Steam無料の投げやりマルチ料理シム『One-armed cook』が好評。気づいたら店が燃えてる、片手縛りクッキング

 

デベロッパーのDuhndalは8月31日、マルチプレイ可能な料理シム『One-armed cook』をPC(Steam)向けに配信開始した。本編は無料でプレイ可能となっており、有料の追加コンテンツDLCも配信中。本作はその混沌のゲームプレイから、さっそく一定のユーザー評価を受けているようだ。

『One-armed cook』は、腕一本で料理を作る、一人称視点の料理シミュレーションゲームだ。本作でプレイヤーは、画面中央に突き出た腕を操り、さまざまな注文をクリアしていく。ただし、操作感としてはマジックハンドを操っている感覚に近い。左クリックを押し続ければアイテムを掴み、左クリックをやめるとアイテムを手放す仕組みだ。基本的にはこのマジックハンド風操作のみを駆使して、客にリクエストされた料理をどうにか作っていくことになる。しかし、それが一筋縄ではいかない。


たとえば「ハンバーガー」を注文された際には、まずバンズとパティをこんがり焼くためフライパンに移さなければならない。しかし、マジックハンド式では基本的に狙った場所に食材を“落とす”かたちになる。そのため、地面にパティが落ちてしまうなどの事故もしばしば。ただ、落ちた食材は現実と違いそのまま使えるため安心だ。


そして、本作の特徴はマルチプレイだ。本作には複数のマップやゲームモードが用意されており、フレンドはもちろん、知らない人とも対戦/協力プレイが可能。ノーマルモードでは、来店してくる客のオーダーに合わせて、みんなで料理を作っていくことになる。焼き担当・盛り付け担当・配膳担当などに分かれれば、高得点をゲットできることだろう。筆者はすべてひとりで切り盛りしようとした結果、キッチンがいつのまにか手のつけようがないほど炎上。嫌になってしまい、手にもった消火器にて客を殴りつけて逃亡した。


また、対戦(Cookoff)モードでも、やはり食材の焼きすぎによりキッチンが炎上。「一気に食材を焼き上げるチャンスでは」と画策するも、燃え広がった炎では適切な調理ができないようで、食材をどんどん黒焦げにしてしまい敗北した。しかし、もどかしさとハプニングの連続を楽しむ体験は、いわゆる“おバカ系”シミュレーションゲームの醍醐味。本作でも、そうしたゲームプレイはしっかりと実現されているといえる。


『One-armed cook』には記事執筆現在で398件のSteamユーザーレビューが寄せられており、そのうち81%が好評を投じる「非常に好評」ステータスだ。評価されている点としては、まず本作のカオスっぷりを面白く受け止めるユーザーの声が目立つ。一方で、「カオスすぎてゲームとして成り立っていない」といった旨を指摘する者も。不条理を受け入れるかどうかが、ユーザー評価の分かれ目となっていそうだ。また、友人とのプレイや配信にてハプニングを楽しむためにはうってつけのタイトルでもあるだろう。

『One-armed cook』はPC(Steam)向けに無料で配信中。有料DLC「One-armed cook: Space and beyond」も配信中で、税込690円となっている。こちらを導入すると、SFテーマの食材や調理器具が追加されるようだ。無料本編だけでも基本的なゲームプレイが楽しめるため、気に入った方は検討してみるとよいだろう。