“Wii U向け”新作ホラーゲーム『Silver Falls – White Inside Its Umbra』今年発売へ。生産終了機種でも出したい、こだわりの開発元
オーストラリアのデベロッパーSungrand Studiosは2月3日、ホラーゲーム『Silver Falls – White Inside Its Umbra』のゲームプレイ映像を公開した。対応プラットフォームは海外Wii U(ニンテンドーeショップ)で、今年発売予定だ。国内生産終了機種にてまさかの新作リリースとなる。海外メディアNintendo Lifeが伝えている。
『Silver Falls – White Inside Its Umbra』は、一人称視点ホラーゲームだ。ゲームプレイの詳細はまだベールに包まれているものの、Wii Uの機能を大いに活用した作品となるようだ。具体的には、まずWii Uを特徴づける液晶搭載コントローラー「Wii U GamePad」にはもちろん対応。また、Wiiリモコンでの移動・センサーでの視点操作も可能なほか、ヌンチャクおよびプレイヤーが乗って操作するコントローラー「バランスWiiボード」にも対応する。本格的なWii U向けゲームとして制作されているようだ。
とはいえ、Wii Uは発売されて久しいコンソールだ。2012年にWiiの後継機としてリリースされてから実に9年以上の時が経っている。また、2017年には日本国内での生産が終了されているほか、売上台数もほかの任天堂機種に比して苦戦している。同社の株主・投資家向け情報によれば、前身となるWiiは2021年12月末時点で1億163万台を、Nintendo Switchは1億354万台を売り上げている。一方で、Wii Uの売上台数は1356万台に留まる。すなわち、同社のハードのなかでも、ややニッチな機種といえるのだ。
気になるのは、開発元Sungrand Studiosがなぜ、そうした経緯のあるWii Uに新作『Silver Falls – White Inside Its Umbra』をリリースしようと思ったのかだ。その背景には、同スタジオの任天堂ハードへの強いこだわりがあったようだ。Sungrand Studiosは海外ニンテンドーeショップにて、ニンテンドー3DS向けに2020年と2021年にも『Silver Falls』シリーズ作品をリリースしているのだ。ニンテンドー3DSは2011年に発売されたハードであり、2020年9月には生産が終了されている。
そして同スタジオは、極めつけには2021年に“ゲームボーイカラー向け新作”である『Silver Falls – Galaxy Bound Curse』までリリースしている。とはいえ、こちらは公式Webストアもないため実機仕様準拠のゲームROMファイルの配布となっている。一連のタイムワープしたかのような発売スケジュールからは、「どうしても過去の任天堂ハードで出したい」との強い意思を感じざるを得ない。また、各シリーズサブタイトルについても「GBC(ゲームボーイカラー)」「3DS」「Wii U」となるように命名されており、狙い撃ちしている感もある。いずれにせよ、任天堂ハードでのリリースについてこだわりがあるのは間違いなさそうだ。
ただ、実を言えばWii U向け新作は昨年にもリリースされている。アクションゲーム『Captain U』だ。今回の『Silver Falls – White Inside Its Umbra』が無事に2022年リリースされれば、2年連続でWii U新作リリースとなる。また、ニンテンドーeショップがまだWii U向け新作の審査とリリースを受け付けている点も興味深い。Wii Uは意外とまだ可能性を秘めているのかもしれない。開発元Sungrand Studiosは、1月29日のツイートで「任天堂さんちょっと待って!まだWii U向け新作出すから!」と冗談めかしつつ、終了間近の開発状況を伝えている。
『Silver Falls – White Inside Its Umbra』は、海外Wii U向けに2022年リリース予定。残念ながら、開発元過去作はいずれも日本国内展開されておらず、今回も同様となる見込みだ。