『ストリートファイターV』PC版&海外ローンチでサーバー接続などの問題発生。ショップは3月配信、未対応アケコンはツール使用推奨

カプコンは2月17日、対戦格闘ゲームシリーズ最新作『ストリートファイターV』を海外とPC向けにローンチした。2008年に登場した『ストIV』から約8年振りとなるナンバリング最新作だが、発売後からオンラインサーバーの不具合や一部アーケードスティックの未対応に対して批判が噴出している状況である。

カプコンは2月17日、対戦格闘ゲームシリーズ最新作『ストリートファイターV』(以下、ストV)を海外とPC向けにローンチした。2008年に登場した『ストIV』から約8年ぶりとなるナンバリング最新作だが、発売後からオンラインサーバーの不具合や一部アーケードスティックの未対応に関して批判が噴出している状況である。海外カプコンは公式ブログにて、これらの問題をすでに把握しており、改善に乗りだすことを約束している。

ss_1c9dbb6fa56b2adec0834cbd63aa68aecc87c3ab.1920x1080国内では本日発売のコンソール版に先行し、2月17日の早朝よりPC版(Steam版)が販売された。現時点で2200件以上のレビューがSteamへと寄せられているが、そのうち約60パーセントがサムズダウン(オススメできない)という評価を下している。国内外のプレイヤーからは「オンラインマッチが不安定」「一部アーケードスティックが対応していない」といった指摘がおもに寄せられており、これに対し海外カプコンが公式ブログにて今回応答した流れだ。

まずPC/PS4双方で発生していたオンライン接続やマッチメイキングの問題については、現時点ではローンチ時点よりも改善されたと伝えられている。公式Twitterアカウントの「@SFVServer」ではサーバー状況が逐一報告されており、ランキングサーバーも復帰するなど徐々に回復しているようだ(国内では「ストリートファイターコミュニティ」公式アカウントを参照)。また、少数のプレイヤーからは「Fighter ID」が登録後に壊れるといった現象も報告されており、こちらの問題もカプコンは改善に取り組んでいる。

未対応アケコンは「X360CE」の使用推奨

Steamユーザーから酷評を招いた大きな要因のひとつが、PC版『ストV』では一部のアーケードスティックが使用できないという問題だ。これはAPIが「DirectInput」のコントローラーが『ストV』では対応していないためである。個々のアケコンによって仕様は異なるため確認が必要だが(※)、現状PS3/PS4向けのアケコンは使用できず、Xbox 360/Xbox One向けのアケコン(XInputベース)は対応していると基本的に考えてよいだろう。

※たとえばDirectInput/ XInputを切り替えるゲームパッドなども存在している。

この問題に関してカプコンは、DirectInput形式のアケコンも使用できるようになるパッチを将来的に配信することを模索していると伝えている。それまではDirectInputのアケコンをXInputベースとしてエミュレートする「X360CE」の使用が推奨されている。

このほか、キーバインドや言語設定オプション、より容易な解像度の変更オプションなどが今後導入されるという。またゲーム起動時の問題やクラッシュの発生に関しては、アンチウィルスソフトの誤検出が原因になっている可能性があり、「StreetFighter.exe」やインストールフォルダを検出対象から除外するよう推奨されている。

ショップは3月に追加、アプデは基本無料

なおこれらのサーバー問題や一部のアーケードコントローラーの未対応に加え、チャレンジやショップが現時点では実装されていない、ストーリーモードが短いなど、コンテンツが不足しているとの指摘も相次いでいる。ただ『ストV』は、もともと基本無料のアップデートとDLCによって拡張されていくことが発表されており、代わりに従来の「スーパー」や「ウルトラ」のような拡張版は販売されないことが明らかにされてきた。実際にショップも2016年3月のアップデートにて実装予定であることが今年1月に発表済みであり、コンテンツの充実度について評価を下すにはもうしばらく待つ必要があるだろう。

ただ、ローンチ時にどういったコンテンツがあるのか、そして今後どういったアップデートが行われていくのかを、カプコンが周知していなかった感は否めない。今回のようにゲームの根幹部分のみをローンチするのならば、早期アクセスゲームなどではそれを明白にしておくことがお約束だが、そういった部分に気が回らなかったことがローンチ騒動に拍車をかけたといったところだろうか(一応、小野義徳氏は2月15日のメッセージ映像にて「デイワンバージョンは格闘ツールの初期段階」とは伝えている)。『ストV』の価格は7990円、シーズンパス込みでは1万990円のフルプライスであり、プレイヤーたちは余計にローンチ段階でのコンテンツ量に不満を募らせている。

少なくともPC版においてローンチには失敗した感のある『ストリートファイターV』だが、同作には新規プレイヤーも参入しやすくなるよう設計されたデザインや、インゲーム通貨にクロスプラットフォーム対戦など、従来のシリーズには無かった方向性や動きがある。今後は問題がそれぞれ改善された上で、どのような対戦格闘ゲームへと成長するのか期待したい。

Shuji Ishimoto
Shuji Ishimoto

初代PlayStationやドリームキャスト時代の野心的な作品、2000年代後半の国内フリーゲーム文化に精神を支配されている巨漢ゲーマー。最近はインディーゲームのカタログを眺めたり遊んだりしながら1人ニヤニヤ。ホラージャンルやグロテスクかつ奇妙な表現の作品も好きだが、ノミの心臓なので現実世界の心霊現象には弱い。とにかく心がトキメイたものを追っていくスタイル。

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