リメイク版『Dead Space』開発者より発表された新情報まとめ。大進化したゴア表現、少額課金は無し、サプライズゲストも
Motive Studiosは9月1日、同スタジオが手がけるリメイク版『Dead Space』の情報を届ける番組「Early Development Livestream」を放送した。同放送で明かされたリメイク版の新情報について、本稿でまとめよう。
今回リメイク版について語ったのは、本作シニアプロデューサーのPhilippe Ducharme氏と、クリエイティブディレクターのRoman Campos-Oriola氏だ。本作についてはまだ開発初期にあるため、今回の放送では技術的要素の紹介が中心となっている。ごくごく初期段階の映像公開に踏み切ったのは、プレイヤーのフィードバックを得ながら開発に取り組む方針が理由とのことで、今後もこまめな開発状況の共有が期待できそうだ。
開発者達がまず触れたのは、グラフィック面の進歩だ。本作は『バトルフィールド V』などにも採用されているEA DICE内製のFrostbiteエンジンで制作されており、当然のことながら2008年発売のオリジナル版から現世代機向けへと、著しい描画面の進歩を見せている。わずかながら開発版のインゲーム映像も公開されており、向上したライティングやフォグの表現によって存分に恐ろしい体験ができそうな印象だ。
そして、何よりファンが気になるのはリメイク版において敵の身体破壊表現がどのように表現されるのか、という点だろう。番組のなかでPeeling(皮むき)システムとして言及された破壊表現の仕組みは、オリジナル版の四肢切断システムをさらに深化させたものだ。本作の敵であるネクロモーフは、骨や内臓、筋肉などを多層にわたってパーツを備えており、プレイヤーが撃った位置や投射物のかたちによって細かくダメージ表現が変わる。
そのため、プレイヤーはただ闇雲に四肢を撃つのではなく、肉などの組織が削げ落ちて骨が剥き出しになっている箇所など、実際に構造的に弱まっている部分を冷静沈着に狙う必要があるようだ。今回の開発段階の映像でも、こうしたダメージ描写は極めてリアルな表現になっていることが把握できる。期待をそそる反面、国内展開されるゲームはゴア表現や四肢切断表現が和らげられる傾向があるため、克明な表現がそのまま国内プレイヤーの手に届くかどうかは不透明。また、このシステムの紹介中には、Campos-Oriola氏が興奮のあまりアクションが大きくなり、マイクに雑音が入る一幕もあった。つい大きな反応を示してしまうほど、開発陣としても大切にしている要素であることがうかがえる。
無重力環境の表現もオリジナル版から変化するようだ。無重力遊泳の要素は『Dead Space 2』および『Dead Space 3』には存在していた。ただし『Dead Space』オリジナル版においては底面に張り付く無重力対応ブーツで上下左右の壁に張り付き、ジャンプを繰り返すような形式だった。リメイク版では『Dead Space 2』および『Dead Space 3』に近い、スラスターを利用した自由な機動が可能になる。この刷新により、オリジナル版ではパズル的な面が強かった無重力エリアが、より自由に探索できるようなゾーンになるとのこと。そして今回、開発者のふたりにより「少額課金などの要素はない」と明言された。『Dead Space 3』に少額課金要素があり、不評を受けたことを踏まえての発言と見られる。
ストーリーについては、原作の物語は基本的に守りつつ、主人公Isaacの恋人であるNicoleなど、サイドキャラクターたちについてオリジナル版より掘り下げた描写がなされるとのこと。また、リメイク版においては「孤立感」を大切にしているとのことで、プレイヤーに対して説明的な独り言を喋るようなことがないようにしているそうだ。また、Isaacのダイアログについては「話しかけられた時だけ喋る」「黙っているとおかしい状況では喋る」などのルールの上で設計されているようだ。
そして、今回の大きなサプライズとしてオリジナル版『Dead Space』シリーズでも、主人公Isaacの声優および顔のモデルを担当したGunner Wright氏がゲストで登場。リメイク版『Dead Space』においてもIsaacの声をあてることを明かした。
リメイク版『Dead Space』は、PC/PS5/Xbox Series X|S向けに開発中。今後の定期的な情報公開にも期待したい。