Twitchにてフォロワー400万人超えの人気ストリーマーがYouTubeに移籍。決定打はTwitch痛恨の“やらかし”か

TwitchのトップストリーマーであるSykkuno氏は5月3日、YouTubeへの移籍を発表した。Twitchトップストリーマー移籍の決め手は、Twitch側の失礼なミスであったという。

TwitchのトップストリーマーであるSykkuno氏は5月3日、YouTubeへの移籍を発表した。移籍の決め手は、Twitch側の失礼なミスであったという。海外メディアKotakuなどが報じている。

Sykkuno氏は、Twitchにおけるトップストリーマーのひとりで、『AmongUs』や『GTA Online』などのゲーム配信をおこなっている。同氏の活動歴は、2006年4月にまで遡る。Sykkuno氏は元々、YouTube上で『League of Legends』や『Minecraft』の動画を投稿していた(現在のYouTubeチャンネルとは別のアカウント)。そして、2019年よりTwitchでのストリーミング配信に移行。それ以来、Twitchでは400万人ものフォロワーを抱えるストリーマーとして、絶大な人気を集めていた。その累計視聴回数は約1億300万回にものぼる。

しかし今回、Sykkuno氏はそのTwitchを離れ、YouTubeに活動の場を移すことを発表した。同氏は、5月4日におこなわれたYouTubeでのライブ配信で、その理由を明かしている。移籍の決定打となったのは、YouTubeが提示したより良い条件……だけでなく、Twitch側の盛大な“やらかし”なのだという。

Sykkuno氏によると、Twitchが提示した最初のオファーは「非常に悪い」ものであったという。しかし、より良い条件を求めてをおこなった結果、「非常に、非常に良い条件」を引き出すことに成功した。これは、YouTubeの提示条件に匹敵するほどの好条件で、同氏はTwitchにとどまる意思を固めていたのだという。

ちなみに、同氏はTwitch側の条件が「多少悪い」ものであっても、とどまっていたと語っている。Twitchは、同氏がトップストリーマーとなるまで配信を続けていたプラットフォームであり、愛着もあったのだろう。さて、ここまでは、移籍の可能性などほとんど考えられない内容だ。いったいSykkuno氏とTwitchの間に、何が起きたというのだろうか。

Sykkuno氏が配信画面に映し出したのは、Twitchから送られてきたメールであった。一見普通のメールのように思えるが、よく見てほしい。タイトルが「Twitch × Sukkuno」となっているのだ。さらに、英語話者にとって、これは単なるスペルミス以上の意味を持つ。綴りはやや違うものの、「Suck」すなわち日本語でいうところの「最悪」や「くそ」といった意味合いで用いられる言葉が、名前に紛れ込んでしまったのだ。上述の動画24分ごろからの読み上げを聞いてみると、Sykkuno氏も苦笑いしつつ、この酷いスペルミスを発音している。また、視聴者たちは爆笑と困惑を顕にしている。このスペルミスは、侮辱的なSワードとも受けとれる、痛恨のやらかしだったのだ。

同氏は「日ごろからたくさんの人からメッセージを貰いますから、初めに見たときはフィッシングメールかと思いました」と語っている。しかし、残念ながらそれは公式のメールであった。「私はTwitch上で28番目に収益の高いストリーマーで、45番目にフォローされているストリーマーだと思うのですが、公式メールでSukkuno呼ばわりされたんです。もしかしたら私が自意識過剰すぎるのかもしれませんが、それでもショックでした」と同氏は続け、クリックするとウイルスに感染するか不安だったとも語っている。引きとめ交渉中のトップストリーマーに対する公式メールにあるまじき、Twitch痛恨のミスであった。

しかもこれは、米国における「アジア・太平洋系米国人の文化遺産継承月間」である今月初めの出来事であった。同月間にともないTwitch公式ブログでも、アジア・太平洋系のストリーマーが、同サイトだけでなくゲーム文化全体に与えた大きな影響を「祝い、認識する」ことを奨励している。そして、Sykkuno氏は中国人とベトナム人にルーツを持つ人物だという。アジア・太平洋系の文化をたたえるこの月間に、たとえそれが本名でなくとも、同氏の名前のスペルを間違えること自体が失礼なミスであったといえる。


Sykkuno氏は移籍の理由について、こう締めくくっている。「YouTubeに移籍した主な理由は、彼らのオファーがより良いものだったからです。ここに疑いはありません。そして、彼らは私の名前を正しいスペルで書いてくれます。これも大きなプラス要因ですね」。我々も、ビジネスメールでのスペルミスには、くれぐれも注意したいところだ。

Hideaki Fujiwara
Hideaki Fujiwara

なんでも遊ぶ雑食ゲーマー。『Titanfall 2』が好きだったこともあり、『Apex Legends』はリリース当初から遊び続けています。

Articles: 2517