ゲーム販売サイトHumble Bundleが2月からサブスクプランを一本化へ。紆余曲折の末にプランが先祖返り
Humble Bundleは1月11日、同サイトが提供するゲームのサブスクライブサービス「Humble Choice」の料金プランを現地時間2月1日より一本化すると発表した。また、同プラン契約者向けのゲーム配信サービス「Humble Games Collection」を独自クライアントにて提供する予定。
Humble Bundleは、ゲーム購入金額の寄付を特色とするコンテンツ配信プラットフォーム。ユーザーが同サイトに支払うゲーム購入あるいはサービス料は、チャリティー団体への寄付として分配される。また、複数作品がセットになったバンドル販売も頻繁に実施。サブスクサービス「Humble Choice」では、毎月のラインナップから料金プランに応じた本数の作品を無料で入手できる。ゲームは主にSteamキー形式で配信され、一度入手すればサブスク契約を停止しても遊ぶことができる。また、契約者はゲームの購入にも割引が適用される。つまり、寄付しつつ何かとお得にゲームが手に入るプラットフォームなのだ。
今回Humble Bundleが発表したのは、2月1日からのHumble Choiceプラン一本化だ。上述の通り、現状同サービスにはいくつかのプランがある。料金については、毎月のラインナップから3本が入手できる「Basic」プランが月14.99米ドル(約1728円)、全タイトルを入手できる「Premium」プランが月19.99米ドル(約2305円)となっている。また、毎月のタイトルは入手できないものの、ゲームライブラリ「Humble Trove」が利用できる「Lite」プランは月4.99米ドル(約575円)だ。契約者は、ほかにもHumble Storeでのゲーム購入に割引が適用されるメリットもある。
今後はこれらのプランが、月11.99 米ドル(約1382円)の単一サブスクリプションに一本化されるとのこと。つまり、これまでBasic以上のプランを契約していたユーザーは、さらに低料金で毎月のタイトルが手に入るということだ。この変更は現地時間2月1日午前10時(日本時間2月2日午前3時)から実施され、既存のメンバーは自動的に同プランに移行するとのこと。また、料金がアップしてしまうLiteプラン利用者については、自動的に一旦契約が停止される。
金額的にお得になったものの、このプラン一本化には懸念もある。まず、Humble BundleはかつてHumble Choiceの前身となる「Humble Monthly」なるサブスクサービスを提供していた。こちらは月12米ドルで毎月のラインナップがすべて入手できる仕組みだ。つまり、今回のプラン一本化はHumble Monthlyとほぼ同料金に回帰している。以前のMonthly契約者は、引き続き12米ドルでHumble Choiceを契約できる「Classic」プランを利用できた。今回のプラン変更により、Classicプラン利用者のメリットはなくなるかたちになる。
また、ゲーム購入時の割引率も問題だ。今回の発表によれば、新プランでは契約期間の長さに応じて最大20%の割引が適用されるとしている。一方で、Humble Choiceのユーザーには「欲しいタイトルがある月だけ」サブスク契約をするユーザーも少なくない。現状では、Premiumプランに加入すれば即時20%の割引が適用される。しかし、新プランからは契約を一時停止すると割引率が10%にまで下がってしまう。こうした経緯や変更点もあり、SNS上では「Humble Monthlyに戻っただけ」との意見や、割引率に関する新しい仕組みはユーザーの利便性を損ねるものではないかとの声も散見される。新プランについては、今後もさまざまな意見が投げ掛けられそうだ。
そして、Humble Bundleの新ゲームライブラリ「Humble Games Collection」も発表された。こちらは、Humble Choiceとは別のサブスク契約者向けサービス。ユーザーは、毎月新規追加されるゲームライブラリを独自ランチャー「Humble app」からプレイ可能になる。ただ、こちらはサブスク契約を停止すると遊べなくなる点には注意したい。Humble Games Collection開始タイトルラインナップは以下の通り。
『Forager』
『Wizard of Legend』
『Dodgeball Academia』
『UNSIGHTED』
『Void Bastards』
また、同アプリからはHumble Troveで配信された個性的なゲームなどがDRMフリーで遊べる「the Vault」も利用できる。こちらはDRMフリーであるため、ゲームファイルさえ保存しておけば無期限に遊べる仕組みだ。提供タイトルとしては、『Getting Over It with Bennett Foddy』や『A Short Hike』などがラインナップにあがっている。そのほか、今回の変更の詳細については、英語とはなるものの公式発表およびFAQページを参照されたい。
Humble Choiceプラン一本化は、日本時間2月2日午前3時より実施予定。Humble AppおよびHumble Games Collectionについては、今後数週間のうちにさらなる詳細を発表するとのこと。