『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』イーガ団による変装は“なりすましだった”との報告。アイデンティティ盗む悪行が明らかに

『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』にて、「イーガ団の変装はデタラメではなく、なりすましだった」との報告があがっている。海外ユーザーが変装イーガ団の人相をウツシエで押さえ、入念な調査の末に突き止めたようだ。

ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』にて、「イーガ団の変装はデタラメではなく、なりすましだった」との報告があがっている。海外ユーザーが変装イーガ団の人相をウツシエで押さえ、入念な調査の末に突き止めたようだ。

『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』では、主人公リンクの前にさまざまな魔物が立ちはだかる。チュチュ・オクタロックといった土地に生息するモンスターたちや、ボコブリン・モリブリンなど高い知性をもった敵たちも登場する。なかでも狡猾な敵といえば、イーガ団の面々だろう。イーガ団の構成員たちは、その名の通り忍者をモチーフとした戦術を駆使し、悪の組織的な立ち位置でリンクを付け狙ってくる。特に印象的なのは、変装を駆使してリンクを騙す行動だ。カカリコ村でのイベントをトリガーとして、普通の旅人に扮したイーガ団たちがハイラルのそこかしこに登場。プレイヤーの気を引く行動を見せ、うっかり話しかければ忍者めいた正体をあらわして襲いかかって来るのだ。

変装を解いたイーガ団構成員

イーガ団による旅人の変装には、バリエーションも多い。老若男女さまざまな姿を取って、プレイヤーの接触を誘ってくる。「この人は今まで出会ったイーガ団と違う雰囲気だから大丈夫だろう」と旅人に話しかけ、「お命ちょうだい」の一言で失望したプレイヤーも多いのではないだろうか。そうしたバリエーション豊かな変装を生み出すイーガ団もなかなかのもの……と思いきや、実は彼らは「実在モデル」を元に、姿をコピーしていたようなのだ。海外ユーザーのWolf Link氏が、海外掲示板Redditおよび自身のYouTubeチャンネルで報告している。同氏は、YouTubeなどで『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』関連のコンテンツを届けている人物だ。

Image Credit: Wolf Link on Reddit

Wolf Link氏が伝えたのは、「イーガ団の変装は、実際にハイラルに存在するNPCたちを真似たものである」という意外な調査結果だった。まず、変装をしているイーガ団は、焚き火での休憩やセーブデータのロードを挟むことにより、違う変装に切り替わるという仕様がある。Wolf Link氏はこの仕組を利用して、イーガ団の変装した人相をウツシエによって撮影。同じ人相をもつ通常のNPCたちを探し当てるという地道な調査を実行したそうだ。結果として、同氏は撮影した14枚の変身のうち、すべての「なりすまし元」NPCを見つけることに成功したという。

変装されてしまったNPCの例としては、カカリコ村と湿地の馬宿の間を往復している旅人「リキュウ」がいる。落ち着いた雰囲気をもち、近辺の村や地域に情勢について心配を語る優しげな男性だ。Wolf Link氏の示した映像では、変装の1種類がこのリキュウ氏の見た目にぴたりと一致。ただ、実物のリキュウは剣と盾を装備しており、イーガ団によるなりすましの方は武装をしていない差がある。このリキュウの“偽物と本物”については、筆者も実際にゲーム内で存在を確認した。のほほんと歩くリキュウを見て、「さっきあなたの偽物に襲われましたよ」と伝えてあげたくなった。

リキュウに扮したイーガ団
本物のリキュウ

Wolf Link氏は調査した全NPCについて、偽物と本物の比較画像を投稿している。それらを眺めてみると、イーガ団の変装は顔や性別だけでなく、その服装までNPCをしっかり“完コピ”していることがわかる。一方で、本物のNPCが武器などを装備していても、イーガ団による偽物はなにも武装していない傾向があるようだ。プレイヤーを油断させる工夫だろうか。

また、ハイラル各地のイーガ団は、出現場所により変装の“好み”もあるようで、男性あるいは女性NPCに偏って変装する団員もいるようだ。そして重要NPCなどは変装の対象とならず、ちょっとした会話を交わす程度の旅人や行商人などが“なりすまし被害”に遭っている様子である。そして、子供や老人に化けることもなさそうとのことだ。

ちなみに、変装したイーガ団の行動パターンとしては、ほかに「不自然にアピールしてくる」「立ち止まっている」「道から逸れた場所にいる」といった特徴がある。また、一度NPC話しかけると表示されるようになる、NPC頭上の「名前」が表示されないのも特徴だろう。こうした特徴さえ押さえておけば、眼の前の旅人がイーガ団の刺客かどうか、かなり見分けやすくなるはずだ。

イーガ団の変装は、誰かの見た目を盗んだものだった。いわれてみれば筆者も「どこかで見たことあるな……」と思って旅人に話しかけたところ、変装イーガ団と発覚し「お命ちょうだい」されたことがあった。あれは気のせいではなかったのだろう。

また、技術的な面を考えれば、変装イーガ団のモデルをそれぞれ別個に作るより、旅人NPCを姿をそのまま使った方が、開発上の効率化に繋がるとの見方もできそうだ。そして、「しばしばすれ違う旅人や行商人に化けてリンクを油断させている」と考えれば、なりすましは設定上も理にかなっている。Wolf Link氏が挙げた以外にも、多くの無辜の人々がイーガ団によって見た目を盗まれていることだろう。見知った人が道端で怪しげに呼びかけてきたら無視するか、ルピーとバナナを期待しつつ成敗してみるとよいだろう。



※ The English version of this article is available here

Sayoko Narita
Sayoko Narita

貪欲な雑食ゲーマーです。物語性の強いゲームを与えると喜びますが、シューターとハクスラも反復横とびしています。

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