『エルデンリング』にて、「謎の毒壁」が発見される。張り付くとぬっぺり毒が付く恐ろしき壁


『エルデンリング』にて、一見なんの変哲もない壁がプレイヤーに毒を与える現象が確認された。ユーザーにより、その背景への考察も伝えられている。本稿には、『エルデンリング』中盤以降のロケーションについての記述が含まれるため、留意されたい。


『エルデンリング』は、フロム・ソフトウェアが手がけたアクションRPGだ。本作には多彩なロケーションが存在。美しい草原などが存在する一方で、一寸先は闇の洞窟や、広範囲にわたって毒や腐敗の沼が広がる容赦ない環境も存在する。また、本作ディレクターの宮崎英高氏は、かつて海外メディアインタビューにおいて「気づけば毒沼を作っており、自分でも止められない」と吐露している(関連記事)。宮崎氏が開発の中心として携わった『ダークソウル』シリーズなどでも毒沼はお馴染みの要素。『エルデンリング』でも同氏こだわりの毒沼や腐敗沼が実装され、プレイヤーに悲鳴をあげさせているのだ。

そして先日、本作プレイヤーによって新種の毒地形が発見された。「毒壁」である。毒沼を愛する宮崎氏による、遊び心の“毒イースターエッグ”かと思いきや、そうではないようだ。問題の毒壁が存在するのは、火山館のとある場所。祝福「エーグレーの聖堂」正面から外へ出て、崖の下にある足場の壁面である。どう見てもただの岩壁であるものの、密着するとプレイヤーには毒がガンガン蓄積し、姿は真緑に染まってしまうのだ。この現象は筆者も実際に確認したほか、『ダークソウル』シリーズなどの分析動画を投稿しているZullie氏が検証・考察の動画を公開している。

Zullie氏によれば、この毒壁は「開発上のちょっとしたミス」によって生まれたのではないかと推測している。同氏の分析によれば、本作には「Hit Material」なる要素があるという。本作では、岩・土・水場などで足音や攻撃ヒット音が変化するほか、毒沼や溶岩の上ではプレイヤーに状態異常蓄積あるいはダメージが与えられる。そうした性質を地面や壁面に与える仕組みがHit Materialであると説明している。たとえば、緑色の毒沼には特定のHit Materialが付与されており、水音や毒性などを地形に付与しているとのこと。

そして、この毒沼用の特定のHit Materialが、普通の地形に間違えて適用されたらどうなるのか。見た目は普通の地面や壁であるにも関わらず、毒沼として動作してしまうというロジックだ。つまり、見た目は普通なのに、性質だけ毒沼にされてしまった壁面が今回の「謎の毒壁」の正体なのではないかと考えられている。筆者が実際にゲーム内で確認したところ、壁に張り付くと毒を食らうだけでなく、「びちゃびちゃ」と沼地同様の水音がする。また、武器で壁面を叩いてみると、ほかの壁面とは違う水しぶきのような音もした。Zullie氏の考察結果を裏付ける挙動といえるだろう。


結論としては、この毒壁は宮崎氏の嗜好が反映された……というわけではなく、不具合の可能性が高そうだ。なお、謎の毒壁が存在するのは崖下に隠れた足場であり、多くのプレイヤーが頻繁に訪れる場所ではない。幸いにも、この現象によって困る可能性はあまりなさそうだ。毒壁に突っ込むと全身が綺麗に緑に染まるため、やや面白い見た目になる。祝福からもそう遠くない場所であるため、一度見物に訪れてみるのもよいだろう。また、探してみればほかにも“素材を間違えたであろう”壁や地面が存在するかもしれない。




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