『Apex Legends』最新パッチノートに開発者が補足。ワットソンの“ホントの”強化予告や、スカルタウンが常設になれない理由

 

本日6月25日、『Apex Legends』にて新たなコレクションイベントの情報が公開された(関連記事)。発表に合わせて、次回アップデートにておこなわれる調整の詳細もパッチノートにて明かされている。コミュニティではさっそく同調整に対する反響が寄せられており、一部の声には開発者からの返答も寄せられているようだ。 

今回のパッチノートで異彩を放っているのが、ワットソンにまつわる項目であろう。ほかレジェンドの項目では淡々と上方・下方修正の内容が伝えられるなか、彼女が受けた強化(?)の内容は「レジェンダリーエモート使用時、ネッシーのぬいぐるみを最大20匹まで同時に設置可能になる」というもの。戦闘とは関係なく、フィールドにネッシーちゃんを設置できる数が増加するというまさかの“癒しバフ”が施されたのだ。ユーモアを交えた同アップデートには、「ほかのレジェンドを差し置いてワットソンが一気に最上位キャラクターに躍り出た」とする歓迎の声もある。
  

 
一方で、今回のアップデートに不満を抱くユーザーもいたようだ。というのもワットソンといえば、5月ごろから強化が根強く望まれていたレジェンド(関連記事)。一時期はフェンスによるスロー効果が誤って削除されていたこともあり、ピック率の低迷が叫ばれていた。ワットソン使いのプレイヤーにとっては、パッチノートに彼女の名前を見つけた瞬間、何らかの強化を期待して肩透かしを食らってしまったという気持ちも否めないのだろう。あるユーザーは、「荒らしよりもひどい」と怒りをにじませつつ、開発チームに対し「ここまで(イジれるほどに)大胆になれるのは、将来的に何らかの強化を用意しているからに違いない」との推測を述べている。 

すると、ここに反応を返したのがリードゲームデザイナーを務めるDaniel Zenon Klein氏だ。Klein氏は先述の書き込みに対し、「そうだよ」と告白。実は、まさにチームがワットソンの強化に取り組んでいるとの事実を明かした。まだ模索中の段階にあるため具体的な実装日程は明かせないものの、ワットソンについてよりいっそう「瞬間的な楽しさ」を付与することを目的としているようだ。ワットソンは「敵襲を未然に防ぐ」ことが真価であるため、その優位性を実感しにくいことが以前から問題提起されてきた。今後のアップデートでは、より使っていて楽しさを感じやすくする調整が図られるようだ。また彼女が実際には非常に高い勝率を誇っていることを踏まえ、「目に見えにくい強さ」を抑えていくように手が加えられていくとのこと。 
 

 
また、今回のアップデートで目玉の一つといえるのがスカルタウンの復活だ。旧キングスキャニオンにおける人気スポットが、アリーナモードのマップとして登場。見通しが悪くいつ接敵するか分からない、緊張感の高いロケーションが再来するわけだ。初期のマップを楽しんでいたプレイヤーにとっては朗報といえる今回の実装。しかし残念ながら、スカルタウンがアリーナのローテーションに加わるのは、今回のコレクションイベント中の期間限定となることが明かされている。その原因について、Respawn Entertainmentのリードレベルデザイナーから説明があった。 

アリーナモードにおいては、同モード専用に新規に設計されたマップと、バトルロイヤルモードのマップから一部を切り取って採用されたマップが存在している。スカルタウンは後者にあたるわけだ。そして、実はバトルロイヤル出典のマップは、アリーナモードでその一部だけが使用される場合も、いちいちフルサイズのマップをロードして利用されているのだという。そのため、アリーナモード開始時にバトルロイヤル由来のマップが選択される際は、ロード時間も長くなっているとのことだ。少々無駄にも思える仕様だが、こうすることで、アリーナ用のマップ開発にかける時間を大幅に削減することができているのだという。 

問題は、スカルタウンが“現在の”キングスキャニオンには存在していないという点だ。そもそも今回アリーナモードにスカルタウンが登場できたのは、コレクションイベントにて「オリジナルのキングスキャニオン」が期間限定で復活したためだという。バトルロイヤルモードにおける旧マップ復活ありきの、アリーナにおけるスカルタウン実装だったわけだ。もしキングスキャニオンからスカルタウンだけを切り離してアリーナモードへ実装したいなら、アートチームやQA(品質保証)チームなど多くの部署の助力が必要となる。いずれのチームも多忙であるため、現状としては期間限定でのスカルタウン実装にとどまっているというのが実情のようだ。 
 

 
ちなみにパッチノートの公開にあたり、開発者によるストリーム動画も公開された。そのなかでデザインディレクターのJason McCord氏は、マップ改良にまつわる今昔を語っている。キングスキャニオンはシーズン1で初お目見えしたのち、シーズン2で改良が加えられることとなった。しかし実際にシーズン2での改良が検討されはじめたのは、シーズン1すら始まっていない『Apex Legends』リリース前のこと。まだマップがユーザーの手に触れられていない段階から考えなくてはならなかったため、開発チームはどこからアップデートすべきか頭を悩ませたそうだ。同じ問題はワールズエッジでも発生。シーズン3で実装され、シーズン4で改変が加えられた同マップだが、こちらも改変が検討され始めたのは実際のマップ実装前の時期。どこから改良を加えればいいか、暗中模索の状態であったようだ。 

こうした過去の状況と比べると、オリンパスも加わって3マップがローテーションされる現在においては、かなりマップの改良を検討しやすくなったそうだ。シーズン7でオリンパスをリリースし、シーズン8で同マップをアップデートすることも検討されたそうだが、開発チームとしてはそれよりもコミュニティの要望を拾うことを優先。実際のユーザーの声を反映しながら、キングスキャニオンに立ち返ってマップの作り変えをおこなうことを選択したそうだ。そして最新シーズンにおいては、ふたたびオリンパスへの要望をヒアリングし、同マップの改変が加えられている。
  

 
海外掲示板では現在も次回アップデートに向け盛んに議論がおこなわれている。まだまだ開発者から新情報が明かされていきそうだ。『Apex Legends』コレクションイベント「ジェネシス」は、現地時間の6月29日から7月13日まで開催予定となっている。