ローグライクアクション『Vampire Survivors』がSteam同時接続プレイヤー数5万人規模に成長し大ヒット。300円で買える手軽な中毒
低価格かつシンプルな見下ろしアクションゲーム『Vampire Survivors』が、プレイヤー人口を急速に伸ばしている。日間で10人前後だったピーク同時接続者数が、リリースから約2か月間で5万人へと急速に増加しているのだ。その背景には本作の手軽さと、ストリーマーによる露出があったと見られる。
『Vampire Survivors』はSteamで早期アクセス配信中の見下ろし視点アクションゲームだ。「死ぬとほぼ一からやり直し」「武器や能力はランダムなラインナップから選ぶ」など、近年のいわゆるローグライク作品によく見られるシステムを導入している。本作の特徴としては、片手で遊べる手軽さがあげられる。プレイヤーはそれぞれ特徴ある複数のキャラクターからひとりを選択し、自動で出る攻撃を上手く当てつつ、群れなして襲いくる敵を捌き続けるのだ。
また、本作は「中毒性が高い」作品としても名高い。『Vampire Survivors』のSteamユーザーレビューには、記事執筆現在で国内外から2万3000件の評価が寄せられ、うち99%が好評の「圧倒的に好評」ステータスとなっている。内容としては、装備のアップグレードによってどんどんインフレを重ねる様子が楽しく、ついつい長時間遊んでしまうとの意見が散見される。また、本作の300円なる低価格と、ゲームプレイの楽しさのバランスを称賛する声もある。安くてシンプルで楽しい、そうした総合力が人気の理由のひとつなのだろう。
そして本作は、現地時間2月2日にはSteamピーク同時接続者数5万人を突破した(SteamDB)。一時はSteam全体でもプレイヤー数ランキング15位圏内に入るなど、プレイヤー人口面でも大躍進を見せているのだ。昨年12月18日の配信開始直後には10人前後だったピーク同時接続者数は、今年に入りにわかに話題となったため4桁台へ突入していた(関連記事)。さらに1月下旬にかけて、人気ストリーマーのxQc氏などが本作をTwitchにて配信(SullyGnome)。一時は14万人に迫る視聴者が『Vampire Survivors』に注目することとなり、Steamでのプレイヤー数も比例するように伸び上がっている。
ほかに、本作の人気に一役買っていそうな要素としては、既存のプレイヤーを飽きさせない定期的なアップデートがある。リリース以降本作では、毎週のように不具合修正や改善および要素追加のアップデートが配信されているのだ。また、時としてユーモアの利いた要素が追加されることもある。配信35日目を記念したアニバーサリー(?)パッチでは、「The NFT」なるアイテムも追加された。こちらは非代替性トークンであるところのNFT(Non-Fungible Token)ではなく、「Nduja Fritta Tanto」の略だ。Nduja(ンドゥイヤ)は、南イタリアなどで食べられるスパイシーなソーセージのこと。ゲーム内では、その辛さを活かしてピンチを脱するお助けアイテムとなっている。昨今のゲーム企業によるNFT参入を皮肉る意図もあっての、“NFT”追加だったのだろう。
また、『Vampire Survivors』の人気は国内でも高まっており、インディーゲームの有志翻訳などを手がける朝比奈氏などが非公式ながら日本語化ファイルを公開している。また、本作は公式の日本語対応も視野に入れているようだ。英語のままでもなんとなく遊べてしまう手軽さではあるものの、国内プレイヤーにとってさらに本作が遊びやすくなるだろう。
『Vampire Survivors』はPC(Steam)向けに早期アクセス配信中で、価格は税込300円。itch.ioでは本作のデモ版も公開されている。