XboxのボスPhil Spencer氏は週に15時間ゲームをプレイし、夜10時には寝る
マイクロソフトのゲーム部門CEOでXbox事業を率いるPhil Spencer氏は8月25日、経済誌Bloombergのインタビューに答えた。ゲーム業界におけるマイクロソフトについてのさまざまな話題が取り上げられるなか、Spencer氏のゲーマーとしての私生活も垣間見える興味深い内容となっている。
Phil Spencer氏は、1988年にインターンとしてマイクロソフトに入社し、ソフトウェア開発のマネジャー職などを歴任。2001年の初代Xboxのローンチ後には、傘下開発スタジオを統括するゼネラルマネジャーなどを務め、2014年にXbox事業のトップに就いた。同氏は熱心なゲーマーとして知られ、昨年には『Destiny 2』にハマりすぎていると話題になったこともある(関連記事)。
今回のインタビューにてSpencer氏は、子供の頃はアーケードゲームをプレイして育ったとし、『ロボトロン2084』がお気に入りだったと振り返る。また、父親に買ってもらったAtari 2600もよくプレイしていたそうで、今もまだ所有しているという。
普段どのくらいゲームをプレイしているのか問われた同氏は、週に15時間くらいだと思うと回答。1日あたり2時間程度になる計算だ。同氏は多忙な日々を過ごしていると思われるが、ゲームを楽しむ時間はしっかり確保している様子である。ただし夜更かしはしないようだ。毎日夜の10時には就寝することにしているのだという。一緒にオンラインプレイをしているフレンドからは、そのことについてからかわれることもあるそうだ。
Spencer氏が最近プレイしているゲームは、カルト教団運営&ローグライトアクションゲーム『Cult of the Lamb』とのこと。先日リリースされたばかりの新作で、ローンチから1週間で売り上げ100万本を達成するなど人気の作品だ。
このほか、Microsoft Teamsを使ったビデオ会議中に、こっそりゲームをプレイしていたことが何度かあると告白。直属の上司であるマイクロソフト会長兼CEOのSatya Nadella氏に、その様子がバレてしまったこともあるそうだ。先述した『Destiny 2』の話題の際にも、Spencer氏は会議中にXbox Cloud Gamingにて同作をプレイしていたと述べていた。こうしたエピソードからも、同氏が根っからのゲーマーであることがうかがえる。
ちなみに、好きな音楽のジャンルはパンクロックとのこと。もし叶うなら、ラモーンズの全盛期のパフォーマンスを観てみたいとも語っている。
インタビューではこのほか、マイクロソフトによるActivision Blizzardの買収方針についても触れている。業界大手メーカーを傘下に収める巨額買収となることから、現在は各国の規制当局による審査が進められており、先日サウジアラビアにて最初の承認が下りた。Spencer氏は、これまでに総額687億ドル(約9兆5300億円・現在のレート)もの巨額取引をおこなった経験がないため、はっきりとした自信があるわけではないが、当局とのやり取りにはポジティブな印象があるとし、進捗は順調だと感じているとコメントした。
Activision Blizzard買収の背景についての問いには、Spencer氏はまずスマートフォンについて言及した。世界最大のゲームプラットフォームはモバイルである一方で、マイクロソフトはモバイル分野に独自の基盤を保有していないとし、Activision Blizzardの能力に興味をもったという。この点と、PCゲーム分野に強みをもつBlizzard Entertainmentの存在のふたつが、買収に向けて動いた大きな理由だとした。
なおActivision Blizzardというと、ハラスメントなど有害な職場文化についての告発が、昨年相次いだことが記憶に新しい。同社CEOのBobby Kotick氏に対しては、この問題についての責任を問う声があったが、当面は留任となった(関連記事)。Kotick氏の進退について問われたSpencer氏は、買収が完了していないためコメントできる立場にないと回答。ただ、Activision Blizzardは企業文化の改善に取り組んでいるものと信じていると述べた。