツが味のあるスタイルで描かれている。ガジェット作りの上では、そうしたビジュアル面にもこだわれるようだ。作ったガジェットは丁寧に塗装し、好きな柄のステッカーを作ってペタリ。ほかにもデザイン面をこまかく調整可能だ。また、作ったガジェットは世界中のプレイヤーとシェア可能となっているとのこと。そして、ガジェットはゲームの外に“取り出す”こともできる。作ったり入手したガジェットを、PCのデスクトップ上などに配置できるそうだ。愛情込めて作ったガジェットを、電子的とはいえ常に手元に置いておけるのだろう。モノ作りが好きなユーザーには垂涎の作品となりそうだ。
本作の開発には、ふたつのスタジオが取り組んでいるようだ。アイスランドを拠点とするLicoriceおよび、イタリアを拠点とするStudio Evilだ。Studio Evilについては、過去にクションゲーム『Super Cane Magic ZERO – Legend of the Cane Cane』などをリリース。同作はSteamユーザーレビューにて、約300件のレビューのうち91%が好評とする「非常に好評」ステータスを得るなどの評価を受けている。もう一方のLicorice ehfは、個人開発者のMarco Bancale氏によるスタジオだ。同氏は過去に高評価横スクロールシム『Kingdom』の開発に携わるなど、経験ある開発者だ。そしてBancale氏は現在、別の開発者とともにメカ作りゲーム『Plasma』も開発中(関連記事)。偶然か意図的か、同氏はモノ作り精神を刺激する作品を同時に手がけている状況のようだ。
なお、『Retro Gadgets』は早期アクセス配信期間として約1年間を見込んでいる。早期アクセス配信時のコンテンツとしては、ガジェット製作・塗装・プログラミングなど一通りの基本機能が揃っているとのこと。また、コミュニティへのガジェット共有機能もサポートされるようだ。正式リリースにかけて、ガジェットに使えるモジュールなどのコンテンツも追加していく見込み。また、ゲーム外でガジェットを独立して使えるようにする機能も実装予定とのこと。そして、正式リリース時には値上げも予定しているとのことだ。
『Retro Gadgets』はPC(Steam)向けに、近日早期アクセス配信開始予定。10月3日から開催のSteam Nextフェスでは、本作のデモ版が配信予定だ。