Steamでゲームを売る海外メーカー8社に「日本市場」について訊いた。日本ユーザーの増加を実感しているか?日本人のレビューは厳しいと感じるか?

近年Steamでは、日本人ユーザーが増加傾向にあるようだ。一方で、日本人によるSteamレビューが比較的手厳しいとか、そのためメーカーが日本向けリリースや日本語対応を渋ることもあるのではないかとの議論もある様子。実際にパブリッシャーがどう感じているのか訊いてみた。

近年Steamでは、日本人ユーザーが増加傾向にあるようだ。それはSteamの運営元Valveが公開しているデータからも伺える。日本人ユーザー増加の要因についてはさまざまな見解があるだろう。他方で、一部ゲーム開発者およびゲーマーのあいだでは、日本人によるSteamレビューが比較的手厳しいとか、そのためメーカーが日本向けリリースや日本語対応を渋ることもあるのではないか、といった見方がある模様。ただこれらの議論は、メーカーやタイトルによって異なるので、なかなか答えが出づらい議論でもある。

では、実際にSteamにてゲームを販売しているパブリッシャーは、どのように受け止めているのだろうか。今回弊誌では、Steamで展開する海外パブリッシャー8社に以下の4項目について質問し、回答をいただいたため紹介したい。

①Steamでの販売タイトルにおいて、日本のユーザーが増えてきたという実感はありますか。

②いま日本人ユーザーに人気のタイトルはありますか。また、ぜひ日本人にも注目してほしい・気に入るはずだというタイトルがあればお教えください。

③日本人のレビューは厳しいと思いますか。また作品の評価が低下することを懸念し、日本向けのリリースをためらった事例はありますか。

④今後日本語対応について積極的に進めていく予定はありますか。また、過去の作品に日本語対応を追加する計画はありますか。

【UPDATE 2022/9/13 10:45】
Paradox Interactiveの回答を追加。あわせてタイトルおよび本文のインタビュー回答会社数を7社から8社に変更

11 bit studios・Konrad Adamczewski氏

『Frostpunk』


①(日本ユーザーの増加を実感してるか)
11 bit studiosにおいては、Steamでの日本からの売り上げは非常に安定しているようです。ビジネス開発チームに確認しても、最近になって大きな変動がみられたことはないとのことでした。我々が日本市場に向けて、常に存在感をしっかり示してきたことが理由かもしれませんね。

Steam向けには、『Frostpunk』や『This War of Mine』『Moonlighter』『Children of Morta(チルドレン・オブ・モルタ~家族の絆の物語~)』などのタイトルは、すべて日本語に対応してローンチさせました。こうした取り組みも、安定した売り上げに寄与しているものと思います。

②(日本人に人気のゲームと注目してほしいゲーム)
『Moonlighter(ムーンライター 店主と勇者の冒険)』はコンソール版、特にNintendo Switchにて人気となったのですが、Steam版の売り上げも堅調です。スーパーファミコン時代のRPGへのラブレターのような作品であることが、日本での売り上げに繋がり、またNintendo Switchにうまくフィットしたのかもしれません。

現在我々は、他地域ではすでに配信中のアドベンチャーゲーム『South of the Circle』について、日本でのリリースの準備を進めています。

③(日本人のレビューを厳しく思うか、また厳しさを理由に日本語化をやめようと思ったことはあるか)
日本人のレビューについてですが、調べてみると『Frostpunk』は非常に良い好評率となっています。『This War of Mine』も同じくですね。どうやら我々は、日本人にウケるゲームの作り方を熟知しているようです(ニヤリ)。

もっとも、日本人レビュアーがより厳しいというのは、確かにそうかもしれません。日本においてゲームは、今も基本的にカルチャーの大きな部分を占めているからこそ、より真剣に評価するのではないでしょうか。もちろん、欧米でもゲームは非常にポピュラーです。ただ、日本にはまだゲームセンターが存在し、モバイルゲームも大人気ですよね。一般的な人々のあいだでは、欧米よりも日本の方がゲームが身近にあるといえるでしょう。そうした背景により、日本人はゲームをより深く掘り下げ、より厳しく評価する傾向にあるのかもしれませんね。

④(今後日本語対応をどうする予定か。また過去作の日本語対応はどうなのか)
『Children of Morta』で注目してほしいのは、ゲーム内のナレーションまで日本語に対応していることです。土師孝也氏のような素晴らしい声優に担当してもらえて良かったです。我々の将来のタイトルでも、こういった取り組みを積極的におこなっていきたいと考えています。

Chucklefish・Alexis Trust氏

『Eastward』


①(日本ユーザーの増加を実感してるか)
確かにそれは実感しています!実は、私たちの販売タイトルである『Pathway』への注目度が高まってきた当時に、架け橋ゲームズと提携して、『Eastward』や『Wildfrost』などさらなるタイトルを日本に届けようと決めました。いまや、私たちがローカライズ言語を決定する際には、日本語を必須とすることが多いです。

BitSummitや東京ゲームショウといった日本のイベントへの参加は、私たちのマーケティングおよびパブリッシング活動における重要なポイントではないかと考えています。また、プレイヤーからの貴重なフィードバックを、ゲームやローカライズの改善に繋げてきたことにも触れておきたいです。

②(日本人に人気のゲームと注目してほしいゲーム)
Pixpilが手がけたアクションRPG『Eastward』は、非常に評判が良かったです。この作品では日本のパートナーと協力して、特別なグッズを同梱した日本限定コレクターエディションを用意しました。それによって日本のゲーマーやメディアに対し、私たちの意気込みを伝えることができたと思います。私たちにとっては、日本をより深く理解することにも繋がりましたし、将来もっと日本で仕事をしたいと思うきっかけになりました!

また、PC/Nintendo Switch向けにそう遠くない未来にリリース予定の作品として、『Wildfrost』という素晴らしいカードゲームがあります。ローグライク要素のあるデッキ構築型戦略ゲームで、そのキュートな世界観は皆さん気に入るはずです。本作を、BitSummitや東京ゲームショウに出展しようと計画しているところですので、もしプレイする機会があればご意見を聞かせてください!

③(日本人のレビューを厳しく思うか、また厳しさを理由に日本語化をやめようと思ったことはあるか)
日本のレビュアーからはフェアな意見しか寄せられていませんね。欧米のレビュー内容とも概ね一致していますし、私たちのリリース計画から日本を除外したことはありません。ゲームを改善させるためにも、世界中からのあらゆるフィードバックを歓迎しています。

作品のプレイヤーにリーチしたり、コミュニティを拡大させたり、価値あるフィードバックを得たりといった機会は非常に多くあります。ですので、ある地域を無視するのは馬鹿げたことだと思います。私たちにとって、日本をサポートすることのメリットは、デメリットよりもはるかに大きいのです。

④(今後日本語対応をどうする予定か。また過去作の日本語対応はどうなのか)
私たちはこれからも、可能な限り日本のファンをサポートしていきます!開発においては、日本語のような表語文字ベースの言語のゲーム内テキストやUI/UXが、画面上にどのように表示されるのかも考慮しながら進め、誰もがリリース初日から楽しめるように取り組んでいます。過去のタイトルに関しては、今から実現できないものもあるかもしれません。ただ、日本のプレイヤーにとって将来は明るいといえますし、私たちも全力を尽くして、可能な限り多くの人へと作品を届けていきます。

私たちは日本を愛していますし、日本のプレイヤーも私たちのスタジオを親切にサポートしてくれています。私たちはこれからも、自分たちが大好きだと思えて、そして日本のプレイヤーにも楽しんでもらえるゲームを作り続けていきます。

Hooded Horse・Tim Bender氏

『Old World』


①(日本ユーザーの増加を実感してるか)
弊社はまだ歴史が浅いですから、長期的なユーザー数の推移については何ともいえません(我々のタイトルはすべて今年リリースされました)。ただ、弊社タイトルにおける日本人ユーザーの割合は、Steamのレポートの数値をはるかに上回っているということはお伝えできます。たとえば『Clanfolk』や『Old World』では6%を超えています。

私はかねてより、日本語にローカライズすることの重要性をほかのパブリッシャーやデベロッパーに訴え、日本語に対応する作品が増えるように働きかけています。Steamでのマーケティングにおける、パブリッシャーやデベロッパーの貴重な情報源となっているサイトGameDiscoverCoのインタビューでも、その件について述べました(*)。

(*:GameDiscoverCoの記事でTim Bender氏は、特にストラテジーゲームにおける日本語対応の重要さを指摘。『Old World』において日本は、同ジャンルの人気が高いとされるドイツに迫る売り上げを記録しているとのこと。日本には熱心なPCゲーマーが多くいるため、あらゆるゲームが日本語対応を真剣に検討すべきだとしている)

②(日本人に人気のゲームと注目してほしいゲーム)
弊社タイトルはすべて日本でも人気です!先述したリリース済みタイトルだけでなく、今後発売する作品についても、ウィッシュリスト登録者の日本人ユーザーの割合はかなり多い。未発売作品のなかでは、エイリアンによる侵略をテーマにしたストラテジーゲーム『Terra Invicta』に、特に大きな興味をもってくれているようです。

日本人プレイヤーは、世界中でもっとも親切かつ協力的であると感じています。弊社タイトルが日本で好調なのもそこに理由があり、インフルエンサーたちが作品への愛を共有するために多大な努力をしてくれているのです。実際『Old World』や『Clanfolk』のローンチ時には、Twitter上で両作についてコメントしていたツイートの90%以上が日本語によるものでした!このさきれむ氏などの素晴らしい日本人インフルエンサーたちが、我々を大いにサポートしてくれています。

③(日本人のレビューを厳しく思うか、また厳しさを理由に日本語化をやめようと思ったことはあるか)
我々はまったくそうは思いません!日本人プレイヤーのレビューの好評率は、ほかの言語と比べると概ね同じです。また『Old World』と『Clanfolk』では、日本人プレイヤーのレビュー好評率は、全体の好評率と変わりません。

④(今後日本語対応をどうする予定か。また過去作の日本語対応はどうなのか)
弊社は、ローカライズ可能な作品であるならば、販売するすべてのタイトルについて日本語に対応させていくことをお約束します。

現時点では、弊社の発売済みあるいは今後発売する全16タイトルのうち15タイトルが、日本語に対応しています。唯一の例外は『NEBULOUS: Fleet Command』でして、残念ながらこの作品はローカライズできるようには制作されていなかったのです(ですので英語対応のみ)。ただ、もし開発元が他言語サポートを追加するようなことがあれば、その最後まで残った16番目の作品を真っ先に日本語に対応させるでしょう!


Humble Games

『One Step from Eden』


①(日本ユーザーの増加を実感してるか)
私たちのSteamでの売り上げ本数は、日本については前年比で約20%増加しています。ただ、日本でリリースしたタイトル数も増えているので、理由についてはさまざま考えられます。ひとつ確かなことがあるとすれば、Humble Gamesはローカライズによって日本人ゲーマーをサポートし続けてきたことが挙げられるでしょう。今年や来年、そしてさらに先の新作においても、日本人ゲーマーに大いにアピールできることを期待しています。

②(日本人に人気のゲームと注目してほしいゲーム)
『One Step from Eden』は特に人気ですね。インディー開発者のThomas Moon Kang氏が手がけた、協力プレイ対応のデッキ構築リアルタイム戦略アクションゲームです。2020年にリリースすると、特に日本では好評で、米国に次ぐ2位の売り上げとなっています!『Unpacking』もまた好調です。こちらはWitch Beamが開発した禅パズルゲーム。新居での荷ほどきという身近な体験をテーマにした作品で、賞も受賞しています。

今後リリースする新作のなかにも、日本人に受け入れてもらえるだろうと考えている作品がいくつかあり期待しています。ひとつは、Stairway Gamesの『Coral Island』。のんびりと農場を作れるシミュレーションゲームで、10月11日に早期アクセス配信予定です。rose-engineが手がけるサバイバルホラーゲーム『SIGNALIS』は、10月27日に配信予定。また、日本の村から影響を受ける『Mineko’s Night Market』もあります。物語主導のソーシャルシミュレーション・アドベンチャーゲームで、近日配信予定となっています。

③(日本人のレビューを厳しく思うか、また厳しさを理由に日本語化をやめようと思ったことはあるか)
ゲームは、世界中のあらゆる地域のあらゆる人々に受け入れられるものばかりではないですし、個人の好みなどによってレビュースコアは変わってくるものでしょう。出身がどこかにかかわらず、評価とはそういうものだと思っています。

私たちは、ポジティブであれネガディブであれ、どのような意見でも歓迎します。いずれであっても、将来の作品のリリースに向けての学びに繋がるのですから。したがって、レビュースコアが下がるかもしれないと考えて、日本でのリリースを避けたことはありません。

④(今後日本語対応をどうする予定か。また過去作の日本語対応はどうなのか)
Humble Gamesでは、すべてのタイトルを日本語対応させます。企業としての価値観のひとつに「私たちは誰も排除しない」ということを掲げており、可能な限り世界中のプレイヤーに、私たちの作品を手に取ってもらえるよう努力しているのです。日本は、ビデオゲームに関して素晴らしい伝統があり、それゆえに私たちが提携するデベロッパーにとって重要な市場であると認識しています。

Neon Doctrine・Vladislav Tsypljak氏

『添丁の伝説』


①(日本ユーザーの増加を実感してるか)
この5〜6か月を振り返ると、日本からの売り上げは確かにかなり増加しています。

②(日本人に人気のゲームと注目してほしいゲーム)
我々のタイトルは、日本でよく売れている作品が結構多いんですよ。最近のタイトルだと、『The Legend of Tianding(添丁の伝説)』や『My Lovely Wife』が好調です。

③(日本人のレビューを厳しく思うか、また厳しさを理由に日本語化をやめようと思ったことはあるか)
日本人ゲーマーのレビュースコアがより厳しいかどうかについては、何とも言えませんね。我々はすべてのタイトルについて、クオリティが高くバグのない状態でリリースするように努めています。ですので基本的には良い評価を頂いていますし、欧米のプレイヤーからの評価とも一致しています。

④(今後日本語対応をどうする予定か。また過去作の日本語対応はどうなのか)
我々のタイトルは、すでに大部分が日本語に対応済みです。Beep Companyと密接に協力して、最高のクオリティでローカライズするよう努めています。また彼らは、日本でのマーケティングや、AUTOMATONを含む現地メディアの開発者インタビューのセッティングについても助けになってくれています。

No More Robots・Mike Rose氏

『Spirittea』


①(日本ユーザーの増加を実感してるか)
売り上げデータを調べたところ、私たちの売り上げ全体における日本の割合は約1.5%で、直近の3か月に絞っても約1.5%でした。そのため、私たちのタイトルを全体で見ると変化はないといえますね。

ただし、日本語対応のタイトルを個別に見た場合、日本からの売り上げはむしろ減っています!たとえば『Descenders』の日本からの売り上げは全体の1.4%を占めていますが、直近3か月では0.9%です。また『Let’s Build a Zoo』は全体では3.3%ですが、直近3か月は2.6%に減少しています。とはいえ、TwitterをはじめとしたSNS上で、私たちのタイトルについて語る日本人プレイヤーが増えてきたことは実感しています。

②(日本人に人気のゲームと注目してほしいゲーム)
『Let’s Build a Zoo』については、私たちのほかのどのタイトルよりも日本からの売り上げが多い。同作は、日本語対応タイトルとしてはもっとも最近リリースした作品です。日本人プレイヤーは、旧作よりも新しいタイトルに興味があるということでしょうか。

私たちは、『Spirittea』を日本語対応でもうすぐ発売します。上に挙げたような傾向があることから、この作品は日本でよく売れるものと予想しています!

③(日本人のレビューを厳しく思うか、また厳しさを理由に日本語化をやめようと思ったことはあるか)
日本人プレイヤーのSteamレビューはより厳しいのかどうか、という点についてですが、ここでいくつかデータを示しましょう。『Let’s Build a Zoo』のレビュー好評率は、全体では89%のところ、日本人プレイヤーに限ると82%です。また『Descenders』では全体が95%で、日本人プレイヤーは81%となっています。

こうしたデータを見ると、日本人プレイヤーはより厳しいといえるかもしれませんね。ですが私は気にしていませんよ!日本人プレイヤーに私たちのタイトルをプレイしてもらうことにこそ価値があるのですから。

④(今後日本語対応をどうする予定か。また過去作の日本語対応はどうなのか)
私たちは、日本語対応をおこなうかどうかは、それが相応しいか否かをタイトルごとに判断してきました。今後もそれを継続するつもりです。たとえば『Spirittea』に関しては、作品の舞台設定からして日本語をサポートしてしかるべきでしょう。一方で『Slayers X: Terminal Aftermath: Vengance of the Slayer』は、日本語に対応させないと思います。同作はアメリカンジョークが満載であるなど、アメリカ文化に非常に密接した作品ですので、日本人には理解しづらく受け入れられないと考えています。

PID Games

『Hellslave』


①(日本ユーザーの増加を実感してるか)
日本は難しい市場で、メディアへの露出の重要性が高い。ただ、確かにPC向けインディーゲームにおいて、日本人プレイヤーがコミュニティを作ったり参加したりすることが増えているようです。これはSteamだけでなく、Twitter上でもみられます。

②(日本人に人気のゲームと注目してほしいゲーム)
個人的には意外だったのですが、『Hellslave』は日本でかなり人気です。今後発売予定の『Vernal Edge』や『Gravity Circuit』も、多くの注目を集めているところです。

③(日本人のレビューを厳しく思うか、また厳しさを理由に日本語化をやめようと思ったことはあるか)
特に懸念を抱いたことはありません。ほかの地域のプレイヤーと比べて、日本人プレイヤーは基本的にフェアだと思っています。この数十年のあいだ、日本のゲームは非常によく磨き上げられた状態でリリースされてきました。それは、パッチでの修正ができないコンソール向けゲームの市場が中心だったことが背景にあるのでしょう。そして近年では、日本人プレイヤーは高い品質とバグのないゲームを求めてきます。それは我々にとっても追求するところです。

④(今後日本語対応をどうする予定か。また過去作の日本語対応はどうなのか)
我々は、最近はおよそ80%の作品で日本語に対応させています。

Paradox Interactive・Francesca Passoni氏

『Cities: Skylines』


①(日本ユーザーの増加を実感してるか)
弊社には、小規模ではありますが、グランドストラテジーゲームや『Cities: Skylines(シティーズ:スカイライン)』などの管理シミュレーションゲームを楽しんでくれているファンベースが日本にあり、常に一定数存在している状況です。彼らは、コロナ禍以前を含め長年弊社をサポートしてくれていて、弊社タイトルをずっと楽しんでくれていたり、さまざまなジャンルを試したり、自らのゲーム体験を綴ったりしており、そうした様子を見ては幸せに感じています。

②(日本人に人気のゲームと注目してほしいゲーム)
都市構築シミュレーションゲームの『Cities: Skylines』は、日本で非常に人気がありますね。そのModコミュニティについても活気があり、拡大しているところです。また弊社は今年、セガと提携して入植サバイバルシミュレーションゲーム『Surviving the Aftermath(サバイビング・ジ・アフターマス-滅亡惑星-)』をリリースしました。日本のプレイヤーが、どのように本作を楽しんでくれるのか楽しみです!

③(日本人のレビューを厳しく思うか、また厳しさを理由に日本語化をやめようと思ったことはあるか)
日本人のレビューが、ほかと比べてより厳しいという様子はみられませんね。唯一、『Crusader Kings III(クルセイダーキングス III)』においては、日本語レビューの好評率が88.5%となっており、これは90%を下回っているわずか3か国のひとつにあたります。

弊社タイトルについては、数ポイントの差があったとしても、そうしたレビューには感謝しています。コミュニティからの率直なフィードバックは、我々にとって励みになりますし、細部にまで注意を払って見てレビューに記してくれる、日本のプレイヤーの献身的な行動には嬉しく思ってます。

④(今後日本語対応をどうする予定か。また過去作の日本語対応はどうなのか)
弊社のローカライズにおけるプロセスは、常に進化と改善を続けています。将来性のある新たな国や言語には常に目を光らせていますし、弊社タイトルのゲーム体験の向上についても常に検討しています。また、弊社タイトルが発売され愛されているあらゆる市場について、より理解を深めることにも務めています。ですので、弊社の言語サポートを拡大できる機会があれば、必ずやそれを活かすことでしょう。


今回得られた各社の回答では、日本人Steamユーザーの増加やレビューの傾向について確認しているメーカーもあれば、そうでもないメーカーもあった。やはり各社が展開するタイトルによって事情は異なるのだろう。一方、日本のPCゲーマーにも比較的馴染み深いメーカーばかりということもあってか、日本向けリリースについてポジティブであるという点は共通していた。それがビジネス上の建前であったとしても、日本ユーザーとしては嬉しい傾向なのではないだろうか。本稿では統計的な調査はおこなっていないため、上述したトピックの結論を導き出すことは意図していない。ただ、各社それぞれの受け止めや日本に対する取り組みなどが垣間見える、興味深い回答だったのではないだろうか。


※ The English version of this article is available here

Taijiro Yamanaka
Taijiro Yamanaka

国内外のゲームニュースを好物としています。購入するゲームとプレイできる時間のバランス感覚が悪く、積みゲーを崩しつつさらに積んでいく日々。

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