青春ホラーRPG『No Body』トレイラー公開。『Undertale』などから影響受けたサイコでポップな物語
イギリスのインディーデベロッパーGhost Coast Gamesは8月24日、ロールプレイングゲーム『No Body』ティザートレイラーを公開した。対応プラットフォームはPC(Steam/itch.io)で、リリース時期は今のところ未定だ。
『No Body』は、謎の世界からの脱出を目指す物語主導のRPGだ。主人公は、アニメとゲームを愛する17歳の少年Clownface。彼は3人の少年少女、および1体のロボットからなる仲間たちとともに、「The WELL」と呼ばれる危険で奇妙な世界を出口を求めさまようことになる。探索の道行きのなかで、主人公たちは怪しげな組織や世界、そして自身のアイデンティティについての謎を解き明かしていく。本作においては3種類のエンディングが用意されており、ゲーム内で迫られるあらゆる選択肢が、大なり小なりの影響をゲームに与えるシステムになっている。物語にはLGBT+ キャラクターが登場するほか、ドラッグやネグレクト、虐待といったセンシティブな要素も含んでいるという。
探索を妨げる障害としては、Anomalies(アノマリー)と呼ばれる敵が存在しており、戦闘は一般的なターンベースにユニークな“ひねり”を追加したものになるという。フィールドにはパズル要素も存在しており、探索は『ゼルダの伝説』風とのこと。ストアページでは「ゲーム内外での調査」が要素として紹介されており、やや変わった仕掛けを予想させる。ほとんどすべてのアイテムを「調べる」ことができ、新たな物語や使い方が判明することもあるようだ。また、猫、犬、ハムスターや蛇などの動物を撫でることができるそうだ。
ポップさとホラー表現が同居したビジュアルデザインを持つ本作は、『Undertale』や『サイレントヒル』『ナイト・イン・ザ・ウッズ』といった作品たちに影響を受けているという。たしかに、思春期の不安を具現化させたかのような世界観や、グラフィックスタイルのそこかしこからは影響がにじみ出ている印象がある。ストーリーへの評価も高い各作品の影響のもと、恐ろしげな世界で少年少女たちがどういった物語を紡ぐのか興味をそそる。
本作の開発元であるGhost Coast Gamesは、Magnum Phoenix氏(本名)による個人スタジオだ。同氏は、メインミュージシャンのCharles Wolf氏や、キャラクターアートおよび一部楽曲担当するSammy氏などミュージシャン/アーティストたちの力を借りつつ、主要な開発パートをひとりで担っているという。以前から作劇や脚本を中心に手がけている同氏は、現在イギリスのウォーリック大学に研究生として在籍しており、「アンドロイド俳優の実現可能性」などのテーマに興味を持って取り組んでいるようだ。同氏の経験がゲームにどのように反映されるのかは興味深い。
『No Body』はPC(Steam/itch.io)向けにリリース予定。リリース時期は未定となっており、続報に期待したい。
【UPDATE 2021/8/26 2:40】
開発者Phoenix氏 の指摘を元に、ゲーム要素およびメインミュージシャンについて追記・修正