言葉をもとに画像生成する話題のAIシステム「DALL・E2」ベータ版公開へ。ゲームのコンセプトアートなどに商用利用も可能

OpenAIは7月21日、画像生成AIシステムDALL・E2のベータ版を発表した。あわせて、本日よりDALL・E2ユーザーは生成した画像を商用利用可能となることが伝えられている。

OpenAIは7月21日、画像生成AIシステムDALL・E2のベータ版を発表した。あわせて、本日よりDALL・E2ユーザーは生成した画像を商用利用可能となることが伝えられている。


DALL・E2は、写実的な画像からアートワークまで、さまざまな画像を生成するAIシステムだ。ユーザーが入力した複数のキーワードから、それらに紐づいたインターネット上の多種多様な画像を参照。それらを組み合わせて、キーワードのイメージに沿った画像が生成される。そのため、ゲームのタイトルなど、インターネット上の画像点数が多いキーワードを用いれば、高い精度でイメージどおりの画像を生成できるようだ。


また、DALL・E2には画像生成機能のほか、Variationsおよび Edit機能が搭載されている。Variationsでは、すでに生成された画像およびキーワード群をもとに、さまざまな新たな画像を生成可能。より言葉のイメージに合うものを生成できる。Editでは、すでに生成された画像のキーワードを変えて画風などを変化させることが可能だ。

そして本日、開発元であるOpenAIは、DALL・E2のベータ版を発表。今後数週間のうちに順番待ちリストの登録者から、新たに100万人を招待すると告知した。すべてのDALL・E2ユーザーには最初の月に50の無料クレジットが付与。1クレジットにつき、4つのオリジナル画像を生成できるほか、Variationsまたは Edit機能で3つの画像を生成可能だ。また、ユーザーは追加のクレジット購入も可能。115クレジット単位で販売され、15ドルにて販売される。

あわせて、本日よりDALL・E2ユーザーは生成された画像の転載、商品化および販売が可能になることが発表された。本のイラストやゲームのコンセプトアート、映画のストーリーボードなど、多岐にわたる商業プロジェクトにDALL・E2の生成画像が利用可能となるわけだ。

Image Credit: OpenAI


なお、DALL・E2では生成される画像の安全性を確保するため、これまでさまざまな安全システムの改善が実施されてきたという。現在DALL・E2には、特定の人物の顔の生成を防ぐ機能が実装されているとのこと。著名人だけでなく、一般人の顔が生成される心配もないそうだ。そのほか、政治的、暴力的、成人向けといった極端な表現も、コンテンツフィルターにより生成が防がれるという。また生成画像には、人種や性別の多様性も反映されているとのこと。DALL・E2の生成画像は、安心して商業プロジェクトに用いることができそうだ。

なお、DALL・E2は前身となるDALL・Eのころからすでに招待制での利用が始まっている。海外掲示板RedditなどSNS上では招待されたユーザーたちの手で、数々の“名画”が生み出されてきた。


ベータ版提供に伴う招待者数の増加で、DALL・E2の利用者は大きく拡大することになりそうだ。それを機に、商用利用も可能となったことは興味深い。言葉のイメージに近い画像を提示してくれるDALL・E2。今後その生成画像は、ゲームを含むさまざまな業界で活用されていくかもしれない。

Hideaki Fujiwara
Hideaki Fujiwara

なんでも遊ぶ雑食ゲーマー。『Titanfall 2』が好きだったこともあり、『Apex Legends』はリリース当初から遊び続けています。

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