『エルデンリング』旧バージョンのクリア時間が25分に迫る。空中をレーザーの如く飛ぶ新技で短縮
『エルデンリング』旧バージョンにて、25分に迫るクリアタイムが叩き出された。空中をまっすぐに駆け抜けるテクニックの利用により、タイム短縮が実現したようだ。本稿にはその性質上、『エルデンリング』のネタバレとなる要素も含まれるためご注意されたい。
今回の記録を打ち出したのは、海外スピードランナーのDistortion2氏。同氏は、『ダークソウル』シリーズや『SEKIRO: Shadows Die Twice』のスピードランなどでも著名な人物だ。『エルデンリング』においても、2月25日の本作発売からスピードランの先頭グループを駆けるひとりである。同氏は3月14日に、グリッチを利用したAny%(達成度問わず)スピードランにて、ゲーム内時間にして28分59秒のクリアタイムを記録(関連記事)。そして本日3月22日には新しいグリッチを利用し、クリアタイムを25分29秒へと大きく縮めたのだ。なお、今回の記録は「霜踏み」が下方修正される前のVer.1.02にて出されている。
今回のタイム短縮に繋がったのは、「Zip Glitch」と呼ばれる手法。これは、プレイヤーがレーザービームの如く、一瞬にして空中を飛ぶグリッチだ。同氏は従来のチャートとおおむね一致するチャートで攻略しつつ、合間にこのグリッチで大胆なショートカットを実現している。「崩れゆくファルム・アズラ」でのひとっ飛びの様子は、下記動画24分22秒頃から確認できる。
しかしながら、Distortion2氏は動画の説明欄にて、このグリッチはリーダーボードにおいて禁止されるだろうとの見解を示している。リーダーボードとは、スピードラン集計サイトSpeedrun.comの本作カテゴリーを指すのだろう。同氏はZip Glitchはハードウェアへの依存度が高く、基本的に運任せとなるためこれを利用したスピードランは今後おこなわない方針も伝えている。スピードラン関係の動画制作者であるEZScape氏が公開している、有志陣制作によると見られるZip Glitch再現スクリプトを確認すると、たしかにツール頼りの緻密な操作が必要とされている様子がわかる。
Distortion2氏は今後、現行最新バージョンのVer.1.03でのAny%スピードランおよび、追憶を落とすボスを全員撃破する「All Remembrances」カテゴリーに挑戦していくようだ。同氏は3月21日に、同カテゴリーでも3時間16分41秒と良好なタイムを記録している。こちらは現行のVer.1.03での記録だ。Distortion2氏は前半はツリーガードから奪い去った「黄金のハルバード」を利用し、強靭削りと圧倒的な攻撃力で押し切っている。また、後半は武器「屍山血河」および祈祷「蝿たかり」を利用しての出血ダメージを活かした戦術で挑んでいるようだ。通常の攻略に活かせる戦術も現れる、見ごたえある内容となっている。
同日3月21日には海外スピードランナーのSpectrallic氏が、敵のAIを停止させるグリッチやワープ技「Wrong Warp」を封じつつ、2時間48分38秒との記録を収めた動画を公開している。こちらでは前半はレドゥビア、後半は屍山血河を使って血路を開いているようだ。
なお、Speedrun.comの本作リーダーボード解禁は、現地時間3月25日からである。どのようなレギュレーションが適用されるのかも気になる点だ。すでに多種多様な戦術が入り乱れる本作スピードランが、今後どのような発展を見せるのか楽しみだ。