Nintendo Switch向けセクシーリズムゲーム『マッサージフリークス』発売無期延期。「関係各所と協議した結果」、予約もキャンセル
デベロッパーのqureateは7月22日、Nintendo Switch向けリズムゲーム『マッサージフリークス』の発売を延期すると発表した。もともとは8月4日配信予定だった。延期後の発売日は未定。本作は、すでにニンテンドーeショップにて予約受付がおこなわれていたが、今回の決定に伴い予約はすべてキャンセルとなる。
『マッサージフリークス』は、マッサージをモチーフにしたリズムゲーム。亡くなった祖父から受け継いだマッサージ店を営む主人公の指原圧志(ゆびはらあつし)は、さまざまな悩みを抱え訪れる女の子たちを施術し、祖父の借金を返済することを目指す。
圧志は、施術される人物が潜在的に求めている音楽を音波として手袋から伝えて、体の中と外の両方から癒すという秘術を駆使。その秘術を表現するかたちで、楽曲に合わせて表示されるボタンを押し、リズムを刻むゲームプレイになるという。
本作ではそうしたリズムゲームプレイに加えて、刺激的な表現が取り入れられている。楽曲が進むにつれ女の子が着ている服がはだけていき、また一定スコア以上を獲得すると「なんだか とっても りらっくす もぉど(NTR)」に突入。NTR時は女の子は心が丸裸になり、その精神的な表現として裸に見えるという。また、好感度を上げると女の子と恋愛に発展したり、“健全男子が総立ち”になってしまうハプニングが発生したりといったイベントもあるとされている。
今回の発売延期について、開発元qureateは“関係各所と協議した結果”と述べるにとどめており、具体的な理由は不明。ただ、本作が7月14日に発表されてから、先述したような刺激的な要素やビジュアルが、一部で批判されていた。女性蔑視的・性的搾取的な作品であるといった指摘や、マッサージ店での性犯罪を想起させるなどといった意見である。またSNS上では、そうした批判の声に対する、批判や反論も展開される状況となっていた。ちなみに、本作はCERO:D(17才以上対象)にレーティングされている。
本作への批判の声の一部は、任天堂宛てにも投じられていたようで、qureateは意見や感想は同社に直接届くように送ってほしいと呼びかけ。同時に、「多くのお客様に楽しんで遊んでいただけるようなゲームにすべく、可能な限り表現や名称などの調整を検討してまいります」ともコメントしていた(関連記事)。
本作のゲーム内表現を調整するために、発売延期することになったのか、あるいは別の理由があるのかは不明である。続報を待ちたい。なお、本作について指摘されていた、女性キャラクターの名前がすべてアイドルの日向坂46のメンバーと同じという点については、qureateは変更すると発表している。公式サイトを確認すると、すでに別の名前が付けられたようだ。
今回の発表のなかでは、qureateの業務妨害に繋がる虚偽の風説の流布、悪質とみなされるSNSの投稿や拡散についても言及。こうした行為に対しては、法的措置を進めているとのことである。
『マッサージフリークス』は、Nintendo Switch向けに開発中。今回の発売延期により、配信日は未定となっている。また、ニンテンドーeショップでの予約もキャンセルとなった。予約者には、任天堂から案内メールが送付されている。
【UPDATE 2022/7/22 23:10】
qureateは7月22日、『マッサージフリークス』に関して改めて声明を発表した。そのなかで同社は、“キャラクター名の軽率な引用”について謝罪。すでに名称の修正は完了しているとのこと。
また、同社としては審査の通った状態でのリリースを予定どおり進めていたが、既報のとおり本作は発売無期延期となり、遺憾に思っているとコメント。ソフトメーカーの無力さを感じたとも述べており、これを教訓に精進し、今後もファンに楽しんでもらえるさまざまな作品を企画していくとしている。
なお今回の発売無期延期の決定後、本作の公式サイトはメンテナンス中となり、ゲーム概要やスクリーンショットなどすべてのコンテンツが閲覧できない状態となっている。また、ニンテンドーeショップの本作のストアページも削除された。
※ The English version of this article is available here