『ポケモン スカーレット・バイオレット』新ポケモンのグルトンがプロレス観客席に映り込む。愛しのぶたポケモン、連れ回される

先日の『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』最新トレイラーで、新ポケモンたちがお披露目された。そのうちの1匹であるグルトンが、ファンの手によって海外プロレス興行に登場。その姿がカメラに収められたようだ。海外メディアKotakuが伝えている。

グルトン（英語名：Lechonk）は、『ポケモン』シリーズ最新作『ポケモン スカーレット・バイオレット』にて新登場するポケモンだ。分類は「ぶたポケモン」で、タイプはノーマル。すぐれた鼻をもつ美食家ポケモンで、香り高い野草や芳醇なきのみだけを好んで食べる。「グルメ」や「グラットン/Glutton（大食家）」を彷彿とさせる「グルトン」とのポケモン名も、この辺りが由来だろう。ほかにも、英語名のLechonkには、「Chonk（ふとっちょ）」「Oink（豚の鳴き声の擬音）」などの影響がある様子。丸くて食いしん坊なこぶたさん、といった風情の可愛らしいキャラクターづけだ。

一方で、グルトンには“食用豚”っぽい雰囲気を匂わせる要素も盛り込まれている。英語名Lechonkには、「Lechón」なる言葉が隠れているのだ。これは丸焼き用の仔豚や、仔豚の丸焼きそのものを示す言葉。グルトンの泣いているかのような目元の涙袋は、食べられてしまう悲哀をあらわすようにも見える。そうした影のある可愛さやムチムチボディが受けたのか、6月1日の初お披露目から早速グルトンに注目が集中。海外SNSなどを中心にかなりの人気を集めているのだ。

そんなグルトンが、さっそく現実のイベントの現場に姿を現した。アメリカのプロレスリング団体All Elite Wrestling（AEW）による興行「AEW Dynamite」の観客席である。とはいっても、コラボの類ではない。グルトンを愛するファンが、グルトンを描いたプラカードを観客席に持ち込んだのだ。しかも、このイベントの開催は日本時間の6月2日。すなわちこのファンは、グルトンがお披露目されると間髪入れずにプラカードを作成。プロレス興行へと連れて行ったわけである。「一緒にお出かけしてプロレスを観戦したい」と思うほどグルトンが気に入ったのだろう。あるいは「俺はグルトンが好きだ」と全米のプロレスファンにアピールしたかったのかもしれない。ただ、なぜよりにもよってプロレスなのかは、本人に訊かないとわからない。

グルトンがカメラに映り込んだタイミングもすごかった。人気レスラーであるMJF（Maxwell Jacob Friedman） 選手が、AEWの創設者でありCEOなどを務めるTony Khan氏を痛烈に批判するシーンの直前だったのだ。MJF選手はブチギレで吠えまくり、すでに同選手はAEWの公式サイトから消失。また、関連グッズなどについても販売停止となっているようだ（NoDQ.com）。グルトンは、きっとこの緊張感走るシーンを間近で目撃したことだろう。かわいいブタポケモンに見せるものかは疑問だ。

グルトンの人気は瞬く間に高まっている。海外掲示板Redditでは、グルトン愛をぶちまけるスレッドがいくつも立てられている。例として、「すべてはグルトンのためだった」と題したスレッドには、グルトンとの恋に落ちた瞬間を語るコメントが多数。「トレイラーにて草むらから出てきた瞬間に心奪われた」とする体験談が寄せられている。今回プロレス興行にグルトンプラカードを持ち込んだ者も、恋しさ余ってのことだろう。『ポケモン スカーレット・バイオレット』では、グルトンをどんなロケーションに連れていけるのだろうか。