『Apex Legends』「スパレジェ」実装約1か月後のヴァルキリー大幅弱体化が議論を呼ぶ。レアスキン実装後の弱体化はアリかナシか

Respawn Entertainmentは8月9日、『Apex Legends』シーズン14「ハンテッド」のパッチノートを公開した。同パッチノートで明かされた変更点は、スーパーレジェンドを巡るユーザーの不満を呼んでいるようだ。

Respawn Entertainmentは8月9日、『Apex Legends』シーズン14「ハンテッド」のパッチノートを公開した。同パッチノートで明かされた変更点は、スーパーレジェンドを巡るユーザーの不満を呼んでいるようだ。


スーパーレジェンドとは

『Apex Legends』におけるスーパーレジェンドとは各レジェンドに用意された専用の近接武器である。ダメージなど、ゲームプレイに影響することはなく、あくまで装飾アイテムの一種だ。武器をしまった状態および近接攻撃時に見ることができるほか、特有の演出などが用意されているものも。既存のスーパーレジェンドは、ごく低確率でApexパックから排出されるスーパーレジェンドシャードを用いて入手できる。一方、新規のスーパーレジェンドはコレクションイベントにて追加され、イベント仕様のアイテムをすべて揃えることで獲得可能。イベント終了後は、既存のスーパーレジェンドと同様の入手方法になる。

なお、スーパーレジェンドシャードはApexパック500個につき必ず一回入手可能(公式サイト)。そして、新シーズンではアカウントレベル上限引き上げにより、合計544 Apexパックを無料で獲得できる。長くプレイし続ければ1度は必ずスーパーレジェンドシャードを獲得できるようになるわけだ。

最後にスーパーレジェンドが追加されたのは、6月22日より開催された覚醒コレクションイベントでのこと。同イベントにて登場したのは、ヴァルキリーのスーパーレジェンドであった。


突如話題入りする「スパレジェ」

そして本日、「スパレジェ(スーパーレジェンド)」が国内Twitterのゲームカテゴリにおいてトレンド入りしている。新たなスーパーレジェンドが登場したときであれば、珍しくないことだ。しかしながら先述のとおり、6月下旬の覚醒コレクションイベント以来、新たなスーパーレジェンドは登場していない(バンガロールのプレステージスキンを別として)。なぜ今になって「スパレジェ」がトレンド入りしているのだろうか。


今回のトレンド入りは、ヴァルキリーの弱体化に起因しているものと思われる。ヴァルキリーは、本日公開されたパッチノートにて、アビリティ性能の下方修正が発表された。パッシブやアルティメットでの機動力が低下。戦術アビリティで発射されるミサイルの効果や範囲も減少するという。ようするにかなり大きめの弱体化調整が入ったわけだ。今回の調整への反応はさまざま。予想していたとの声も散見されるなか、苛立ちを見せるユーザーもいるようだ。具体的には、スーパーレジェンドを入手したユーザーである。せっかくスーパーレジェンドを手に入れたにもかかわらず、ヴァルキリーが弱体化したとして不満を見せているのだ。


ヴァルキリー弱体化への不満

具体的な反応としては、スーパーレジェンドリリース直後にお金を費やした、もしくはヴァルキリーを練習したユーザーからの悲しみの声が主だ。「スーパーレジェンド」「スパレジェ」でTwitterで検索をかけてみると、そうした声が確認できる(記事執筆時点)。『Apex Legends』のスーパーレジェンドは、実装直後に入手するためには高額課金が必要となる。ゲームプレイに影響のない装飾アイテムながら、せっかく入手したのに約1か月後にヴァルキリーが大幅な弱体化を受けることに納得のいかないユーザーがいるのである。キャラクターへの愛着があれば問題ないという声もある一方で、やはり残念がるユーザーは散見される。

ちなみに同様の事例として、過去にはレヴナントなどにおいてもスーパーレジェンド登場後の弱体化は実施されていた。レヴナントについては、スーパーレジェンド登場とあわせてデスプロテクションの効果時間が5秒短縮するなどの調整が実施。その後シーズン11以降に、さらなる弱体化が重ねられていった。つまり、スーパーレジェンド登場時にすでに弱体化は始まっていたうえ、時間をかけて徐々に下方修正が加えられていったかたちであった。一方、ヴァルキリーの弱体化は新シーズンで一気におこなわれる。一度に大きな弱体化が実施されることが、批判を加速させているのだろう。


開発者側の事情

一方で、開発者としてもヴァルキリーは放置できなかった存在であった。というのも、ヴァルキリーは競技シーンおよびランクマッチにおけるピック(採用)率が非常に高いレジェンドなのだ。ALGS Championshipにおいてはピック率98%となっていた。そうした必須級キャラが存在するような競技シーン環境については、ユーザーやALGSで司会者を務めるJon Kefaloukos氏などが言及。ゲームに悪影響をもたらすとの見解も示されていた

なお、競技シーンにおいて以前よりヴァルキリーが必須ピック化しつつあった。今年初頭の北米リーグにおいては、すでに90%近いピック率を誇っていた。競技シーンを含めてヴァルキリー弱体化の機運は高まっていたわけだ。このころからヴァルキリー弱体化の運命は決まっていたのかもしれない。

ヴァルキリーの弱体化が一気におこなわれたことにも理由はありそうだ。開発者いわく、調整のタイミングについてはALGS Championships競技シーンにおける急激な環境変化を避ける意図があったという。そのためヴァルキリーの弱体化は、同大会の終了を待つ必要があったようだ。結果として、スーパーレジェンドが登場してから約1か月後というタイミングで、ヴァルキリーのさまざまなアビリティが弱体化されることになってしまったわけだ。

運営型ゲームにおいてキャラの調整は不可欠な要素であり、ゲームの品質を保つという意味では本来ユーザーから歓迎されるべきことである。他方、今回のようにキャラが下方修正を受けてユーザーの不満が噴出する例もしばしば見られる。課金アイテムが存在する場合は特に、コミュニケーション不足がユーザーの不満を招く可能性は高いといえるだろう。それは、今回のヴァルキリーのように弱体化の機運が高まっていた場合でも同様だ。アイテム自体が強さに影響を及ぼさないとしても、やはりキャラの強さと課金アイテムの需要は深くつながっている側面もある。レヴナントと同じく、徐々に弱体化を重ねていく調整をすれば、こうした悲しみの声を見る機会が減ったのだろうか。しかしそれもまた“たられば”でしかない。


そもそもとして、ヴァルキリーがどれくらい弱体化されるのかは、やはり実際に触ってみなければわからない。今回のスーパーレジェンドの件について意見を固めるのは、まずは新シーズンのヴァルキリーの性能を確かめてからでもいいだろう。『Apex Legends』シーズン14「ハンテッド」は、明日8月10日に開幕予定だ。

Hideaki Fujiwara
Hideaki Fujiwara

なんでも遊ぶ雑食ゲーマー。『Titanfall 2』が好きだったこともあり、『Apex Legends』はリリース当初から遊び続けています。

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