AmazonのMMORPG『New World』が人気すぎて“AFKタイマー不正”をするプレイヤー続出。検知・処分対応へ

 

Amazon Gamesが手がけ、Steamにて9月29日に配信開始されたMMORPG『New World』。これまで、プレイヤー数の面で非常に好調であることが伝えられており、初めて迎えた週末には同時接続プレイヤー数が90万人を突破。Steam全体でもトップの数字を記録している。そんなかなAmazon Gamesは10月3日、「AFK Timer Subversion」をおこなうプレイヤーの検知と処分を開始すると発表した。

『New World』は、超自然的な力が存在する架空の島Aeternumを舞台とするMMORPGだ。プレイヤーはこの島で生きるなかで、Marauders・Syndicate・Covenantのいずれかの派閥に所属。自らの役割をこなしながら、それぞれの派閥の繁栄を目指す。本作ではPvPおよびPvEを楽しむことができ、バトルでは近接・遠距離武器のほか魔法のような力も利用可能。クラス制ではなく、プレイスタイルはプレイヤー自身が形作っていくこととなる。

今回の発表にて処分対象とされたAFK Timer Subversionとは、AFK(Away From Keyboard・離席)タイマーを不正に回避するプレイヤーを指している。本作では、プレイ中のキャラクターが何もせず静止したまま20分経つと警告が発せられ、さらに5分経過すると、サーバーからキックされる仕様となっている(PC Gamer)。

そのタイマーを作動させないよう不正をはたらくプレイヤーが相次ぎ、開発元が対処に乗り出したかたちだ。実際には離席しているが、キャラクターを走らせたままにしたり、攻撃アクションを続けさせたり、スクリプトを組んでランダムに移動させたりといった手法でプレイ中であるかのように偽装し、タイマーの始動を回避している模様である。

こうした状況を受けて、Amazon Gamesは10月1日に対処を検討中であることを表明。そして10月3日に具体的な方針が示された。発表では、AFKタイマー不正をおこなうプレイヤーに関してコミュニティから不満の声が多く寄せられているとし、同スタジオとしてもそうした行為を許すことはないとコメント。そして、不正検知の手法の詳細については明かせないが、検知されたAFKプレイヤーはサーバーからキックされ、メインメニューに戻されるとした。

同じような不正行為を繰り返すプレイヤーに対しては、より厳しい処分が適用されるとも述べている。具体的な処分内容については不明。また、不正検知システムについては徐々に導入していくため、目に見える効果(後述)がすぐに出るわけではない可能性があるとのことだ。なお、普通にプレイしている分には、このシステムによって何か問題が発生することはないとしている。

そもそも、なぜそういったAFKタイマー不正をおこうなうプレイヤーがいるのかというと、背景には先述した本作の爆発的な人気があるようだ。本作ではローンチ以来、膨大な数のプレイヤーが押し寄せていることから、多くのサーバーが満員状態に。結果的に多くのプレイヤーがログイン待ちを強いられ、サーバー・時間帯によっては数千人の待機列ができ、ログインできるまでに数時間待たされることもある。

そうした長時間のログイン待ちを回避するために、プレイを終えてもログアウトせず、AFKタイマー不正にてサーバー内にとどまったままのプレイヤーが相次いだと見られる。しかしそうした不正プレイヤーの存在は、ほかのプレイヤーのMMOとしてのゲーム体験を損ねるだけでなく、サーバーの過密状態が続きログイン待ちが減らないことにも繋がる。

Amazon Gamesは、これまでにサーバー数を倍増させたり、各リージョン・各サーバーのステータスを一覧できるサイトを公開したりと対策を講じている。また、キャラクターを異なるサーバーへ転送できる機能の開発も進めているという(関連記事)。今回発表された、AFKタイマー不正プレイヤーを検知しサーバーからキックする処分も、ログイン待ち改善に向けた対策のひとつというわけだ。ただ、先述したように効果はすぐに現れるわけではないそうで、その有効性については今後明らかになるだろう。

『New World』は、PC(Steam)向けに配信中だ。