『原神』チート開発者・販売業者に対して、初の“懲役”判決が下ったとの報道。強まる不正者への取り締まり
『原神』のチートツール開発・販売業者が中国国内にて逮捕され、懲役刑を言い渡されたようだ。現地メディアGameRes游资网が伝えている。
『原神』は中国を拠点とするmiHoYo(HoYoverse)が開発・運営するオープンワールドARPG。オンライン要素としては、4人まで同じフィールドで遊ぶことができる。1人のプレイヤーがホストとなり、残り3人はホストに加入申請することで、ホストのフィールドに参加できる。秘境探索と呼ばれるダンジョンの攻略も協力プレイが可能だ。一方で、本作にはPvP要素は含まれない。
GameRes游资网によると、懲役刑となったのは昨年2021年6月、『原神』の不正なプラグインを開発・販売した疑いで上海徐匯警察に逮捕された3人の容疑者だ。最近、上海徐匯区人民法院は3人の被告に対し、それぞれ1年6か月から4年の懲役刑とする判決を下したという。あわせて、それぞれ1万元から5万元(およそ20万円から100万円)の罰金も科せられたとのこと。罪状としては、コンピュータシステムに侵入して制御するプログラムを提供した点が、刑事責任に問われているようだ。
被告人のひとりは2020年10月から2021年5月にかけて、「KQ」と呼ばれる不正なプログラムを開発。それを用いるための複数種のプログラムを4万個以上販売し、約200万元(およそ4000万円)の収入を得たとされている。なお、『原神』のチートツール開発・販売業者に懲役刑が言い渡されるのは初のケースだという。
海外掲示板Redditでは、本件に関してユーザーたちがさまざまな反応を寄せている。中には、『原神』に PvP やリーダーボード(ランキング)といった要素がない点を踏まえて、刑の重さに驚く声もあった。これに対して別のユーザーは、不正プログラムが会社の収益を損ねた点などに原因があるとの見解を示している。
他方、上記スレッドにおいてはアカウント乗っ取りに対する厳罰化を求める意見も散見された。『原神』ではアカウント乗っ取りの被害報告がしばしば見られる。公式サイトでは、アカウント乗っ取りに対するセキュリティ対策・カスタマーサポートのメールアドレスなどが掲載。HoYoverseから公式に提供していない情報やプログラム(チートプログラムなど)を利用しないよう、注意を促している。
『原神』においてはチートツールだけでなく、リークに対しての取り締まりも強化されつつある(関連記事)。今後も不正者に対しては容赦なく鉄槌が下されていくことだろう。