『エルデンリング』がさっそく1時間未満でクリアされる。生命力と霜踏みで押し通る爆速褪せ人
『エルデンリング』発売からわずか約2週間。さっそく本作をゲーム内時間にして1時間未満でクリアするユーザーが現れたようだ。グリッチなども利用しつつ、本作の意外なほどの移動ルートの豊富さが垣間見える内容となっている。なお、題材の性質上、本稿にはネタバレになりうる要素が含まれるため注意されたい。
『エルデンリング』は、フロム・ソフトウェアが贈る新作アクションRPGだ。本作は先月2月25日に発売され、現在多くのプレイヤーが、舞台である狭間の地にて冒険を繰り広げている。狭間の地は広大なオープンフィールドとなっており、霊馬やファストトラベルを利用しての移動はほぼ必須。SNS上などでは、度肝を抜くスケールと密度のマップに対する驚きの声もプレイヤーたちからあがっている。ゲームの最速クリアを目指すスピードランにおいては、本作の広大な世界をどのように移動するのかも興味を集めていたのだ。
そして3月9日、海外スピードラン走者のLilAggy氏が、異常な速度での『エルデンリング』クリア記録を打ち立てた。最終ボス撃破までのタイムは、59分38秒。作品リリースから約2週間にして1時間切りを達成したのだ。このクリアタイムはあくまでゲーム内時間であり、ローディングなどの時間についてはカウントされていない。しかしながら、「何十時間遊んでも底が見えない」との評価も多い本作において、常軌を逸したタイムなのは確かだ。なお、LilAggy氏は『SEKIRO: Shadows Die Twice』などでも世界トップクラスの記録をリーダーボードに刻んでいる人物。同氏による、世界初だという『エルデンリング』1時間切りの動画を下記にご紹介する。動画には最終ボスの姿など重大なネタバレも含まれるため、閲覧の際には気をつけてほしい。
LilAggy氏の動画を見てみると、緻密なルート構成が極めて早いクリアタイムを支えている様子がわかる。本作のマップには、「転送門」と呼ばれるワープポイントが点在している。同氏はこの転送門の位置を正確に把握し、またいくつかのグリッチを利用してとにかく移動時間を効率化しているようだ。転送門のテレポート先は、意外な後半エリアに設定されている場合も多い。初見プレイであれば混乱と恐怖に見舞われる転送後エリアも、LilAggy氏にとっては勝手知ったる大胆なショートカットとなるのだ。同氏はほかにも、「セーブとロードを利用してエリア深部に入り込む」「特定エリアに転送してくれる敵を利用する」など、本作のグリッチや仕様をフル活用して冒険の道のりを圧縮している。
ほかに気になるのは戦闘面だ。本作のボスは手強く、クリアを目指す以上戦闘は避けられない。LilAggy氏は、一部ボスについては、ボスが行動を停止するグリッチを利用しているようだ。しかし、ほとんどのボスについては真正面から挑んでいる。同氏が取った戦術は、生命力モリモリ+戦技「霜踏み」の組み合わせだ。ボスなどから得たルーンは、大部分を生命力に、そして精神力にも若干を振り分けている。とにかく生存性を確保し、そしてユーザーたちから強いとの声も多い霜踏みをとにかく当て続けることで、勝利をもぎ取っている。なお、素性については「侍」でゲームを開始しているようだ。筆者の推測となるものの、初期装備の打刀の出血ダメージを利用するためかもしれない。というのも、出血ダメージは敵の最大HPに対する割合ダメージとなるため、霜踏みが手に入るまでの心もとない対ボスダメージをカバーしていると見られる。
なお、LilAggy氏によるクリア1時間切り動画のなかでは、ミスも目立っていた。今後練度の上昇やチャートの研究が進むにつれて、さらにタイムが短縮されていくことだろう。海外スピードラン集計サイトSpeedrun.comにおける『エルデンリング』カテゴリーは、現地時間3月18日より解禁予定。爆速褪せ人たちがいかなるルートと戦術で本作を打倒していくのか、じっくりゆっくりと『エルデンリング』を味わいつつ楽しみに待ちたい。
※ The English version of this article is available here