『The Last of Us Part I』では、テスはほぼ別人。それぞれのキャラの見た目も超リアル路線で再構築

Naughty DogのTwitter公式アカウントにて、『The Last of Us Part I』の登場人物であるテスのグラフィックが初公開された。原作の印象から大きく変わったテスのグラフィックについて、ファンの反応はさまざま。しかし、「リアルさの向上」については、意見が一致しているようである。

デベロッパーのNaughty DogのTwitter公式アカウントにて、『The Last of Us Part I』の登場人物であるテスのグラフィックが初公開された。原作『The Last of Us』での同シーンと比較するかたちで、よりリアルになった姿が動画にて紹介されている。原作の印象から大きく変わったテスのグラフィックについて、ファンの反応はさまざま。しかし、「リアルさの向上」については、意見が一致しているようである。

『The Last of Us Part I』は、アクションアドベンチャーゲームだ。2013年に発売された『The Last of Us』のフルリメイク版で、原作を忠実に再現しながらもグラフィックを一新。サウンドや操作性、アクセシビリティ、戦闘AIなども見直し、最新技術によってより没入感を高めるリメイクを目指しているという。対応プラットフォームはPlayStation 5/PCで、PlayStation 5版の発売日は2022年9月2日だ。

リメイク版で注目を集めているのは、1から作り直したというグラフィックだろう。光と影の表現、細部の作り込みが向上しているだけでなく、キャラクターの顔のつくりそのものも変わっている。リアルさを追求し、キャプチャー元の役者の表情の変化を丁寧になぞることで、実在しそうなリアルさを得た。

原作とリメイク、どのように違うのか

リメイク版テスの紹介動画では、テスが息を吸い、すこし間をあけてため息をつき、その場を去るまでのシーンが使われている。動画を見て、まず大きな違いを感じられる点としては、やはり顔のつくりの違いだ。テスを演じたAnnie Wersching氏の顔つきに近づいている。さらに、違いをよく比べると、リメイク版では表情の変化が驚くほど繊細に表現されていることがわかる。

Twitter上の『The Last of Us』ファンの間では、リアルになったテスのグラフィックに盛り上がっている。肯定的な意見としては、「実在する人間のようだ」「没入感が高まる」といった、リアルさの向上を歓迎する声が見受けられる。一方、否定的意見としては、「顔の印象が違う」「年齢が違うように見える」といった、原作プレイ時の印象と異なる点を指摘するようなコメントが見受けられた。どちらにしても、「原作よりも、実在しそうなリアルなグラフィックになった」という点では、意見が一致している。リメイク版グラフィックにおいてNaughty Dogが目指す「リアルさの追求」は、おおむね誰が見ても感じられるほど明らかとなっている。

生みの親が語る、「顔」のリアルさ

『The Last of Us Part I』の発表の場ともなった「Summer Game Fest 2022」では、『The Last of Us』シリーズの生みの親Neil Druckmann氏が、リメイクの狙いについてコメントした。Druckmann氏は、「技術的に妨げられることない状態で、第一作目の決定版をお届けしたかった」と述べた。原作当時には不可能だったことを、最新技術によって表現しているという。

また、「もともとのバージョンにより近くする方法を探していました。PS5とPCでは、それが可能になるのです」とも語っている。つまり、技術的な制限によって、原作では表現しきれなかった開発陣のイメージが、リメイク版の『The Last of Us Part I』に込められているとも言えるだろう。実際、Druckmann氏はTwitter上でリメイク版テスの動画に反応し、演技の素晴らしさをより“見せびらかせる”ようになったことを喜んでいるようだった。 

リメイクにあたり、キャラクターのグラフィック制作のベースとなる実際の役者の映像は、原作当時と同じものを使用しているという。開発においては、原作と同じアートディレクター監修のもと、1から再構築。ドラックマン氏は「キャラクターの顔のグラフィックの素晴らしい点」として、「元の役者たちの演技により近づいたこと」を挙げている。

リメイク版の開発は、『アンチャーテッド 海賊王と最後の秘宝』や『The Last of Us Part II』などで得た経験を活かして進められている、との発言もあった。本作は『The Last of Us Part II』にグラフィックの印象が近いように見受けられる。とくに、メインキャラクターのジョエルとエリ一の顔や、同じ建物内を描いたシーンなどで、『The Last of Us Part I』と『The Last of Us Part II』で同じ世界を描いている統一感が感じられるのではないだろうか。

画像上段:Naughty Dog公式サイトより、『The Last of Us Part I』のジョエル、エリー。下段:『The Last of Us Part II』よりジョエル、エリーのスクリーンショット
https://twitter.com/clmazin/status/1535533264852570113?s=20&t=tZEUKq1IBI8h06dlRUl44g

『The Last of Us』は、実写ドラマ版も製作中だ。ドラマ版の共同制作者・脚本家のCraig Mazin氏が、6月11日に撮影終了を報告していた。ドラマ版の放送時期は未定だが、ゲームをプレイしない人びとにも『The Last of Us』が広まるきっかけとなるかもしれない。またそれを狙ってリメイク版が作られているのかもしれない。

既存のファンはもちろん、これから増える新規プレイヤーにも向けた「決定版」の『The Last of Us Part I』は、PlayStation 5向けに2022年9月2日発売。PC版は開発中で、発売時期は未定だ。

Maho Ikemi
Maho Ikemi

ニュースを担当します。物心ついた時にはゲームに囲まれていました。この先もゲームとともに楽しく過ごしたいと思っています。

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